柔道必修化、危険な三つの技を除外に
毎日新聞(8/4)から、
《ロンドン五輪の試合でも、危険技による反則負けがあるように、柔道には危険技が幾つもある。一向に減らないいじめの一手段として危険技が使われることがあっては、成長過程にある体の小さなものや、引っ込みがちのもの、ひ弱なものなど、肩身の狭い思いの授業になるだろう。》
中学の保健体育で今年度から武道が必修化されたことを受けて、さいたま市教育委員会は特に事故が懸念される柔道の指導手引き書を市独自に作成した。1984年ロサンゼルス五輪(80キロ級)銅メダリストの野瀬埼玉大教育学部教授が監修し、背負い投げなど危険度の高い技は指導内容から外した。桐淵教育長は「手引きを配布し、けがのない安全な柔道の授業を行いたい」としている。
《詳しくは知らないが、柔道は先ず受け身から学ぶ、と聞いている。危険な技があることを前提としたスポーツだ。最初からそれを避けては、体を寄せ合ったスロースロークイッククイックのダンスと変らないものになるのではないか。》
文部科学省の学習指導要領では1〜2年時に「小内刈り」、3年は「大内刈り」「背負い投げ」を指導例に掲載している。《参照 中学校武道の必修化 2012/02 》だが、市教委は技をかけた人間の体重がかかる分、頭などを打つ危険性が高く、初心者には負担が重いと、これらの三つの技を取り扱わないこととした。
このほか、手引きでは学年ごとに応じた技の取り扱い方を説明。写真を使い、怪我や事故につながる恐れのある動きは「危険ポイント」、習熟の目安を「見極めポイント」として盛り込んだ。
市教委によると、今年度柔道を履修する中学は36校で、剣道は47校、相撲が1校。市が合併した01年以降、部活動を含めた学校での柔道指導中に重篤な事故は起きていない。日本スポーツ振興センターのまとめでは、83〜09年度に柔道に関する事故で死亡した中学生は全国で41人。このうち授業では2人だった。障害の残る怪我をしたのは120人で、うち授業では35人だった。
《授業や部活以外の死亡や障害事故とは何、学校以外の道場や、友達同士の遊びの中でのできごとか。》
手引き書の作成委員長を務めた市立柏陽中(岩槻区)の今溝校長は「礼儀など武道を通じて教わることは多く必修はいいこと。不安な教員も多いだろうから手引きを読み込むことで、安心感や自信につながれば」と話す。
《武道に頼らなければ礼儀も、自信も身につかないことなのか。柔術が柔道に、剣術が剣道に、「じゅつ」が「みち」になったことで精神的に格上げされた思い込みがあるようだ。》
市教委が7月26日に開いた実技講習会には市内全域から63人の体育教諭が参加した。手引き書に基づき講師たちが「技がかかりやすいので注意するように」「危険と思ったらすぐに止めて」などと指導方法を教員たちに伝授した。市立宮原中(北区)の秋山教諭(28)は「最も大切なのは安全。怪我なく柔道を指導できるようにしたい」と話した。
《中途半端な柔道が選択でなくて必修になった真の目的は何だろう。》
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