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2012年7月 2日 (月)

「夏こそ麺類」なわけ

 毎日新聞(7/2)から、
 
《幼少期、播州は姫路で育ったせいか、根っからの素麵好きで、自分一人の生活なら夏場は朝・昼・晩と一カ月を素麵だけで続けても平気だ。長じて関東へ来て初めて冷や麦なる食べ物を知った。ところが、どうも喉越しが悪い、素麵が恋しくて、所帯を持ってからは播州素麵(揖保の糸の黒帯に限る)を取り寄せて一夏を過ごすことが、我が家の夏の慣例になった。ところで、私たち夫婦(妻も摂津育ちでやはり素麵派だ)の口に合わない関東の冷や麦との違いは、その麵の太さにあった。どちらも小麦粉を原料とした麵のひとつで、主に乾麺として流通する》。

 乾麺類の日本農林規格(JAS)では、次のように決められている。
 素麵  角状  幅  0・7以上 1・2未満(単位 ミリ)
         厚さ 約1・0
     丸状  直径 0・8以上 1・3未満

 冷や麦 角状  幅  1・2以上 1・7未満
         厚さ 約1・0以上  1・3
     丸状  直径 1・3以上 1・7未満

 干しひらめん(きしめん)
         幅  4・5以上
         厚さ 2・0以上 (Wikipedia から)

 暑くなると食欲が落ち、冷たくてあっさりした食べ物を選ぶようになる。盛りそば、ざるうどん、冷や麦、冷やし中華など、冷たいものと言えば麺類だ。もともと冷やしてあるのだか、目にするだけで涼しく感じる。つるつるとした喉越しも清涼感を誘う重要なポイントだ。「ずずっ」とすすると、麵の冷たさと空気の作用で暑さを忘れる。ただし、それだけで冷たい麺類が好まれてい訳ではない。主に炭水化物を含む麺類は、他の食べ物に比べて体を温めない効果があるからだ。

 人が腸から栄養を吸収する際、熱が生じる。これを特異動的作用と呼ぶ。三大栄養素である炭水化物、脂質、蛋白質はすべて吸収の際に熱を生じる。その中で、最も多くの熱を生じるのが蛋白質で、炭水化物、脂質の順で少なくなると言われている。つまり炭水化物の多い食べ物は、蛋白質が多い食べ物より、体を温めないのだ。それで、自然と麺類が選択されてきたのではないかと思われる。

 炭水化物が多くて水分も多い果物も体を冷やす食べ物として、昔から位置づけられている。体を冷やす効果のある食べ物は、他にもある。それは辛い食べ物で、その辛さが原因だ。人には、辛さを強く感じると汗をかくという食餌性発汗と呼ばれる反射がある。辛いものを我慢して食べると、びっしょりと汗をかくので、それによって体が冷やされる効果を生む。なので、赤道近い暑い国々の料理は基本的に香辛料がたっぷりと入っている。とすれば、冷やし中華に辛子をたっぷりは、相当に効果がありそうだ。

 一方、暑い夏を乗り切るには体力も必要だ。冷たいものばかり食べていては、肝心の体力が心配になる。やはり蛋白質が豊富な食べ物も食べるべきだろう。「暑い時には、スタミナがつく蛋白質が豊富なものを食べて、それで、敢えて体を温めてたくさん汗をかくのが良いのだ!」と信じている格闘家がいた。結構、参考になるかも知れない。とすれば、良質の蛋白質で、炭水化物の代謝を助けるビタミンB類が豊富なウナギはお薦めだ。昨今は高くて手が出しにくいが・・・・。

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