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2012年5月 2日 (水)

自殺対策に関する意識調査(2012年)

 毎日新聞(5/2)から、

240pxganto_no_kan_3  巌頭之感
  悠々たる哉(カナ)天壌、
  遼々たる哉古今、
  五尺の小躯を以て此(コノ)大を
   はからむとす。
  ホレーショの哲学竟(ツイ)に何等の
   オーソリチィーを値するものぞ。
  萬有の真相は唯一言にして悉(ツク)す。
  曰く「不可解」。
  我この恨を懐(イダイ)て煩悶終(ツイ)に
   死を決するに至る。
  既に巌頭に立つに及んで胸中何等の不安あるなし。
  始めて知る大なる悲観は大なる楽観に通ずるを
            (写真ともWikipedia より)
 1903(明治36)年5月22日、旧制一高生・藤村操(数え年17歳)が傍らのミズナラの樹の皮を削ぎ落とし、華厳の滝で投身自殺する際に書き残した遺書。

《フリガナは私がふった。難しい哲学的な言葉だ。中高生レベルの多い今時の大学生でも書ける人はそう多くないだろう。因みに、藤村の死後4年間で自殺を試みたもの185名、40名が実際に亡くなっている。以後、自殺の名所として華厳の滝が挙げられるきっかけとなった。また、遺書の内容から哲学的な厭世観が原因と思われていたが、実は失恋の痛手であったとも言われている。》

【閑話休題】
1_2 内閣府は1日、20代の若者のうち本気で自殺を考えたことのある割り合いが28・4パーセントに上り、全世代で最多だったなどとする「自殺対策に関する意識調査」の結果を発表した。08年の前回調査では24・6%だった。昨年の自殺者数は、自殺リスクが高いとされる中高年が前年より減った一方、20代以下では増えており、内閣府は「若者に絞り、雇用改善もまじえた対策が急務」と話している。

 調査は2回目で、全国の成人3000人を対象に今年1月に実施、67・2%に当たる2017人の調査票を回収した。自殺を考えたことのある割合は40代が27・3%50代が25・7%、30代が25%と続き、回答者全体では23・4%と前回調査の19・1%を上回った。

 「考えたことがある」という回答者のうち、20代では36・2%が「1年以内に」と答え、15・2〜25・3%だった他の世代を大きく引き離した。

 調査は自殺の問題とは別に、東日本大震災後の心情の変化も尋ねた。20代では「自分に変化はなかった」が13・2%、「家族や友人ら周囲に変化は感じられなかった」が28・9%と、それぞれ全世代平均の2倍近い数値となった。内閣府は、震災を機に他の世代の多くが人とのつながりを再認識したのに対し、若者の人間関係の希薄さを示す結果と分析している。

 内閣府自殺対策推進室は「20代の若者は相談相手さえ見つけられていない可能性があり、閉鎖的な心理状況が懸念される」と指摘する。今夏までに閣議決定する改正自殺総合対策大綱に調査結果を反映した対策を盛り込むという。

《我々世代は、自殺と聞けばどうしても藤村操や坂田山心中を思い浮かべる。最近の練炭による集団心中には共感が湧かない。藤村操の投身自殺の後もそうだが、時代が一つの流行を生む。階級格差や性道徳の厳しかった古い時代には、自殺の原因の多くは恋愛問題が多くを占めていた。しかし、性モラルの軛にとらわれない現在の男女間では、恋愛問題で自殺などナンセンスだろう。今回の調査でもそうだが、なぜ自殺を考えるようになったのか、世代別による動機を訊ねなかったのだろうか。対策には最も大事な質問である筈だが、前回の質問項目に目を通しても、「なぜ」死のうと考えたのか、また、「なぜ」思いとどまったのか、も含めて「なぜ」が抜けている。自殺ではないが、「死」は『男とは死ぬことと見つけたり』で少年時代を過ごしたわれわれ世代には切り離せないテーマだったのだ。》

《私は基本的に本当に死にたいやつは死なせればいい、と考える。例え、死を思いとどまらせても、その彼や彼女のその後の人生に、死を思いとどまらせた人間が、どこまで責任が取れるだろうか。死を思いとどまったその先は、再び死ぬか生きるかは「本人の責任」だでは無責任だ。また、これまでにそのような追跡の例がどれだけあるのか、対策はそこまで追いかけて調査しなければ本当の対策をとることはできない。》

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