銃乱射 容疑者は医学生
毎日新聞(7/21)から、
《アメリカはコロラド州デンバー近郊の映画館で起った。この国の年中行事のように今年も銃乱射による多数の死傷者が出た。》
米西部コロラド州デンバー近郊オーロラの映画館で男が銃を乱射し、多数の観客が死傷した事件で、容疑者として警察に身柄を拘束された男は、地元のコロラド大医学部大学院で神経科学を専攻するジェームズ・ホームズ容疑者(24)と判明した。米社会はエリート大学院生の犯行に強い衝撃を受けており、連邦捜査局(FBI)も操作に投入され、動機の解明を進めている。
《動機が判明したところでアメリカからこの種の犯行が無くなるわけではない。これからも繰り返し行事として起るだろう。近代国家とはいいながら、建国当時の古くさい憲法の条文を後生大事に守り、未だに開拓時代さながらに、いつでも使用可能な市民の銃所持が許されているからだ。》
地元警察は事件による死者は12人、重軽傷者は70人に達したと発表した。AP通信などによると、ホームズ容疑者は上映中のバットマン・シリーズの最新作「ダークナイト・ライジング」のチケットを購入し、前方の非常口から劇場に入った。アクションシーンになると突然,銃撃を始めたという。通報で駆けつけた警察官に映画館裏の駐車場で拘束された。
調べに対し、ホームズ容疑者はバットマンの宿敵ジョーカーを引き合いに「俺はジョーカーだ」と供述している。犯行歴はなく、テロ組織との関係を示す証拠もないという。また容疑者が「自宅アパートに爆弾を仕掛けた」と供述、警察は住民を避難させた上で爆弾を回収したが、爆弾は玩具のようなものだったという。
ホームズ容疑者は犯行時、ヘルメット、ガスマスク、防弾チョッキなどを身に着けていた。自動小銃1丁、散弾銃1丁、拳銃1丁を携行しており、いずれも過去2カ月以内に地元の銃砲店で合法的に購入したものだった。
地元紙デンバー・ポストによると、ホームズ容疑者はかリフォルニア州サンディエゴ出身。カリフォルニア大リバーサイド校を一昨年に卒業後、コロラド大大学院に進学し、事件現場の映画館から約8キロ離れたアパートで1人で暮らしていた。大学時代の成績はトップクラスだったが、大学院では成績が振るわず、退学に向けた手続きを進めている最中だった。米メディアはホームズ容疑者を知る人々の話しとして、同容疑者が「秀才」であったと伝えている。
<中略>
事件の現場となったコロラド州は大統領選の接戦集の一つだが、オバマ、ロムニー両陣営は当面、同州でのテレビ選挙広告を控える方針だ。これに関連し、銃規制推進派のニューヨーク市のブルームバーグ市長はラジオ番組で、「再発防止のために何ができるか語るべきだ」とオバマ、ロムニー両氏に対し銃規制を大統領選の争点とすべきだと訴えた。
だが、これまでも銃乱射事件のたびに銃規制の議論が浮上はするものの本格的規制は見送られてきた経緯がある。米国の憲法には、武器の保持・携行の権利が」明示されており、ピュー・リサーチ・センターの世論調査(4月実施)でも「重保持の権利を重視する」が49%で、「銃所持規制重視」の45%を上回った。銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)の政治的な影響力も大きく、今回の事件が銃規制の動きにつながる可能性は高くないのが実態だ。
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