東京大空襲 賠償請求棄却
毎日新聞(4/26)から、
参照 東京大空襲 2010/03
空襲被害者が全国組織 2010/08
東京大空襲の被害者・遺族ら計113人が、戦後の救済措置を怠ったなどとして国に総額12億4300万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(鈴木健太郎裁判長)は25日、原告側敗訴とした1審判決(09年12惇)を支持し、告訴を棄却した。原告側は上告する方針。
雨あられの焼夷弾で
火の海となった東京・
銀座尾張町
(現・銀座4丁目)
交差点付近
原告側は、国が51年のサンフランシスコ平和条約締結にあたって米国への賠償請求権を放棄したのは国民の保護義務違反と主張していた。
高裁は、「戦争状態を最終的に終了させ、平和条約の目的を達成するためにやむを得なかった。救済措置を講ずるか否かは立法府の裁量的判断に委ねられる」と退けた。
また原告側は、旧軍人軍属や広島・長崎の被爆者、沖縄戦被害者が補償を受けているのに、空襲被害者に救済がないのは憲法の「法の下の平等」に反する差別と訴えた。
《原爆被害や沖縄戦の被害などと比べ、東京(被災者112万、死傷者12万人)・大阪・神戸・横浜など400カ所にものぼる空襲による被害は小さい、とでも考えるのだろうか。》
(左)大阪中心部 B29約90機により13万戸が消失
(右)神戸 焼夷弾の猛爆を受ける神戸港のドック地帯
高裁は「不公平感を感じることは心情的には理解できる」としつつ「援護を受けていない戦争被害者の被害の原因、態様、程度はさまざまで、合理的な理由なく差別されているということは困難」と述べた。
《日本全土に400カ所以上にも上る空襲による被害の詳細について調べようもなくなった現在、その被害の補償について合理的な理由を見出すことは不可能である、よって棄却する、とでもいうようなものだ。敗戦直後の敗戦処理内閣・東久邇宮首相がいみじくも言った「国民総懺悔」の中で、すべてを有耶無耶にしようとの魂胆だ。》
第二次大戦での空襲被害を巡っては大阪大空襲の集団訴訟で大阪地裁が昨年12月、同様に原告側の請求を棄却している。
原告らは「逃げの判決。新たな判断を示さなかった」。再び請求を退けられた原告と弁護団は東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、怒りをあらわにした。
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