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2012年9月10日 (月)

草食化は進んで絶食化となる?

 毎日新聞(9/7)“くらしの明日”私の社会保障論:中央大学教授・山田昌弘から、

 日本の若年男子が草食化していると言われて久しい。女性への関心があっても自分から積極的に動こうとせず、草食動物のように女性が近づくのを待っている男性が増えていることを指す。海外でも関心を呼び、「グラス・イーター」と訳されるほどだ。

《「頭のてっぺんからつま先まで、身をやつし」は着飾る女性の代名詞にさえなっていたほどだが、現在の男性たちはオカマを筆頭にそれに負けじと身をやつし、外見からも優しげにおとなしそうな、いわゆる能動的な「男くささ」が微塵もないおどおどした引っ込み思案な姿に変った。》

 日本性教育協会が6年に1度実施している学生・生徒の性行動調査で、近年大学生や高校生の性体験率が大幅に低下したという結果が発表された。性体験率調査と称するものの中には怪しいものもあるが、この調査は著名な社会学者が主導する大規模な全国調査で、継続して行なわれており極めて信頼度が高い。

【青少年の性衝動全国調査】
 日本性教育協会が1974年に始めた全国調査。以降81年、87年、93年、99年、05年、11年とほぼ6年に1回実施されている。青少年の性体験・意識を継続的に調べ、変化や社会背景を明らかにすることが目的。11年の調査は全国11地点の中高大学生約7700人を対象に、デートやキスなどの性体験や性に関する意識を尋ねた。

 2005年には男女とも61%だった大学生の性体験は、2011年には男子54%、女子47%となり、ほぼ90年代前半の水準に戻ってしまった。高校生も05年に男子27%、女子30%だったものが、11年は男子15%、女子24%と急減している。国立社会保障・人口問題研究所が行なっている出生動向調査でも、05年から10年にかけて18。19歳の若者の性体験率の低下がみられる。恋人がいる率も下がっているので、今まで増える一方だった若者の男女交際が低調になっていることは確実である。

 この原因に関しては、就職活動に忙しくて男女交際をしている暇がないとか、アイドルやメイドカフェ、ゲームなどバーチャルな異性で満足してしまい、現実の異性に関心がいかないなどさまざまな説が立てられ、社会学者も分析、検討を続けている。

 筆者は、海外留学が減っている、安定した企業への就職を望むなど、他の領域の調査結果と合わせてみると、2000年代半ば以降、若者の中で意欲の格差が広がり、何事にも「あきらめ」を感じる若者が増えた結果、生じた現象だと見ている。

 因みに周りの男子学生に聞くと、従来通り男女交際を楽しんでいる学生もいるが、「つきあうのが面倒くさい」「声をかけてもどうせ断られるに決まっている」という学生も多かった。前者は中学、高校時代から恋人がいるケースが多いが、後者は交際経験自体がない人が多い。つまり、男女交際の格差が中高生時代に固定化し、声をかけても無駄だと思う若尾のが増え、草食系どころか、現実の異性にに関心のない「絶食系」と呼ぶべき若者が増えている。

 スタートラインで失敗すればやり直しがきかない、これは若者の就職状況と似ている。学校卒業時に正社員になれなければ一生不利になる。このようなシステムが若者の希望を削ぎ、何事にも諦める若者を生み出し、ひいては男女交際の低下を招いているという考えは、うがちすぎだろうか。

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