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2012年8月14日 (火)

脱法ドラッグ

 毎日新聞(8/13、14)から、

 脱法ハーブと呼ばれる薬物が若者を中心に広がりを見せている。興奮や幻覚を惹き起こす作用がある物質に乾燥した植物の葉などを混ぜて作られる。吸引後に車を暴走させて事故を起こしたり、意識障害で救急搬送されたりする事例が都市部を中心に全国で多発している。

 麻薬と同じような作用を持つこのような危険な薬物が、インターネットや繁華街の店舗で容易に手に入る。法による規制が現実に追いついていないのだ。

 麻薬や覚醒剤など毒性の強い薬物は法規制によって、製造や販売、さらに所持や使用が禁止される。それに準ずるものとして、厚生労働省は健康被害が生じる可能性のある指定薬物を薬事法で決めており、現在77種ある。医療などあらかじめ定めた正当な用法以外で使用できず、製造や販売が禁じられる。

 脱法ハーブは、こうした指定薬物と化学構造を一部変えた物質が使われることが多いため、違法性を直接問うのは難しい。ただし、その場合でも摂取を目的としていれば、未承認の医薬品として販売を止められる。だが、実際には「お香です」などと法の裏をかいて販売される。

 もちろん、薬物対策を担う厚労省や各都道府県、警察は手をこまねいているだけではない。行政と警察が連携を強め、最近は合同で業者に立ち入り調査している。また、警察は危険運転致死傷罪など薬事法以外の法令を駆使して摘発を進めている。

 滋賀県警は、脱法ハーブを販売する際に購入者に使用上の注意をせず薬物中毒を惹き起こさせたとして、全国で初めて業務上過失傷害の疑いで販売店経営者を逮捕したが、不起訴処分(起訴猶予)となった。やはり、現実の対応すべく法改正を含む制度の見直しが必要だ。

 消費者委員会は今年4月、構造の似た薬物をまとめて指定薬物として禁じる「包括指定」導入を提言した。海外で採用されており、厚労省が検討中だ。国や都道府県に所属する麻薬取締官・取締員に対し、脱法ハーブなど違法ドラッグの取締権限を新たに与えることも提言した。また、国内で流通していなくても、海外の情報をもとに指定薬物とするなど対策の迅速化も求めた。厚労省はスピード感を持って取り組んでほしい。

 売ったり、吸ったりする側は、「脱法」は「違法」でなく、ゆえに「合法」だと倒錯した理屈をこねる。だが、脱法ハーブはゲートウエードラッグ(入門薬物)と言われ、麻薬や覚醒剤に手をそめるきっかけになる例が多い。学校や地域などで啓発と学習を進める機会をさらに増やすことも必要だ。(社説から)

 厚労省が販売業者のホームページ(HP)の監視・指導に乗り出したことが13日、同省への取材で分かった。脱法ドラッグの一種「脱法ハーブ」が若者を中心に広まり、健康被害の事例が相次ぐ中、安易に入手できるネット販売の規制が必要と判断した。6月から始め、HPを見られなくするための行政指導は約2カ月間で数十件に上るという。

 厚労省によると、同省監視指導・麻薬対策課の職員が数人態勢でネットを監視。掲載内容から脱法ドラッグを販売していると判断した場合、プロバイダー(接続業者)に対し、販売業者に割り当てているURL(アドレス)の削除や使用停止により、HPを閲覧できなくするよう文書で指導する。販売業者の所在地の自治体にも連絡し、指導を要請する。

 業者はネット上で「合法ハーブ」や「合法アロマ」と称し「当商品はお香として販売しています。薬事法の対象成分は含まれていません」などとうたって公然と販売。厚労省側は、さまざまなキーワードを手掛かりにHPを発見している。

 警察や一部の自治体は既にネット上の違法薬物販売を監視しており、厚労省も実施することで一層の監視強化につなげたい考えだ。

 厚労省の担当者は「業者に手の内を明かすことになるので、HPの具体的な発見手法などは公表を差し控えたい」と説明している。

 厚労省の調査で、脱法ドラッグ販売業者は今年3月末時点で29都道府県の389業者に上り、うち186業者がネット販売(店舗販売との兼業を含む)をしていた。

 

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