« 月経中のスポーツ | トップページ | 就職先を選ぶポイント »

2012年6月 7日 (木)

生活保護の不正受給とは

 毎日新聞(6/6)から、

 Photo_3お笑いコンビの「次長課長」の河本準一が、母親の受け取っていた生活保護費を一部返すらしい。売れっ子なのに困っている母親を放っておいたと批判され「甘い考えだった」と記者会見で謝罪した。返納で道義的な責任を取るつもりのようだ。

 Q 暴力団員が嘘をついて生活保護費を受け取り、逮捕された話もよく聞くが

 A 不正受給のことだな。河本の母親は、病気で仕事ができなくなって生活保護を申請したという。収入や財産がないように装い、保護費をだまし取る詐欺事件とは全く異なる。河本も母親への仕送り額が妥当かどうかはともかく、福祉事務所と話し合って額を決めていたというのが本当なら不正を働いたとは言えない

 Q 困っている母親を助けないことは法律違反になるのか

 A 民法は直系血族と兄弟姉妹に扶養の義務があると定め、家庭裁判所が認めれば範囲は3親等内の親族に広がる。ただ、実際に援助をするか、どの程度するかは、当事者同士の相談で決めることで、経済的余裕の有無や相手との人間関係も考慮される。援助をしないから違法だとは言えないし、処罰もない

 Q 扶養義務が果たされないと生活保護はどうなるのか

 A 保護費は全額、税金で賄うことになる。扶養があれば、その分だけ税金の投入額を減らす。扶養なしでも保護が受けられなくなることはない

 Q これを機に受給が難しくなったりするのかな

 A 孤立死が相次いで発覚し、必要な人に保護が行き渡らないとされる現状は無視できない。生活保護は種々の制度で救済されない人への「最後のセーフティーネット」だ。申請しなければならない人が躊躇してしまわないよう、冷静な議論が求められる。

 今回のようなケースの対応策として厚労省は4日、国歌戦略会議に生活保護制度の見直し案を報告した。そこでは、親族に扶養義務を果たしてもらうための仕組みを打出している。これに付随して、小宮山厚労相は扶養義務を果たさない親族に対し、理由を説明することを義務づけるよう法改正を検討すると表明している。

 この他、厚労省では、扶養可能な親族には必要に応じ、保護費の返還を求める方針だ。生活保護法は、家裁の決定を経れば資力のある扶養義務者から費用を取り戻すことができると想定しており、同省は近く、申し立て手続きのマニュアルを自治体に示し、活用を促すことにしている。

 しかし、長年変らない扶養義務の枠組みと核家族化した現実との矛盾解消や、受給者増大に伴う現場の人員増強は進んでいない。

 ケースワーカー1人が受け持っているのは平均92被保護世帯(09年度)と国の基準(80世帯)を上回り、100世帯を越えている自治体も多い。西日本のケースワーカーは「人が足りず十分な訪問もできていないのが現状だ」と強調。親族調査の厳格化について「扶養可能なラインをどう判断し、誰がどう返還を求めるのか。具体的な基準もなく現場で使うのは極めて難しいのでは」と疑問を呈する。

 一方、受給者や申請を予定している人たちは「扶養義務が強調されすぎると申請の抑制や取り下げ、保護の辞退につながりかねない」と懸念。先月30日に東京都内で記者会見を開いた受給者らは「バッシングが強まると、保護から抜け出すための就労もままならなくなる」と訴えた。

 吉永・花園大教授(公的扶助論)は「親族から見放され、最後に福祉事務所の門を叩く人が大半だ」と指摘。「孤立死防止に、就労支援、不正受給対策と現場の役割は重くなる一方だが、多くは2、3年で異動し人材が育ちにくい。親族調査の強化といった対症療法ではなく、ケースワーカーの質・量を高める根本的対応が必要だ」と話値得る。

 日本の扶養義務は他の先進国にくらべて広く、厳しく捉えられている。そしてもう一つ大きく異なるのは、生活保護法で「扶養義務者による扶養は法による保護に優先されるべきである」と規定している点だ。このため、親族から援助があればその分が支給額から削減される。

 厚生労働省の資料は03年当時のものだが、それによると、イギリス、フランス、スウェーデンでは基本的に、扶養義務の範囲は夫婦もしくは未婚のカップッルと未成年(未成熟)の子どもに限定。扶養せねばならない子どもの年齢は英が19歳未満、仏がおおむね25歳未満となっている。

 州によっては異なるアメリカも、夫婦間と未成年の子どもに対する扶養義務があるとされている点は欧州と共通。ただし、カリフォルニア州では成人した子にも親を扶養する義務がある。

 英国やスウェーデンには扶養が保護に優先するという考え方自体がなく、生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保弁護士は「今回の(河本を巡る)騒ぎを英国人に話しても、何が問題なのか分からないだろう」と指摘している。

《一昨日も、テレビは大阪や東京の受給者の多い地域で街頭インタビューをやっていたが、とても働く気があるとも、働いているとも察しられない大人たちが、「仕事なんかない、支給された生活保護費は飲んだり、パチンコで2、3日でなくなり、次の支給日まで借金でやり繰り」とか「借金を返すためのつなぎに次の支給を待つ」と、悪びれずに話す人たちがいたのも事実だ。》

|

« 月経中のスポーツ | トップページ | 就職先を選ぶポイント »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107998/54896496

この記事へのトラックバック一覧です: 生活保護の不正受給とは:

« 月経中のスポーツ | トップページ | 就職先を選ぶポイント »