16道府県 中絶費用に上限
毎日新聞(8/20)から、
国と都道府県が性犯罪被害者の救済を目的に実施している公費負担制度で、強姦の被害者に対する人工中絶費用の支給に、16都道府県が財政難などを理由に上限額を設けていることが警察庁への取材で分かった。警察庁は被害者への中絶費用の上限を撤廃するよう求めている。上限額を超えた分は被害者が支払わなければならず、精神的、肉体的負担と共に経済的負担も強いられることになる。救済に地域差が生じている実態が浮かび上がった。
【性犯罪被害公費負担制度】
性犯罪被害者の経済的な負担を軽減するため、医療費を国と都道府県が折半する制度で、06年度に導入された。支給対象は人工中絶や緊急避妊、感染症検査にかかる費用のほか、初診料や診断書料。
性犯罪被害者への公費負担制度は06年度に始まり、国と都道府県が折半して医療費を支給している。警察庁犯罪被害者支援室がまとめた今年4月現在の「性犯罪被害者への公費負担制度運用の現状」によると、支給上限額を設けている16道府県の人工中絶費用で、最低額は9万円(山形県)。最も多いのは17万5000円の和歌山県。上限を設けていない31道府県では全額が支給される。
中絶手術にかかる費用は保健医療ではないため、医療機関で差があるが、日本家族計画協会の北村専務理事によると、一般的に妊娠初期(11周まで)の場合は約13万円、中期(12周以降)は30万〜40万円かかるという。
性犯罪被害者を救済する公費負担制度に支出する予算額の算出の仕方も、都道府県でばらつきがある。警察庁が公費負担制度の本年度の予算額を都道府県ごとに調べたところ、昨年1年間の強姦事件の認知件数は同じ4件にもかかわらず、大分県が60万円、鳥取県が54万5000円なのに対し、高知県は24万9000円、島根県は13万8000円。
こうした格差は「算出の共通ルールがない」(警察庁犯罪被害者支援室)のが理由ともられる。警察庁は「過去3年に全国で発生した性犯罪の認知件数を平均して算出した」(同)という。
《一方、強姦であっても、近親相姦による妊娠であっても、中絶は許されないところもある。参照 中絶禁止法案を可決 2006/02/ 》
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