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2012年9月20日 (木)

いじめ対策、画餅に帰さぬよう

 毎日新聞(9/19)社説から、《》内は私見。

《のっけに社説は書く、「画餅に帰さぬように」と。しかし、もともとこれまでの対策のどれ一つをとっても画餅でないものはない。いじめの被害者の数を集計・分析するだけの結果から、何の対策が生まれるものか。いじめる側の問題(いけないこと、と言われながら、なぜいじめる側の問題児が後を絶たずに絶えまなく生まれるのか)に、出席停止でお茶を濁した程度では対策とは呼べず、その根本を追究し、その背景に踏み込まなければ対策など立てられるわけがないことを、私は縷々ずっと言い続けてきた。先ずはいじめる側の問題児の家庭教育、家庭環境こそ曝け出してみせなければ対策など立てることは到底無理だ。それができない間は、これからもますますいじめの数は増え続けることだろう。》

【閑話休題】
 これまでの対策は何だったのか。なぜ十分な効果がなかったのか。文部科学省が新たに打ち出した「いじめ対策アクションプラン」に、まず思うのはそれである。

《メディアもいじめの本質を見ていない。原因を見ないで結果の現象だけを見ているからこんな疑問が湧くのだ。》

 大津市の中学生自殺は、今夏、背景に悪質ないじめが浮かび、警察が強制捜査に踏み切った。

 文科省は動揺した。問題点は表面化したのは、被害生徒の保護者が起こした民事訴訟を通じてであり、学校や市教育委員会側には積極的な究明の姿勢はなかった。これが報じられると、各地でいじめ被害の訴えが出され、学校や教委の対応の不十分さが浮き彫りになった。

 文科相は8月、全国の学校や教委の問題解決を助けるという「子ども安全対策支援室」を省内に設けた。今回出したプランでは、弁護士、精神科医、元警察官、学者らを「いじめ問題アドバイザー」として助言を受け、さらに全国20地域に専門家チームを国の財政支援で置く。

 また、児童生徒のストレスなどに対処するスクールカウンセラーや外部機関や家庭と連携するスクールソーシャルワーカーを増員・拡充する⎯⎯⎯⎯などとし、来年度予算の概算要求に盛り込んだ。加害者の出席停止制度の活用、警察との連携強化も求めている。

《どれもこれもいじめが発生した後の結果に対する泥縄対策だ。これでは防げるわけがない。これではいじめが起きた後の数を数えるだけと何ら変わらない。なぜ、いじめる側の問題ととらえる目を持てないのだろう。いじめる問題児がどんな家庭教育を受けて育ち、どんな友人がおり、親がいるのならその親は、わが子の育児監督責任をどのように考えているのか。昔から子は親を写すとも言われる。》

 盛り沢山の構想だ。しかし、根本的に状況を改めるには、まず自己検証が必要ではないか。

 今回のプランでも「いじめはどの子にも、どの学校にも起こり得る」とし、問題を隠さず対応する学校、教師を評価するよう促す。これらは以前から問題が起きる度に繰り返し強調されてきたことだ。
 にも拘わらず、深刻な事態やその隠蔽さえ続くにはなぜか。情報があっても、とことん究明せずに」「確認できなかった」ですます、おざなりな調査も後を絶たない。

《強調されたことが実行されるとは限らない。「笛吹けど踊らず」だ。「どの子にも」「どの学校にも」とは、敗戦直後、戦争責任が取り沙汰されたとき、敗戦処理内閣首相の東久邇宮(皇族)が言った「一億総懺悔」と同じだ。いくら強調しようと責任は有耶無耶になるだけだ。》

 アドバイザーや専門スタッフの増員も重要だ。だが、問題を直視し、迅速かつ粘り強く、責任を持って取り組む先生たちや学校が信頼され、評価されることが肝心だ。

 そのために地域社会の理解と支援が不可欠である。

 データもより正確を期したい。その過程がまずいじめの早期発見、迅速対応に直結するからだ。
《いじめがいくら早期に発見されても「時既に遅し」だ。今までどおり、「いじめ一件」と集計されることになるだけだ。いじめを予防するにはどうすればいいのか、予防できて初めていじめはなくなっていくだろう。》

 今月発表された11年度の小中高校のいじめ認知件数は7万件余。隠蔽問題などが相次いで社会的関心も高かった06年度に比べ5万5000件近く減っている。地域によって不自然なほど差があり、把握力や判断尺度にばらつきがあるとみられる。

 文科省は緊急に今年4月以降のいじめ実態を調査しており、近く集約・公表する。より実相を映すものであることを強く望む。

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