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2012年7月29日 (日)

点字ブロック 日本案を基に国際規格統一

 毎日新聞(7/29)から、
 
 視覚障害者の歩行を助ける点字ブロックの国際規格が、日本の素案を基に初めて定められた。歩道とよく似た色の点字ブロックは、弱視や色盲の人たちにとって識別しづらかったが、国際規格は周囲とブロックの明暗差に基準を設けた。日本は点字ブロック研究の先進国だが、これまで色の決まりがなかったため、国土交通省と経済産業省が、国内規格の改定に向けて作業を進めている。

 《先にユニバーサル信号機も考案され、試験設置もされている。 参照 信号機認識 2012/02 》

 社会福祉法人「日本盲人会連合」(東京都新宿区)点字出版所課長で、強度の弱視の一柳直治(59)はは2年前、東京都内の歩道を白杖を手に歩いている時、危うく車道に出そうになったことがある。以前は黄色だった点字ブロックが、道路工事に伴って周囲のアスファルトと同系色に変わってしまい、認識できなかったのだ。

 車道に足を踏み入れたとき、すぐ前を車が通り過ぎていく風圧を感じたという一柳は「一歩間違えれば、車にはねられていたかもしれない」と恐怖を思い出すという。

 新たに定められた国際規格は、歩道と似た色の点字ブロックを見失うことのないよう、周囲との明暗差を示す数値を一定以上にすることを明記した。どんな色のブロックを使うかについては、国や地域で歩道の色が異なるため、特定の色に統一しなかった。

 164カ国・地域が加盟する国際標準化機構(ISO)の専門委員会が今年1月、日本素案を微修正して最終議決し、国際規格は3月1日に運用が始まった。約30カ国が点字ブロックを導入しているとされ、各国が実情に応じて国内規格を定める際の目安にする。

 点字ブロックは1967年、岡山県で世界で初めて敷設され、日本では旧国鉄や大学が研究に取り組んできた。日本工業規格(JIS)は01年に点字ブロックの形を規定したが、色については決まりがなかった。

 景観意識の高まりに伴って、80年代以降は歩道に溶け込むような同系の色や材質の点字ブロックが増え、弱弱視や色盲の人たいには識別が難しくなっていた。00年の交通バリアフリー法施行後は、健常者には目につきやすい黄色の点字ブロックも増えている。

 国際規格の決定を受け、交通省と経産省の担当者が検討を続けており、JISに点字ブロックの明暗差の規格を新たに盛り込む方針だ。視覚障害者の協力を得て実用化の検証もする予定。

 国交省安心生活政策課は「ある程度時間はかかるが、なるべく早く運用できるようにしたい」と話す。一柳は今回の国際規格決定について「点字ブロックを見つけられなかったり、見失ったりする場所は多い。安心して出歩ける環境整備につながる」と期待している。

 国際規格は点字ブロックの形のほか、横断歩道や階段の手前での敷設パターンに関する基準も盛り込んだ。国内では敷設についても決まりがなかったため、国はガイドラインで詳細に定める方針だ。

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