若づくりは若いことではない
毎日新聞(6/21)から、
《特に中年女性の場合、昔は「年増の厚塗り」といって白粉や顔料を塗り重ねるのが女性の年よりも若く見せるための必須技術だったが、今は同じ作業をするのも「アンチエージング」なる横文字で、いかにも近代風な化粧術が女性を年よりも若く見せるための修整技術になっている。その結果は鏡に映る我が姿に満足し、体の内なる年齢を重ねた退化現象には気づかない。閉経を迎え、体毛も白くなり、足腰が弱っていても、目の前の鏡は年齢を偽って若く見せてくれる。よそ目には年齢相応なのに、いつまでも若いつもりで山の仲間入りをしてみる。男とて同じことだ。一線から退いた気楽さから、たっぷりとある時間を利用し、老いを自覚できず、体への過信から山登りをやってみる。年齢なりに判断力も備わっていてもいいのだが、鈍っていることにも気がつかない。世界でも長寿の国になったが年老いてからの時間が長くなっただけのことと理解できない。女も男も昔の60歳が現在40、50歳になったことではない。昔も今も60歳は60歳の体で変ることはないのだ。》
【閑話休題】
07〜11年の5年間に山で死亡または行方不明になった遭難者のうち、60歳以上の人たちが6割を超えていることが、警察庁の調べでわかった。今年5月の大型連休中には、長野県の北アルプスで60〜70代の6人のパーティーが死亡する遭難事故も発生。夏の登山シーズンを前に、同庁が注意を呼びかけている。
警察庁によると、07〜11年の山岳遭難は1万426人(60歳以上は5233人)。このうち死者・行方不明者は1426人で、60歳以上は918人(64・3%)だった。11年は40歳以上の中高年が遭難する原因は「道迷い」が39%と最も多く、滑落18%、転倒16%、病気7%、疲労5%、転落4%、野生動物の襲撃2%──など。入山目的のほとんどは登山と山菜・キノコ採りという。
中高年を中心に遭難者は増加傾向にあり、警察庁幹部は「初心者に限らず、ベテランが加齢による体力や判断力の衰えから遭難してしまうケースも少なくない」と指摘。自分に合ったコースや日程を設定すべきだとしている。
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