新型の出生前診断(ダウン症診断)って?
毎日新聞(9/26)“なるほドリ”から、
《来月から始められる妊婦血液検査については触れた。》
妊婦の血液を使った新型の出生前診断が話題になっているがどんなものか? 細胞の中にある「染色体」は、主にDNAからできていて、ヒトの場合には一つの細胞に22種類の常染色体が2本ずつと男女で異なる性染色体の2本の計46本が入っている《上の図版を参照》。染色体の中には生命の設計図が収められていて、この数に異常があると生命活動にさまざまな影響が出る。新しい検査は、妊婦の血液中にわずかに漂っている胎児のDNAの断片を集めて、染色体の数の異常を推測する。
Q どうなっていると異常と判断するのか
A 最新の技術では、DNAの断片があれば、短時間でどの染色体に由来するものなのかがわかる。この技術を使い、例えばダウン症の原因は21番染色体が通常よりも1本多い3本あることなので、妊婦の血液に含まれている21番染色体由来のDNAの比率が通常よりも多ければ、胎児のダウン症について「陽性」と判定する
Q ちょっと難しいな
A 染色体を本、DNAをそのページとして、23種類の本が2冊ずつあるとする。これらの本がバラバラになって川に流されてしまったとしよう。川の中からページだけを拾い集めて、どの本のものなのかを照合していく。そうして集まったページの数を数えた結果、21番の本が2冊でなく3冊あると判断できるほど多ければ「陽性」になる
Q その精度は?
A 開発した米シーケノム社によると、212人のダウン症の赤ちゃんを妊娠していた妊婦のうち210人(99%)を「陽性」と正しく判定できたそうだ
Q その仕組みだと他の染色体についても調べられそうだ
A そのとおり。実際に新しい検査では、ダウン症に次いで頻度の高い、18番と13番の染色体がいずれか1本多い異常についても調べられる
Q 採血だけだと簡単に検査できるんだ
A 注意しなければいけないのは、この検査でも現在の精度では、本当は胎児に染色体異常がないのに「陽性」と判定されることがある、ということだ。このため、「陽性」と判定された場合には、妊婦の腹部に針を刺して胎児を包んでいる「羊水」を調べる検査を受けてはっきりさせる必要がある。また、採血だけだからと気軽な気持ちで受けると、予想外の結果が出て思い悩む可能性がある。検査を受ける前に、しっかりと説明を聞いて、特性を理解してからのほうが良さそうだ
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