同性愛者受難(南アフリカ)
毎日新聞(6/21)から、
《欧米で結婚が認められている国(オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェーなど)や州(アメリカ合衆国マサチューセッツ、コネチカット、アイオワ、バーモントなど)もある同性愛者が、南アフリカで受難に合っているようだ。私自身も、女にしろ男にしろ、同性愛者には強い嫌悪感を抱く。エジプトや古代ギリシャの時代から存在する抑圧された(現代も変わらない軍隊内など)愛の形とはいうけれど、20世紀末ごろまでは自然に反する罪として、今ほど大っぴらに、趣味や流行とも呼べるような一般社会が容認するものではなかった。どちらかといえば隠蔽されたマイナスイメージの強いものだった。》
南アフリカで、同性愛者に対する暴力事件が多発している。今月上旬に男性同性愛者を惨殺する猟奇的な事件が発生。同性愛女性の性的指向を直すと称して集団で性的暴行する「コレクティブレイプ」(矯正のための強姦)と呼ばれる事件も後を絶たない。「ヘイトクライム」(憎悪犯罪)の深刻化が懸念されている。
今月9日、北部の北ケープ州クルマンで、性的少数者支援団体の活動に参加していた同性愛男性(23)が殺害された。地元紙によると、自室で発見された遺体は一部が切断され損壊が激しかった。性的少数者の支援団体は、同性愛男性に対する「ヘイトクライム」との見方だ。
《味噌とクソを一緒にするようだが、近ごろ毎日日本のテレビに顔を出すオカマや同性愛者を見るだけで、胸くそ悪い思いをする私も、偏見であることは百も承知のうえ恐ろしいことだが、ひょっとしてひょっとすると「ヘイトクライム」の仲間入りをするかも知れないほど苦々しい思いだ。》
事件を受け、野党第1党「民主同盟」が同性愛者への暴力に関し議会での協議を求める緊急声明を発表した。
同性愛者を標的とした性的犯罪としては、コレクティブレイプも多い。事態を広く知らしめたのは、08年に起きたユーディ・シメラネ(当時31歳)の殺害事件だ。女子サッカー界のスター選手でレズビアンであることを公表し、同性愛者ら性的少数者の権利擁護にも取り組んでいた。
しかし、同年4月、ヨハネスブルク近郊で遺体で発見された。集団レイプされたとみられ、顔や胸などを25回も刃物で刺されており、残忍な犯行は南ア全土を震撼させた。
コレクティブレイプの被害者の証言を集めた国際NGO「アクションエイド」(本部ヨハネスブルク)などによると、実行犯は「女であることがどういうことか教えてやる」とののしって犯行に及ぶことが多いという。レイプで異性愛に「矯正」するという考え方だ。
南西部ケープタウンを拠点に被害者支援を行なってきたNGO「ルレキ・シズウェ」のヌドゥミエ・フンダ(38)は電話取材に「(ケープタウンのある)西ケープ州だけで週に10人の同性愛女性が被害に遭っているとの統計がある」と語った。被害者が報復を恐れて通報しないなど実数は更に多いとみられるという。
南アは憲法で性的指向による差別の禁止も明記。06年にはアフリカで初めて同性婚も合法化した。だが、社会の実態は憲法の理想を裏切っている。
南アの同性愛者社会を研究してきたヨハネスブルクのNGO「GALA」のアンソニー代表(36)は、性的少数者への暴力の背景として、女性に対する暴力が極めて多いことや、同性愛を「神に背く行為」と考える保守的なキリスト教の考えが根づいていることを指摘した。
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