スマホの流出アプリ 家宅捜索
スマートフォン(多機能携帯電話)の電話帳データを勝手に外部に流出させるアプリケーションソフト(アプリ)が出回った問題で、警視庁が東京都内のIT関連会社の事務所や同社役員の自宅など数カ所を不正指令電磁的記録(ウィルス)供用容疑で家宅捜索していたことが分かった。この会社の関係者が流出に関与したとみており、流出先などについて詳しく調べる。
【不正指令電磁的記録罪】
サイバー犯罪に対し国際的に強調して対応する「サイバー犯罪条約」に加盟するため、11年6月の刑法改正で新設された。コンピューターウィルスを作成・供用・取得・保管する行為を禁じている。作成、供用は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、取得は2年以下の懲役または30万円以下の罰金。
捜索容疑は今年4月5〜13日、グーグルが運営する公式のアプリ販売サイトでウィルスが仕組まれたアプリを無料公開下都している。アプリをダウンロードすると利用者の個人情報や電話帳に登録されている個人名、電話番号、メールアドレスなどが外部のサーバーに送信されていた。
サイバー犯罪対策課によると、情報セキュリティー会社から提供を受け、ウィルスが仕組まれていた15種のアプリを解析したところ、個人情報データの流出先が、すべて国内の同じレンタルサーバーだったことが判明。このサーバーにIT関連会社や同社役員宅、別の個人宅など数カ所にあるパソコンからの接続履歴があることが分かった。警視庁は17日に家宅捜索し、関係資料を押収した。
情報セキュリティー会社などによると、問題のアプリはアンドロイド端末向け人気ゲームなどを動画で紹介する内容。実在するゲームの末尾に「the Movie」などと付けられ、28種類が確認されている。ダウンドードした人は7万〜30万人と推定され、数百万人分の個人情報が流出したと見られる。
ネット上の不正行為を監視しているセキュリティー会社「ネットエージェント」(東京都墨田区)の杉浦社長は、今月12日に今回の不正アプリの存在に気づき、ホームページやツイッターで注意を呼びかけてきた。杉浦社長が調べたところ、同日以前に削除されたものも含めると、アプリは約50種あった可能性もあるという。杉浦社長は「取り込む前に気をつけるのは勿論、怪しいと思ったらすぐに削除して」と話している。
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