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2012年6月13日 (水)

生活保護最多207万人

 毎日新聞(6/13)から、

 厚生労働省は13日、3月時点の全国の生活保護受給者数が210万8096人だったと発表した。これで昨年度は月平均206万7252人(概数)となり、戦後の混乱が残る1951年度の同204万6646人を上回って過去最多を更新した。受給世帯数は同149万8378世帯。景気低迷や高齢化の影響で、厚労省は今後も増加傾向が続く可能性があるとみている。

《1951年と言えば日本は第二次大戦で敗戦国となって6年しか経過しておらず、未だ復興の兆しもあやふやな時期で、全国の空襲被災地では浮浪児が巷にあふれ、駅の地下道には家を焼かれ、住む場所もない襤褸を纏った饐(す)えた匂いの人たちがゴロゴロしていた時代だ。街なかは戦地や外地からの引揚者で溢れ、戦地で負傷し、松葉杖をついた傷痍軍人がハーモニカを吹いて日銭を稼ぎ、至る所の橋の上では筵を敷いた乞食になった人が道行く人たちにゼニを恵んでくれと訴えていた風景が見られた。或いは道ばたで手拭いを巻いた女性や男や子どもたちが、汗を流しながら進駐軍の靴を磨き上げる姿が見られた。》

《敗戦国日本には十分に食べることができる食糧はなかった。持っている者は着物が、ない者は配給のサトウが米に、甘藷に、変っていった(農家には米もイモもあった)。戦勝国からの援助物資が配給になった。捕鯨が許された。米の代わりに干しバナナや、サトウ、ヤシの澱粉などを食べて飢えを凌いだ。配給(一日当り、成人1人1050カロリー)で定められた食糧の量では生きていくにはほど遠かった。法曹界では法に背いて闇米に手を染めることを良しとしないまま餓死し、矜持を貫き通した人(裁判官・山口良忠)も出た。現在のようにNPOや他人を助けるためのお情け深い援助機関など存在しなかった。今日を生きるためには手探りで汗しなければならなかった。他人の吸って投げ捨てた吸い殻を拾い集め(「モク拾いと呼んだ」)、それをほぐして巻き直しては売ってゼニに替えた。》

《昭和一桁は、そうして戦後を生き抜き、貧乏に堪え、日本の復興を支えたという誇りがある。しかし、豊穣の世に生まれ、贅沢が当たり前の世代には、困れば政府や他人は援助するのは当然だとでもいうような甘えが見え隠れする。そこに不正も生じる間隙が生まれる。》

Photo厚労省によると、月別の集計では11年7月に205万495人となり、初めて51年度当時の水準を上回った。その後も増加傾向が続き、年度の通算でも超えた。

 今回明らかになった12年3月分統計は、前月から1万695人増えており、前月比増は11カ月連続。08年秋のリーマン・ショックを機に、雇用状況の悪化に拍車がかかったことなどが背景にある。年金だけで暮らせない高齢者や、働く能力がある稼働年齢層の受給も増えているとみられる。

 また、同月の受給世帯数は152万8381世帯。最も多い高齢者世帯は66万726世帯と全体の4割を占めた。他の内訳は、
  傷病者世帯  31万5292世帯、
  障害者世帯  17万2805世帯、
  母子世帯   11万2728世帯。働ける年代を含むその他世帯も26万945世帯と2割に近づいた。

《父子世帯はゼロなのか。》

 都道府県別の受給者数は▽大阪府30万1419人、▽東京都28万2578人など。
 市町村では大阪市が15万2870人と突出し、▽札幌市7万1233人、▽横浜市6万8296人、▽神戸市4万8646人、▽名古屋市4万7056人、▽京都市4万6937人なども目立った。

 「最後のセーフティネット」とされる生活保護。受給者の大半は、体調を崩したり職を失ったした人たちだ。しかし、先日のお笑い芸人の問題を機に「バッシング」が強まり、「人間性を否定されたよう」と悩む受給者も多いという。

 「近所で『受給者はクズ』と言われた。お金のない人は死ぬしかないのか」。弁護士やNPO関係者でつくる「生活保護問題対策全国会議」などが9日に行なった緊急電話相談には9時間で363件の相談があった。内容は「扶養を要求された親族に迷惑がかかるのでは」「保護を受けられないかも」というS楼団が各42件と最も多く、「夜眠れない」「薬が増えた」など、不安から健康を害した人も少なくなかった。

 持病や精神障害を抱え「自立したいが働けない」という受給者や、ドメスティックバイオレンス被害を受けて離婚を余儀なくされ、収入がゼロになった人から相談が相次いだ。50代の女性は「女なら他に仕事があると言われたこともある。受給者を叩いている人たちは実情を知らない」と漏らした。

《正当な理由がある人を受給対象から外すことが目的ではないはずだ。何も心配することはないし、こんな人たちのことを一々取りあげることはない。穏やかでないのは「不景気」を錦の御旗のように振りかざしてはパチンコに入り浸り、酒浸りなど、働く気のない不正受給者たちだろう。》

 「過去に受給したことがある人は再度の利用は難しいと説明された」「20年以上前に別れた妻が引き取った娘の承諾書を取ってくるように言われた」など、自治体側が相談者を体よく追い返す「水際作戦」の横行を窺わせる「証言」も寄せられたという。

《その事実関係を精査せず、不服を訴える側だけの主張を記事にする(・・・という)のは公平ではないだろう。》

 NPOや市民団体の関係者によると、お笑い芸人の問題に関連して生活保護を取りあげたテレビや週刊誌では、受給者の大半が不正受給と言わんばかりの内容が多数あった。ネット上では、生活保護の略称「生保」を読み替えた「ナマボ」の呼称で、受給者が蔑みやからかいの対象となっているケースも少なくない。

《そういいながら、タレントの河本準一のことをわざわざ蔑視したように「お笑いタレント」と表現し、河本準一の名を書かないのは意識的にタレントを蔑んだ正義ぶるマスコミの操作としか思えない。バッシングは世の常で付きまとう。しかし、それもある意味で、真実の一面と取ることもできるのだ。》

 これを受けて、今月11日には「反貧困ネットワーク」(代表・宇都宮健児弁護士)が、「社会から孤立させられている人たちに生存権という人権を行き渡らせることこそ求められている」と、バッシングや制度改悪を戒める声明を出した。

《人権を振りかざす弁護士は、一昔も二昔も前の労働運動の旗手の、アジテータに似て虚しく響くだけだ。》

 (附)6/17 記事から抜粋

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