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2012年7月26日 (木)

児童虐待 過去最多更新

 毎日新聞(7/26)から、
 厚生労働省は26日、全国の206児童相談所(児相)が11年度に対応した児童虐待の件数が前年度比5・7%増の5万9862件(速報値)となり、過去最多を更新したと発表した。増加率が速報値ベースで28・1%に達した前年度に比べると増え方は鈍化しており、同省は「警察などとの連携が奏功した自治体もある」と分析している。

Photo都道府県と政令指定都市・中核市別では、大阪府(大阪市、堺市除く)が5711件で最多。東京都が4559件で続いた。前年度からの増加率が高かったのは、新潟市(1・52倍 563件)、相模原市(1・37倍 778件)、名古屋市(1・36倍 1129件)など。東日本大震災と福島第1原発事故の影響で、前年度は集計から除かれた福島県は259件だった。

 虐待する恐れのある家庭への児相の強制立ち入り調査は11年度は1件、対象児童2人((10年度は2件2人)だけ。親がきょうだいの登校を長期間禁止し、学校や児相が繰り返し訪問しても接触できなかったケースだった。強制立ち入りに先立つ「出頭要求」は26件35人と前年度(50件72人)から半減した。

 また、児相所長が虐待する親の真剣停止(最長2年間)を家裁に申し立てたのは、今年4月の民法改正で申し立てが可能になってから3カ月で7件(6自治体)だった。認められたのは、身体的虐待を加えていた女子高生を家で受け入れず、施設入所も認めない親について、関西地方の児相が申し立てた1件。関西の別の児相は、子どもに必要な手術や検査に同意をしない親について申し立て、親権停止の仮処分が出た。

 一方、同省専門委員会が10年度に発生した児童虐待死82件98人(心中を含む)を検証したところ、児相や市町村が関与したケースは27件。心中以外で死亡した子ども51人のうち23人が0歳児、3歳以下が43人を占めた。

 11年度6万件に迫っていたことが分かった児相への虐待相談件数。増加は厚生労働省が90年度に調査を始めて以降21年連続で、一時保護施設はパンク状態、人員不足も慢性化している。児童福祉士の中には100件以上の対応児童を抱え、過労とストレスの極限状態で働き続ける人も。虐待対応の増加は現場に重くのしかかっている。

 全国206の児相のうち128カ所にある一時保護所。厚生労働省によると、児相のある69自治体の45%が10年、定員を超えて児童を受け入れていた。

 定員一杯の40人前後を受け入れている九州地方の児相はピーク時の2年前には52人を保護していた。「日中は小学生から高校生まで、非行も不登校の子どもも同じ大部屋。虐待を受け感情を抑え切れない子どもも多いので、ストレスもリスクも増える」。入所している男子中学生に胸ぐらを掴まれ「はよ出さんかい」とすごまれた経験もある担当課長はこう話す。

 西日本の40代の元児童福祉士の男性は、自ら希望した児相勤務の5年目で鬱状態に陥った。多くのケースを抱え、次第に遅くなる帰宅。子どもを保護すべきだと訴えても及び腰の上司。職場を移った今も「懸命な職員ほど燃え尽きがちだ」と感じている。

 福岡市子ども総合相談センターでは、元係長が、虐待を受けた子どもの施設入所の更新手続きを怠り、家庭裁判所の審判書類を偽装していたことが発覚。今年3月、福岡地裁で執行猶予付き判決を受けた。判決は「結果は軽視できないが、繁忙な職務の末、犯行に及んだ経緯には同情の余地がある」と指摘。深刻な虐待を中心に元係長は166件ものケースを担当していたという。

 子ども未来財団(東京都)の調査では、虐待対応のストレスが原因で配置転換や休職した職員がいる児相は全国で3分の1に上る。親に暴言を吐かれ、家庭の状態を見極めようと緊張する毎日だ。専門性の高い仕事なのに、多くの児相では一般職員が2〜3年で異動する。児相の人員が2倍に増えた10年度までの11年間で、相談件数は4・7倍以上に膨らんでいる。

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