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2012年7月 3日 (火)

柳の下に2匹目の泥鰌はいるのだろうか

 毎日新聞(7/3)から、

 1983・4・4〜84年(全297話)に放送され62・9%という最高視聴率を記録したNHK朝の連続テレビ小説「おしん」。放送30周年の来年、初めて実写映画化されることが決まり、ロケ地となる山形県の関係者は早くも観光客誘致への期待を膨らませる。なぜ今、おしんなのか。ブームの再来はなるか? 勢い込んで制作した大がドラマの不評の挽回かも知れないが、それなら尚更に安易な企画に思えるのだが。

《記事を書いた人間もハテナマークを付け足すように、日本人が疾うに忘れてしまった「辛抱」に共感できる世代がいるのだろうか。当時は戦後3回目のピークと言われたほど少年が荒れ狂った時代背景があった。校内暴力が急増し、少年がホームレスの男性を惨殺、教師を刺すなど、刑法犯で検挙された少年の数は延べ31万人超え、荒れる子どもたちを象徴するような残虐な事件が相次いでいた。》

《放送開始後間もない5月17日、子役の小林綾子との対面が実現して、時の文部大臣・瀬戸山三男は、「いまの子なら、ひねくれてしまうところだ。うん、その済んだ目がいい」と感想を述べたが、ぬるま湯に浸かったような今のテレビ世代、何事に置いても長続きできず、辛抱などには「いじめだ」「ぎゃくたいだ」となって、そっぽを向くのがいいところだろう。「いまの子なら、ひねくれてしまう・・・」前に、関心も示さないのではないか。それをなぜ、映画化まで考えているだろうか。》

 【閑話休題】
 「どんなことがあっても負けねえぞという『おしん心』の美しさは、泥の中で咲くハスの花と一緒。だから日本だけじゃなくて、世界中の人たちに共感される」。放送当時、山形県教委に勤務していたタレントで山形弁研究家のダニエル・カール(52)=米国出身=は、主人公の魅力を語る。

 ドラマ版は橋田壽賀子の脚本。山形県の寒村に生まれた貧しい少女、おしんが明治から昭和を生き抜く姿が視聴者の心を打ち、「大根めし」や「辛抱」などは流行語にもなった。カールの言うように、その人気は国境を越える。NHKインターナショナルによると、ドラマ版は今年3月までにアジアを中心に累計68の国や地域で放送された。昨年度も中米の島国トリニダード・トバゴ、西アフリカのコートジボワールで流れた。

 写実映画化を狙う制作会社、セディック・インターナショナル(東京都港区)は米アカデミー外国語映画賞を獲得した「おくりびと」などで知られる。「(海外の視聴者は)幼いおしんが家族を思い、困難を乗り越え懸命に生きる姿に共感していると思う。世界に通じる普遍的な映画として発信し、世界の映画祭で上演されたら嬉しい」と担当者は意気込む。特に中東や東南アジアのアジア市場での配給を意識しているようだ。

 映画化で盛り上がっているのが、全域で撮影が行われる予定の山形県だ。吉村知事は6月、おしんを「重要な観光資源」として映画制作への支援を表明した。県は1000万円をかけ、テレビ版の撮影で撮影で使われた中山町の古民家「おしんの生家」を映画の主なロケ地となる庄内映画村(鶴岡市)へ移築中で、観光の目玉にする。

 《おらが村、おらが町的な発想で、地球規模の2匹目の泥鰌を追いかけるには無理があるような気がするのだが。》

 おしんの子ども時代を演じた小林綾子が「第二の古里」と表現した酒田市。ドラマの撮影場所になった米蔵「山居倉庫」んは「おしんに出た場所が見たい」と中国やマレーシアなどから多くの観光客が訪れる。運営する酒田観光物産協会の荒生常務理事(58)は「東日本大震災で減った観光客が戻りつつある中、もう一度おしんブームで注目されればうれしい」と、映画化を歓迎する。

 さて、鶴岡市出身の富樫監督がメガホンを取る映画版「おしん」はヒットするだろうか。カールは「いつも前向きなおしんの姿は、東日本大震災の復興に向け頑張っている人を励まし、震災を乗り越えるヒントを教えてくれるのでは。就職が難しい中、人生を真面目に考えている若者たちにも受けると思う」と話す。

 一方、社会評論家の芹沢俊介(69)は「多くの日本人は『おしん』に、戦後日本を築き上げてきた自分や親たちの姿を重ねていた。映画は、これから経済的に発展する国では共感を集めるかも知れないが、成熟期の日本ではドラマ放送当時ほどのブームにつなげるのは難しいかも知れない」と指摘する。

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