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2012年3月31日 (土)

「レバ刺し」提供禁止へ

 毎日新聞(3/31)から、

 牛の生レバー(肝臓)の規制を検討している厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会は30日、「現時点では生レバーを安全に食べる対策は見出せていない」として、飲食店などでの提供を禁じるべきだとの意見をまとめた。内閣府食品安全委員会への諮問・答申などを経て正式決定するが、厚労省は食中毒の危険性が高まる夏までに食品衛生法に規格基準を設け、生肉を禁止する方針。

 厚労省は富山県などで昨春発生した焼肉店の集団食中毒事件を受け、ユッケなど生肉用牛肉(内蔵を除く)の衛生基準を昨年10月に厳格化。さらに98〜10年までに116件(患者数785人)の食中毒が報告された牛の生レバーについても規制を検討するため実態調査を行なった。

 その結果、重い食中毒を起こす恐れのある病原性大腸菌O157の食中毒はこれまでもあったが、腸管にいた菌が食肉処理の過程で表面に付着したと考えられていた。

 都会では食肉業界から「食の好みは個人の自由」「どうすれば衛生的に食べられるかという視点で議論してほしい」などの意見も出ていたが、「現時点では加熱殺菌以外に安全性を確保できない」との結論にいたった。

 厚労省によると、違反者には2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられることもあるという。

 「衛生面には気をつけてきたが、国に禁止されたら従うしかない」。東京都台東区東上野で約60年営業している老舗焼き肉店の男性店主(45)画」嘆く。

 同店では、厚生労働省が飲食店に牛の生レバーの提供自粛を要請した昨年7月以降も「人気が高い」としてレバ刺しをメニューに残した。最近は提供する店が少ないため「レバ刺しが食べられると聞いたが本当か」と問い合わせを受けるという。店主は「抵抗力の弱い子どもとお年寄りには出さず、食中毒には気をつけてきた。ユッケは昨年から中止した。もう生肉は出さないだろう」と残念がる。

 「人気メニュー、レバ刺しあります!」。同区内の別の焼き肉店では店の入り口にビラを貼って客寄せしている。女性店主は「まじめにやっている店まで規制されるのは納得がいかない」と憤る。常連客の多くがレバ刺しを注文し、店の営業には欠かせない人気商品という。女性は「禁止されても、店と客の自己責任で提供したい」と声を潜める。

《こういう店があるから罰則までもうけた規制が必要になるのだ。もしも中毒が発生すれば「自己責任」の範囲を越え、社会問題となるのだから。》

 一方、全国消費者団体連絡会の阿南事務局長は「国の提供自粛要請後も生レバーの食中毒が4件報告されているのは見過ごせない」と禁止に賛成する。焼き肉店料理の歴史を辿った「日本焼肉物語」の著書がある宮塚・山梨学院大教授は「レバ刺しの食感は最高だが、食の安全の観点から規制はやむを得ない」と話した。

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2012年3月30日 (金)

携帯電話の割引契約、中途解約金は「合法」

 毎日新聞(3/29)から、

 携帯電話の割引プラン(2年契約)を中途解約した際、解約金9975円を徴収する契約条項は消費者契約法に反するとして、京都市の的確消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」が、NTTドコモに条項の使用差し止めを求めた訴訟の判決が28日、京都地裁であった。

 吉川慎一裁判長は「金額は合理的」としてネットワーク側の請求を棄却した。同時に、解約金を支払った利用者11人(13回線分)が同社に計約13万円を求めた訴訟も請求を棄却した。ネットワークは控訴する方針。

 ネットワークによると、携帯電話の定期契約の解約金条項をめぐる判決は全国初となる。KDDIとソフトバンクモバイルも同様の条項を設けており、ネットワークが提訴している。

 判決によると、ドコモは2年契約の「ひとりでも割50」「ファミ割MAX50」の契約で、基本料金を半額にする代わりに、中途解約すれば9975円を徴収する条項を設けている。

 判決は解約1件当りのドコモの損害額を、基本料金の平均割引額2160円に中途解約までの平均利用期間14カ月を掛けた3万240円と認定。「解約金はこの額を下回り、違法ではない」とした。また、条項をめぐって契約時に消費者との合意が成立しているとしたうえで、「解約権は制限されるが、見合った対価を受けている」と結論づけた。

《もともとの携帯電話を所持した出発点が、長男からの譲り受けの妻は、使用頻度はほとんどゼロに近い(私が携帯嫌いで不所持のため)が、気が向いた時には機種の変更をし、現在所持のものは、KDDIのものだが、契約時に2年間は他社への浮気はしないことを条件の割引料金で購入して持っている。》

《ネットワーク側の人間たちも、この条件を知り、理解し納得したうえの契約の筈だ。契約を自ら破棄することで損害は契約先にこそ発生する。自分だけが得をする食い逃げのような訴えが通るものか、常識で考えても答えは出る。請求棄却は当然の判決だ。》

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2012年3月29日 (木)

死刑執行

 毎日新聞(3/29)から、要約 と《》内は私見。

 民主政権で2度目、1年8ヶ月ぶりとなる死刑執行が行なわれた。法務省は29日、東京・広島・福岡の3拘置所で3人の死刑を執行したと発表した。小川敏夫法相による初の執行命令で、民主党政権下での執行は10年7月の千葉景子法相(当時)下での執行に続いて1年8ヶ月ぶり2度目。昨年は19年ぶりの「未執行年」となったが、今年は執行が再開された。

 執行された3人について、犯行(それぞれ3人、5人、2人の殺人)など書かれているが割愛する。

 同省刑事局によると、28日現在の死刑囚は135人。昨年末時点での130人は、年末時点での戦後最多を記録している。

 昨年は仙谷由人、江田五月、平岡秀夫の3氏が法相を務めたが、在任期間が短かったり、死刑執行に慎重な姿勢をみせるなどして、執行命令を出さなかった。

 これに対し、平岡氏を継いだ小川法相は1月13日の就任記者会見で「法相の職責なので、大変つらい職務だが、その職責をしっかりと果たしていきたい」と執行に前向きな姿勢を示していた。

 Photo 死刑執行に関し、小川法相は、29日午前11時から法務省内で記者会見し、やや緊張した表情で「国民の大半が死刑を支持し、裁判員裁判でも死刑が選択されている。こういったことを重要な要素と考え、法相の職責を果たすべきだと判断して死刑執行を命令した」と述べた。

 法相は会見の冒頭、「法相として、職責を果たすことについての気持ちを述べたい」と前置きし、「犯罪に対する刑罰についてどう臨むかは国民が決めること。刑罰権は国民にある」と説明。内閣府の世論調査で8割以上が死刑存置を支持している点などを考慮したと強調。

 一方、なぜこの時期になったのかや、なぜ子の3人が選ばれたかなどの判断については「記録を読んで検討した結果。特別な理由はない」などとした。

《2008年、13人の死刑執行を命令した時の法相・鳩山邦夫は、死刑の「自動執行」の方向性さえ打出していた。参照 死刑 2008/11

 国の世論調査の結果をみると、死刑制度に対する国民の意識は「存置すべきだ」が「廃止すべきだ」を圧倒している。内閣府が09年に実施した「基本的法制度に関する世論調査」によると、「場合によっては死刑もやむをえない」が85・6%を占めた。これに対し、「どんな場合でも死刑は廃止すべきだ」は5・7%にとどまった。

 「やむをえない」と答えた人の理由(複数回答可)については、「死刑を廃止すれば、被害を受けた人や家族の気持ちがおさまらない」(54・1%)▽「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」(53・2%)▽「死刑を廃止すれば、凶悪な犯罪が増える」(51・5%)───の順に高かった。

 これに対し「廃止すべきだ」と答えた人の理由は。「生かして罪の償いをさせた方がよい」(55・9%)▽「裁判に誤りがあった時、死刑にしてしまうと取り返しがつかない」(43・2%)といった意見が多かった。

 一方、世界的潮流は死刑廃止の方向だ。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」が今月27日に公表した調査結果によると、昨年に死刑を執行した国は国連加盟国198カ国のうち20カ国にとどまる。死刑を維持している国は57、10年以上死刑を執行していないケースも含めた廃止国は141カ国に上る。国連は一昨年の総会で、死刑の適用の停止に関する3度目の決議を採択。全加盟国に、死刑廃止を視野に入れて執行を停止することを求めた。

 <菊田幸一明治大名誉教授(犯罪学)の話>
 一日でも長く死刑執行停止が続くことを願っていたので、非常に残念だ。1月に就任して間もない小川法相が死刑囚の資料を精査する十分な時間があったとは思えない。法務省側の意向もあったのではないか。2011年度内の執行実績を残したかったのではないかと疑いたくもなる。これで大臣の職責が果たせたと思っているのなら、思い上がりであり大きな間違いだ。

《法相が目を通して、差し戻しが可能な問題か。専門家たちが精査に精査を重ねて出した結論が死刑なんだ。最早精査の必要もないそれを、念のためにも法相が1年,2年かかって精査せよ、とでもいうのだろうか。執行実績を残したかったのではないか、とはゲスの勘ぐりでしかないだろう。》

 <元最高検検事・土本武司筑波大名誉教授(刑事法)の話>
 死刑制度そのものは維持存続させるべきだ。ただ、裁判員制度の下では、裁判員が関与した死刑囚の執行も今後考えられる。国民だれもが死刑に関与する可能性があるわけで、現在の秘密主義はよくない。死刑執行までの確定囚の生活状態や、刑場の状況を公開して、国民が理解を深めた上で、刑罰の一つとして正々堂々とやることが大切だ。

 参照 絞首刑は憲法違反 2011/10

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2012年3月28日 (水)

「鉱山採掘権」被害 多発

 毎日新聞(3/28)から、

《アメリカ西部のゴールドラッシュは映画「黄金」にもなったが、銭、金に目のくらんだ連中の最も血道を上げる対象となる。金のためなら仲間は裏切り、甘い汁を吸おうと騙し騙される駆け引きが始まる。このような亡者(もうじゃ)の心に乗じ見透かしたように、その彼らの上をゆくぼろ儲けの詐欺を企てる輩たちが横行する。》

 世界でも有数の金含有率を誇る菱刈鉱山(鹿児島県)などの採掘権を取得できるという架空の投資話で現金を騙し取られる被害が相次いでいる。昨年高騰した金価格に目を付けた詐欺的な勧誘と見られ、1000万円を超える被害も出た。鉱山を所有する住友金属鉱山(東京都)は「鉱山の権利を販売することはなく、勧誘話は詐欺や詐欺まがいの内容」と注意を呼びかけている。

《菱刈鉱山の鉱脈は昭和56(1981)年に発見された日本最大の金鉱山だ。住友金属鉱山により1985年から採鉱が行なわれている。推定埋蔵量は250トンと推定され、日本国内の主要金山を合わせてもそれを上回る大規模なものだ。通常の金鉱石の品位はトン当り数グラムだが、菱刈のものは鉱山の平均でトン当り約50グラムと非常に高くて、世界最高水準とされる。》

 「『大都』という会社のパンフレットは届いていないか」。1月中旬、千葉県の女性方に信託銀行員を装う複数の男から立て続けに電話があった。数日後に大都社から届いたパンフレットには、菱刈鉱山の「鉱物譲渡権利」への出資を1口10万円で勧誘する申込書が添付されていた。

 男らは「大都は経済産業省のお墨付きを貰っており、4月に上場する。権利を購入したら、2倍で買い取る」と持ち掛けたが、女性は大都社のパンフレットに記された番号に電話したが、通じない状態だった。大都社の他にも数社が同様に菱刈鉱山への投資を勧誘しており、住友金属鉱山は「当社と一切関係ない」として、ホームページで業者名を公表した。

 住友金属鉱山に、投資勧誘についての問い合わせが寄せられるようになったのは昨年6月ごろから。当時はギリシャの財政危機が深刻化するなどして、金相場は高騰。投資マネーの逃避先として、金が注目されていた。今年1月以降は1カ月半で問い合わせ件数は約20件に上り、北九州市では800万円を支払う被害も起き、福岡県警が詐欺容疑で捜査している。

 金価格の高騰は一段楽したが、国民生活センターによると、他の鉱山名を挙げた投資話を含め、被害相談は続いている。

 1月初旬には、閉山している馬上金山(大分県)を巡り、別の業者から「採掘権を購入して」と持ち掛けられた福岡県内の女性が1240万円をだまし取られたという。

《貧乏人の家庭に生まれ、分限や身の程知った生活をする人間には、騙されるほどの蓄えがある筈もない。1000万、1240万などは夢の世界の話だ。》

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2012年3月27日 (火)

教育2条例が成立(大阪府議会)

 毎日新聞(3/24、27)から、

 教育行政への政治関与を強化する大阪府の「教育行政基本条例案」「府立学校条例案」と、職員の処分を厳格化する「職員基本条例案」が23日、府議会本会議で賛成多数で可決、成立した。大阪維新の会、公明、自民が賛成、民主、共産は反対した。いずれも4月1日に施行される。維新が昨年9月議会に提案した原案を松井知事が一部を修正して提案したが、大筋は変わっておらず、教育現場に大きな影響を与えそうだ。

 教育行政基本条例は、知事が府教委と協議して教育目標を設定できると規定。知事による教育委員の罷免権も明記した。府立学校条例は、14年度の
  府立高校の学区撤廃
  3年連続定員割れの府立高校の再編・整備
  校長の公募と権限強化 ─── などを盛り込んだ。

 教育評価に生徒や保護者の意見を反映させる仕組みを導入。不適格教員について保護者の申し立て権を明記し、研修を受けても改善しなければ、免職対象にできるとした。

《6年前、当時の政府の教育再生会議でまとめたものと似た内容のものだ。》

 参照 そんなこと 出来るの? 2006/11

 職員基本条例は、教職員の君が代起立斉唱を念頭に「同一の職務命令に3回違反すれば分限免職の対象とする」と規定。教職員以外の職員には5段階の相対評価を導入し、2年連続最低評価で「勤務実績が良くない」と判断された職員は指導・研修の対象とし、改善が見込めない場合は分限免職・降格できると定めた。

 ◆教育行政基本条例骨子◆
• 知事は府教委と協議して教育振興基本計画を作成
• 教育委員は目標達成に向けた取り組みについて、自ら点検・評価。知事はその結果に基づき罷免事由にあたるかを判断。
 ◆府立学校条例骨子◆
• 志願者が3年連続定員割れし、改善の見込みがない高校は再編整備の対象
• 14年4月1日から高校の通学区域を府内全域とする
• 校長の採用は原則公募
• 教員の評定は生徒や保護者の授業評価を踏まえ校長の評価に基づき行なう
• 校長は保護者の意見を踏まえ、不適格教員に必要な措置を講じるよう、府教委に申し立てることができる
◆職員基本条例骨子◆
• 任期付き職員(公募職員)を積極的に採用する
• 部長その他任命権者が定める職は公募で採用
• 人事評価は5段階の相対評価。分布割合は上から順に5% ▽20% ▽60% ▽10% ▽5%
• 職務命令に違反した職員は戒告。違反の累計が5回(同一の職務命令は3回)の場合は免職とする
• 懲戒処分を受けた職員に指導、研修など必要な措置を講じる

 松井知事は3条例の成立を受け、「府民は『公務員は厚遇されている』と見ている。民間の意識を取り入れ、大きく組織が組織が変わるスタートになる」と歓迎した。大阪府知事時代から必要性を主張してきた橋下・大阪市長は「決まった以上はしっかりルールを守るように府教委も行政組織も組織マネジメントしてもらいたい。この条例が絶対的に完璧なものでないので、不都合が生じたら修正していけばいい」と述べた。

 また、府議会は同日、子どもへの性犯罪の前歴者に居住地の届け出を義務づける全国初の「子どもを性犯罪から守る条例案」、大阪都構想の制度設計をする「大阪市制度推進協議会」設置条例案も賛成多数で可決し、閉会した。

<27日>◎平野・文部科学相は27日の閣議後の記者会見で、大阪府知事が府教委と協議して教育目標を設定できると定めた府教育行政基本条例について「法律に触れるとは理解していない」との見解を示した。府知事が教育目標を設定するとした当初の条例案については、昨年12月に政府が地方教育行政法に抵触する恐れを示唆する閣議決定をしていた。23日に成立した同条例は府教委との協議などの修正があったため、文科省は容認した格好だ。

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2012年3月25日 (日)

外国生まれの日本人の国籍は?

 毎日新聞(3/24)から、

 外国で生まれ、外国籍と日本国籍を持つ子どもが3カ月以内に日本国籍留保の意思表示をしないと日本国籍を喪失すると定めた国籍法12条は憲法に違反するとしてフィリピン生まれの男女27人が国に日本国籍の確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁(定塚裁判長)は23日、「立法目的は合理的で違憲とは言えない」として合憲判断を示した。同12条に対する憲法判断は初めて。

      ーーーーーーーーーーーーーーーー

 「質問なるほドリ」から、
 父親が日本人なのに外国で生まれて3カ月以内に届けないと日本国籍を失うという規定を巡る判決があったが、なぜそんな規定があるのか。日本と外国の国籍を両方同時に持つことを「重国籍」という。生地の外国で生活し、日本に戻るつもりもないのに日本国籍を持ていても意味がない。そうした形だけの日本国籍を持っている人を増やさないようにすることが規定の目的の一つとされる。また、重国籍は、さまざまな弊害を起こす恐れがあるため、そうした人を増やしたくないという考え方もあるようだ。

 Q 重国籍の弊害とは?

 A 例えば国家間の紛争を招く恐れがあるとされる。重国籍者が一方の国で迫害を受けた際、もう一方の国が保護に乗り出そうとすれば国同士の争いに発展しかねないという指摘がある。また重国籍者が二つの国に異なる名前を登録することで、本名以外の偽名を用いるように、犯罪などの不正行為に悪用する恐れもあるとされる。

 Q 出生3カ月以内に届け出ずに日本国籍を失った場合、二度と取得できないのか

 A いいや、20歳未満で日本に住所があることを証明できれば、改めて日本国籍を取得できる制度がある。ただし、観光や親族を訪ねる目的で一時的に日本に滞在しただけでは住所があるとは認められない。再取得するためには「生活の本拠が日本にある」ことを証明する必要があある

 Q 重国籍の状態になった人は一生そのままなのか

 A 日本の国籍法は原則として22歳までにどちらかの国籍を選択する義務があると定めている。正当な理由もなく期限までに選択せず、さらに法相による催告にも応じなければ、最終的に日本国籍を失う。ただし、外国には例外的に重国籍を認めている国もある

 Q 国籍取得の考え方は、日本と外国で違うのか

 A 日本は親の国籍が子の国籍になるという「血統主義」と呼ばれる考え方を基本とし、多くの国も血統主義を採用している。一方、親の国籍にかかわらず生まれた国の国籍を取得する「生地主義」を採用している国もある。ただ、どちらの主義の国で生まれても、一方の親が日本人、もう一方が外国人の場合、原則的にどちらかの国籍を選択しなければならない

 【国籍取得に関する各国の考え方】
<血統主義>
 日本、中国、韓国、フィリピン、ドイツ、フィンランド、ロシアなど
<生地主義>
 米国、カナダ、ブラジル、英国(条件つき)など

     ーーーーーーーーーーーーーーー

 原告はいずれも日本人父とフィリピン人母の間の嫡出子で4〜25歳。国籍が確認された1人は日本在住の21歳の男性で、国籍喪失後、再取得の届け出をした事情が考慮された。

 判決は同12条の立法目的を「形骸化した国籍との重国籍を防止することにある」と指摘。日本と結びつきの薄い人に国籍が与えられると、国内法で定められている義務や権利の実効性が確保されなかったり、外交上の保護権を巡り国際的摩擦が生じる恐れがあり、立法目的は合理的と判断した。原告は国内出生者との不公平を主張したが、定塚裁判長は「出生地に国との結びつきを見出すことは、不合理ではない」とした。

 また原告は、08年の国政法改正で未婚の日本人父と外国人母との子は、父親の認知があれば20歳まで、「出生から3カ月」などの期限にかかわらず国籍取得が可能になった規定と比べて不均衡と主張した。だが、判決は「認知の時期を制限していない以上、非嫡出子の国籍取得時期を制限しないのは当然」と述べ、不合理な差別はないと判断した。

 国籍法12条を合憲とした東京地裁のフィリピン人の日本国籍確認訴訟で、原告2人と日本人の父親たちが判決後の23日午後、東京・霞ヶ関の司法記者クラブで記者会見した。
 原告の1人でマニラ在住のヒロコ・イシヤマ(21)は判決日に合わせて父親の石山博美(73)と来日した。父親は長女のヒロコの出生時に規定を知らず国籍留保の届け出をしなかったが、次女は届け出をしたため姉妹で国籍が違う。ヒロコは「どうして私には国籍が認められないもか」と涙を流した。

《22歳までの国籍選択の義務、さらに法相による催告と、意思表示の機会はあったが、またここでも「知らなかった」、と涙の人情芝居が始まる。》

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2012年3月24日 (土)

孤立死

 毎日新聞(3/22)“社説”から、

 《このところ人知れず、誰にも看取られずにひっそりと死んでゆく「孤独死」に続いて「孤立死」と呼ばれる人生の終末を終える出来ごとが続いている。》

 札幌市や東京都立川市、横浜市などで「孤立死」が相次いでいる。認知症や障害のある人が同居する家族の死によって生活の支えが絶たれ、食べ物や暖を取ることができずに衰弱するという痛ましさだ。死後しばらくたってから見つかるケースばかりである。都市部の高齢化はこれからが本番だ。社会的孤立、生活苦からその家族を守る手だてを早急に用意しなければならない。

 札幌市のマンションでは姉(42)と知的障害のある妹(40)が死亡しているのが約1カ月後に見つかった。姉が病死した後、妹は誰にも救いを求められず凍死したと見られている。立川市のマンションでは母(45)の死後、知的障害の次男(4)が衰弱して死亡、同市の都営住宅では認知症の母(95)と娘(63)と見られる2人の遺体が見つかった。いずれも死後約1〜2カ月が過ぎていた。横浜市でも母(77)と障害のある息子(44)が死亡しているのが発見された。

 これらに共通するのは
 ① 都市部の集合住宅などで起きている
 ② 高齢者・障害者が介護する家族と2人で暮らしている
 ③ 公的福祉サービスや生活保護を受けていない
 ④ 近隣の人たちとの交流があまりない ───
などである。このような家族は、都会ではごくありふれている。たまたま今は平穏無事に暮らしているだけであって、介護する家族が病気や事故に遭ったら、誰にも気づかれずに部屋の中で衰弱死しかねない人はいくらでもいるのだ。

 今、猛烈な勢いで高齢化が進んでいるのは首都圏、大阪、名古屋、福岡、札幌などの都市部である。隣近所のつながりが薄く、家族内の支え合いの機能自体が弱くなっている。東京都内の1世帯当りの平均人数は1・99人なのだ。

 ガスや電気が料金滞納で止まる、郵便物がたまる、自治会費が集金できないなど手掛かりはあった。市職員に不安を相談していたケースもある。だが、プライバシーに踏み込むことへの遠慮から救いの手が届かなかった。行政の怠慢は批判されるべきだが、それぞれの地域で自主的に対策を練ることも必要だ。

《子育てでも地域で育てようなど掛け声だけははあるが、何をどうすることが地域の子育てなのかは決めようもないのが実情だ。また、向こう3軒両隣は戦時中の助け合い精神だが、強制的であったとしても、国民を巻き込んでの戦争という一大事に立ち向かうからこそ生まれた意思疎通の手だてだった。しかし、精神的拠り所のない現在、とくに無関心層の多い都市部では、仕事、仕事、苦しい、苦しいを合い言葉のように他人事には目もくれず、触らぬ神に祟りなしで世事には吾関せずを通し、隣同士の挨拶がない事も珍しいことではない。また、新しく引っ越してきても、出て行くときも挨拶もない。死とは表裏一体の新しい命も、何時の頃からかのベランダで干される赤児の衣類でその誕生を知る。このような人間関係の中では静かに息を引き取る人がいても、気づかないのではなく、気にもしないのが今の都会人の常だろう。このように心の冷たい世の中に、温かい灯をともすのは並大抵のことではない。》

 介護保険や障害者福祉サービスは少しずつ充実してきたが、ホームヘルプや日中活動など「点」の支援に比べ、地域で暮らす高齢者や障害者の生活を「面」で支えるグループホームはまだまだ足りない。地域から反対される、防災や建築の規制が厳しすぎる、運営費の単価が低くスタッフが集まらない、などが原因だ。生活苦や病弱の介護者と暮らす高齢者・障害者を家族ごと支える福祉サービスも必要だ。孤立死はいつ、どこで起きてもおかしくはないのだ。

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2012年3月23日 (金)

悪質年金滞納、強制徴収(対象は法人)

 毎日新聞(3/23)から、

 公的年金保険料の悪質滞納者に対する強制徴収を、国税庁が日本年金機構から22日に委任されたことがわかった。悪質滞納者に対する強制徴収を委任するのは、制度ができた10年1月以降初めて。

 今回の強制徴収の対象者は法人で、早ければ今週中にも着手する見通し。委任を受けた国税庁によると、今回のケースでは滞納者を管轄する東京国税局に滞納処分の権限があるという。

 社会保険庁が解体され、日本年金機構を発足させた10年に
  ① 保険料の滞納が2年以上
  ② 厚生年金保険料などの滞納額が1億円以上
    (国民年金の場合は所得金額が1000万円以上)
  ③ 財産隠蔽の恐れがある
  ④ 納付について誠実な意思が認められない
 という4条件を満たす悪質な滞納者に就いて、厚生労働省を通じて徴収ノウハウを持つ国税庁に委任できるように法改正されていた。日本年金機構が滞納の徴収権限を厚労省に戻したうえで、財務省に委任して徴収が行なわれる。しかし、2年以上に亙って一度も行なわれていなかった。

《法人もそうだが、データを採るだけで終わらずに、個人レベルの年金滞納者にも断固たる姿勢を示すことを期待したい。保険料を納めずに「将来、年金がもらえるかどうか不安だ」は、言う前に、義務としての保険料を納めなければ、当然1円の金も手にすることなど不可能だということを理解するべきだし、「老いゆく世代のために若者にしわ寄せがくる」、のその老人は、自分の父であり、母であること、また己自身の将来の姿でもあることを思い浮かべることも必要だろう。》

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2012年3月22日 (木)

痩せ過ぎモデルは「ダメ」

 毎日新聞(93/22)から、

 街に貼るモデルの広告を、規制のために国会で取り上げた国がある。【エルサレム共同】

 イスラエル国会は、痩せ過ぎと判断されたファッションモデルを広告に使うことを禁じる法律を可決した。近く施行されるという。痩せたモデルの採用は欧米などで問題視されており、同法を提案した女性議員は「極端に痩せた美しさへの憧れ」を一掃する法律だと語った 。

 イスラエルのメディアによると、同法は広告会社に痩せ過ぎのモデルを広告に採用することを禁じたほか、痩せているように見せるための画像を加工した場合、その旨を広告に明記するよう義務づけた。商業目的以外の広告は法律の対象外とする。

 基準となるのは BMI(体格指数)。
 体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った数値で、18・5以下のモデルが禁止の対象となる。

  例えば身長160センチ、体重47キロの場合、指数は 18・4 で痩せ過ぎとなる。
   望ましい体重は 51〜61キロで
     標準体重は 56・3キロ

《ファッションショーなどで見るモデルの多くは痩せ過ぎで、骨の上に皮をかぶせたような細い脚は、膝の関節だけがごつごつと露(あらわ)になり、これで尻を振って歩く様は哀れにさえ見受けられる。》

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2012年3月20日 (火)

就職できず・早期離職

 毎日新聞(3/20)から、要約と《 》内は私見。

《2年前の就職状況のまとめで、死んだ子の年を数えるようなデータだが、どうしてこうもタイミングがずれるのだろう。これでは対策を立てるのに後手後手になるのも頷ける。》

1
 10年春に学校を卒業した人のうち、就職できなかったり、就職から3年以内に離職する人の割合が、大学・専門学校生で52%、高卒で68%(いずれも中退者を含む)に上ることが、内閣府が19日に公表した推計で分かった。政府は、若者の雇用が予想以上に悪化しているとして、「ミスマッチ(求職者と雇用者の意識の違い)」対策などを急ぐため、有識者による組織を設置し、6月をめどに就職支援の拡充策をまとめる。

 推計は、全国すべての学校の就職状況をまとめた文部科学省の統計や雇用保険の加入状況を基に初めて算出した。厚生労働省と文科省が10年5月に発表した同年春卒業者の就職内定率は、大卒91・8%、専門学校卒87・4%、高卒93・9%、両省が、全国の学校の一部を抽出して調査。今回の推計は調査範囲が広く、早期離職(就職から3年以内に退職)の影響なども加味しており、若年雇用の実態をより正確に反映していると言えそうだ。

 推計によると、大学・専門学校卒では、大学院などへの進学を除いた77万6000人のうち、約7割の56万9000人が10年春に就職した。しかし、このうち19万9000人が3年以内に離職。卒業後、無職・アルバイトなどの人(14万人)と、同年春卒業予定で中退(6万7000人)を加えると、無職か安定した職に就いていないとみられる人は40万6000人に上り、全体の52%を占める。

 また、高卒(115万人)で進学しなかった35万人のうち、18万6000人は就職したものの、7万5000人が離職。継続して雇用されている人は11万1000人と、全体の32%にとどまる。卒業後ずっと無職かアルバイトなどで生計を立てている人が10万7000人おり、中退も含めて全体の68%が正規の雇用ではないようだ。中卒で進学しなかった1万9000人のうち、就職できたのは5000人。しかし、うち3000人が離職したため、安定した職を得られていない人は89%に上ると推計した。

 推計は19日、野田首相が主宰する「雇用戦略対話」で報告された。首相は「(現行の)制度を名前を変えただけではダメだ」と述べ、若年雇用対策の練り直しを指示した。

 内閣府は、学生が自らの適性や就きたい職業を十分に検討しないまま就職しているなどの課題を指摘した。学生の大企業志向が強いため、採用意欲が旺盛な中小企業との「ミスマッチ」が生じていることが、一因としている。

《就職しても3年そこそこで逃げ出す現象は以前から問題になっていた。遅刻して叱られると、翌日にはもう出社しない。メールで知らせてきてお終いだ。会社によっては朝寝坊の社員にはわざわざモーニングコールの電話を入れてやる。己自身を分かっていないから、適性の何かが把握できないで適当に職種を選んだ結果「おれに、わたしには合っていない」とさっさと辞めていく。》

 就職難の背景には、企業が新人教育の余裕を失い、「即戦力」重視になっていることや、学生の就職希望が大企業に集中し、人手不足の中堅・中小企業に人材が集まらない雇用の「ミスマッチ(食い違い)」がある。若者が満足に仕事に就けず、経験を重ねられない現場は、日本経済の新たな不安定要因となりつつあるようだ。

 「予定の定員に達しなくても、希望するレベルの学生がいなくぇれば採用を打ち切る」『厳選採用』がここ数年、強まっている」。明治大就職キャリア支援部の担当者はそう語る。

 明治大は11年春卒の就職内定率97%と「就職に強い大学」として知られる。3年時の就職希望先調査では有名企業ばかりに関心が集まるため、成長が期待できる中堅・中小企業や、企業間取引が主力のメーカーなどにも目を向けるよう指導する。企業の協力も得て、卒業間際まで面接などの機会を提供する努力をしているが、内定まで漕ぎつけるのは年々厳しくなっている。

 新卒者の雇用環境が悪化したのは、企業に人材育成の余裕がなくなっているのに加え、海外進出が進んだ大企業が外国人採用を加速させているためだ。大手機器メーカーの担当者は「コスト競争が激しくなり、簡単な作業の外注が増えた結果、新人に相応しい作業が減った」と指摘する。他社で経験を積んだ人材を採用する方が「安上がり」のため、「企業は新卒採用を抑制し、中途採用を増やす傾向がある」(アナリスト)。就職しても、事前の希望にそぐわず不満があったり、管理職が多忙で若干社員の面倒を見切れなくなっていることが、早期離職に拍車をかけている。

 経済同友会は2月、新卒採用に関する意見書をまとめ、「大規模なミスマッチは構造的な問題で、放置する訳にはいかない」と強い危機感を示した。伊藤忠経済研究所の三輪所長は「退職への抵抗がなくなり、より良い条件を求めて、求職者は人気企業に集中する。企業の二極化が深刻化している」と指摘する。

  古川・国家戦略・経済財政担当相は「若者が安定した職に就けないと結婚して家庭を持つことが難しくなり、少子化も進む。蓄えを持てずに高齢期を迎えることになる」と指摘、今年6月にまとめる日本再生戦略に雇用対策を盛り込む方針だ。

 しかし、従来通りの政策で効果を上げるのは難しそうだ。さらに、年金の支給開始年齢引き上げに合わせて65歳までの再雇用義務づけを進めるなど、若年層と高齢層両にらみの雇用政策を迫られていることも、対策を難しくしている。

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2012年3月19日 (月)

どうなる幼保一体化

 毎日新聞(3/19)から、《 》内は私見。

 子育て支援の新たな施策「子ども・子育て新システム」は、消費税増税分を財源にあて幼児教育、保育の質と量を拡充し、どの子も公平に教育・保育を受けられることを目指している。関連法案が成立すれば、15年度にも幼保一体化施設「総合こども園」が創設される。

 総合子ども園は、親の就労時間に応じた保育を保障するとともに、主に幼稚園が担ってきた教育を提供する。また都市部の保育所は定員を上回る希望がある一方、幼稚園では少子化で定員割れが広がっているため、幼稚園の総合子ども園化で、共働き家庭の子を積極的に受け入れてもらい、待機児童の解消にもつなげる考えだ。

《入学前の子を全員混ぜるために、わざわざ『子ども』を『こども』と表現を変え、これからは、子は産むだけで、子どもにとって最も必要な乳幼児期に母親が育てる必要はなく、母親は子育ては他人に任せて働くだけでいい世の中が到来する。表現を変えれば「子は生み捨てでいい」ということか。ほんとうに、これが日本の少子化対策なのか。別の面からの私の見解は、「参照」をはじめ、これまでにも数多く書いてきた。》

 参照 まずは保育所を増やせ 2010/05

 横浜市戸塚区にあるひまわり幼稚園。基本の教育時間は9時半〜午後2時だが、預かり保育として午前7時半から午後6時まで開いている。母親が専業主婦の子どもだけでなく、従来は幼稚園利用が難しかった共働き家庭の子も利用しやすい。こうした施設は将来の「総合こども園」の形に近い。

 「わあ、気持ちいい」「マラソンだよ」。3月半ばの午後、園を訪ねると、木々に囲まれた園舎の裏山で、子どもたちがジャングルジムによじ登ったり、山道を走り回っていた。午後2時前には園舎に戻って帰りの会。声を合わせて「さようなら」をした後、基本時間のみの園児は一斉に降園し、預かり保育を利用している20人余りが教室に残った。

《この時の子どもたちが滑り台で遊ぶ写真が載っているが、当然、0〜2、3歳児は1人もいない。》

 子どもたちは、保護者が迎えにくるまで中庭で身体を動かし、おやつを食べ、お絵描きや積み木で遊ぶ。見守るのは古川良子・元同鄢教諭で預かり保育専任。「年度始めは2時に帰る園児を見て泣き出す子もいるが、すぐに慣れ、異年齢の子どもたちが兄弟のように仲良く過ごしている」という。

 5歳の長男を午後6時まで預けている大学非常勤職員の母親(42)は「正職員ではないので待機児の多い認可保育所には絶対入れないと思った。幼稚園という選択肢があってよかった。駅から近く、のびのび遊べて環境もいい」と満足げだ。

 総合こども園が広がれば、これまで保育園と幼稚園に2分化していた子どもの居場所が統一化される。しかし保育所の空きを待つ待機児童の解消には疑問符が付く。待機児童の8割以上は0〜2歳児が占めるが、総合こども園には0〜2歳児の受け入れを義務づけないからだ。

 ひまわり幼稚園の金子園長は「3〜5歳は人間の土台づくりとなる大事な時期。全ての子どもに教育が行渡るように総合こども園化には協力したいが、0〜2歳児の受け入れは今後の検討課題」と説明する。

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 授乳やおむつ替えが必要な0〜2歳の保育には、人手が掛かる。東京都内のある幼稚園は「0〜2歳を受け入れるには給食の設備や人員配置の変更が必要。全面改装になれば資金面で問題だ。幼稚園に取ってはハードルが高い」と移行を決めかねるという。

 このため、新システムでは、待機児童の解消を総合こども園だけで担うのではなく、人員配置や面積など一定の基準を満たせば補助を受けられるようにしてNPO法人や企業の保育への参入を促す。また定員20人未満の小規模施設や保育ママにも補助を出し、0〜2歳児の受け皿を増やす計画だ。

 企業やNPOが運営する施設(20人以上)が補助を受けるには、子ども1人当たりの面積や職員数が一定の水準に達する必要があり、その水準は認可保育所と同じ程度に厳しくする見込みだ。劣悪な施設を許さず、保育の質の低下を招かないために必要な措置だ。一方で、資金難から水準を満たせない中小の保育所は、補助を得て拡充する道が閉ざされてしまう。

 「認可保育所に通う子には月数十万の公費が出ているのに認可外だとゼロ。同じ子どもなのに不公平ではないか」。東京都杉並区で認可外保育園を運営する亀井弥生(40)は訴える。次男の保育所探しに苦労した経験から2年前、自己資金を投じて保育所を設立した。定員20人で0〜2歳児の利用が中心。待機児の受け入れも多い。

 おむつを紙か布か選択できるなど細かいニーズに応える保育をしているが、補助がないため保育料は認可より高く設定しなければ立ち行かず、職員全員を有資格者にするのも難しい。大手と違い資金も少なく、認可並みの水準まで引き上げるのは困難だ。「新システムはすべての子どもの育ちを等しく保障、とうたっているのに、このままでは何も変わらない」と嘆く。

 都市部では保育の量拡大と質向上の両立が課題なのに対し、人口減少が進む地方では、地域で子どもが育ち合う場をいかに存続させるかが問題だ。

 兵庫県北部の4町が合併してできた人口約3万人の朝来市。子どもは減り、高齢化が進む。市内の枚田みのり保育園の小林園長は「幼稚園と保育所の合併が進み、市内の施設数は5年前の半分になった。それでも定員割れがある。財政状況が厳しい県内の他の町では、数を減らし、町に一つしかないところもある」という。

 みのり保育園に在籍するのは90人。遠方から保護者の車で来たり、園から20キロも離れた地域から通ったりするケースもあるという。「子どもが減ったら予算も削る現状ではやがて集団保育する場所も人材もなくなり、地域で子育てできなくなる。新システムで財源を確保し、子どもが育つ環境を保障してほしい」と期待を込める。

 どこに住んでも安心して子育てできる社会にしていけるのか。新システムの真価が問われるのはこれからだ。

《日本が豊かであった時代の産物は、人口の減少とともにお荷物に変わり、増え過ぎた旧いマンションなどは空き家が目立ち、高齢者の孤独死さえも把握できないスラム街へと変貌しているのだ。この先も日本の少子化はとどまらず、今、保育所と幼稚園を併せたところで直ぐに兵庫県の朝来市と変わらない入れ物だけが残り、いずれは空き家に変わるだろう。動物本来の子どもを産み子孫を残す本分を嫌がる日本の女性たちが増え続ける以上、老齢化と少子化は日本の経済の生産性、国力を弱め、間違いなくどこかの国の統治下に沈むか、植民地化し、日本という国は地球上から消えていくだろう。》

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2012年3月17日 (土)

2児餓死 母に懲役30年

 毎日新聞(3/17)から、

 大阪市西区のマンションに3歳の長女と1歳の長男を閉じ込め餓死させたとして、殺人罪に問われた母親の下村早苗被告(24)に対する裁判員裁判の判決が16日、大阪地裁であった。西田裁判長は下村被告に殺意があったと認定し「絶望の中、徐々に衰弱して命を絶たれた子どもたちの苦しみは想像を絶する。むごいの一言に尽きる」と述べ、有期懲役では最高刑の懲役30年(求刑・無期懲役)を言い渡した。

 下村被告は殺意を否認したが、西田裁判長は「(自宅で2人の姿を最後に見た)10年6月9日の時点で、2人の子どもが相当衰弱して生命の危険性が生じていることを被告も認識していた」と指摘。その後、被告が2人に多少の飲食物を与えただけで約50日間も外出を続けたことから「何ら命を救うための手だてを講じることなく放置した」と述べ、被告の主張を退けた。

 また、ゴミと汚物があふれた部屋で迎えた2人の最期に触れ「これに匹敵する苦しみはない。その最中、複数の男性と遊興に耽るなど、被告の行動は非難に値する」と指弾した。

 西田裁判長は、周囲の援助を受けていなかった下村被告の境遇に「仕事と育児に限界を覚え、孤立感を強めており、同情の余地がある」と一定の理解を示した。そして最後に「社会全般が児童虐待防止に一層努め、子育てに苦しむ親に協力することを願う」と言及した。

 児童虐待問題に詳しい津崎哲郎・花園大特任教授(児童福祉論)の話 「懲役30年という判断は重い。母親一人に責任を課している印象がある。虐待防止には、放置した周囲や、踏み込めなかった児童相談所など、事件に至った複合的要因への問いかけが必要だった。

 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西」の大森順子事務局長の話 「一歩間違えば、自分も下村被告のようになっていた」という声は多くのシングルマザーから聞いた。そうした親が子を傷つけないためには、助けを求められる複数の「回路」を持つことが大事。鳴き声が聞こえたという通報の際、近所の人が見に行くなど、地域の人材活用が必要と痛感した。

《判決によると、被告は10年6月9日、2児を自宅の居間に粘着テープを貼り、玄関に鍵をかけて閉じ込めたまま外出し、7月30日、被告の勤務先の風俗店の従業員が部屋を訪ね、異臭に気づき通報するまでの間放置したままにして2人を餓死させたものだ。被告は自らが招いた浮気が原因の離婚(2009年5月)をしており、シングルマザーとして2人を育てていた。この頃からホストクラブに通いつめ、子どもの面倒を見なくなっていった。子どもたちはゴミの散らかる中、入浴できない身体を糞尿まみれで発見された。》

《実は、被告は餓死した子どもたちが発見される前の29日、自宅に戻っているのだ。その時、子どもの変わり果てた姿を目撃しながら放置して逃げ出しているのだ。自らは遊興三昧で過ごした50日間の放置していた結果を確認に戻っているとも思える行動だ。そして、育児ストレスや子育ての悩みなどから逃げ出したかったなどと供述している。》

《また、「殺意はなかった」ということだが、自らが食事の準備もできない子を50日もの間飲まず食わずの環境に置いて、死なないとでも思っていたのだろうか。餓死させるために帰宅しなかったとしか思えない。》

《得てしてシングルマザーは同情を買いやすいが、下村被告の場合、シングルマザーになった元々が、自ら発した問題からであり、己が招いて作った環境だ。露ほどの同情を寄せる必要もない。幼少時代からの辛かった家庭環境を織りまぜ、説き起こして弁明しようとする弁護士の弁舌も、殺人罪に値する下村被告を弁護するに値するものではない。》

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2012年3月16日 (金)

大学生内定率80・5%

 毎日新聞(3/16)から、《 》内は私見。

 今春卒業予定の大学生の就職内定率(2月1日現在)は80・5%で、前年同期を3・1ポイント上回ったことが16日、文部科学、厚生労働両省の調査で分かった。96年の調査開始以降では前年が最低だったが、今回は過去3番目に悪く「就職氷河期」と呼ばれた00年(81・6%)を下回る水準が続いている。厚労省は「企業業績の回復に加え、個別支援策が功を奏してきたが、依然として厳しい水準だ」と分析。年度末へ向けた支援を強化している。

《記事の数字に水を差すようだが、先の「大学生数学基本調査」に見るように、大学生とは言いながら、企業に入っても役には立ちそうもないレベルの学生もいるようなのだが。加えて海外からの優秀な学生が、日本企業を目指して集まってくる。ゆとり教育でのんびりと育ってきた日本の学生たちは、日本企業の復活があっても、はじかれる懸念さえあるのだ。今後、現状以上に就職率が上がることを望むことも難しい情勢になりつつあると思わなければならないだろう。》

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 調査は、国公私立大62校の4770人を対象に追跡して実施している。文科省によると、今春の卒業予定者約54万9500人のうち、就職希望者は約40万5900人。内定者は約32万6800人と推計され、2月1日時点での未内定者を約7万9000人と見込んでいる。

 政府は、ハローワークを通じた企業との引き合わせなど未内定の学生らへの集中支援策に取り組んでおり、1〜2月だけで学生8524人が内定を得て、就職内定率に2ポイント程度の押し上げ効果があったという。

 地域別では、東日本大震災で大きな被害を受けた被災3県(岩手、宮城、福島)を含む北海道・東北地区が、前年同期比0・8ポイント増の79・1%。関東の83・3%(同3・4ポイント増)が最も高かったほか、中部79・5%(同8・8ポイント増)、近畿80・5%(同0・2ポイント増)、中国・四国76・9%(同0・6ポイント増)、九州77・3%(同6・8ポイント増)──といずれも増加していた。

 男女別は、男子が80・7%(同1・8ポイント増)、女子は80・3%(同4・6ポイント増)となり、男女差はほとんどない。文理別では、理系が85・6%(同5・3ポイント増)、文系が79・4%(同2・6ポイント増)と、理系優位の状況が続いている。

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2012年3月15日 (木)

4月から適用の食品に含まれるセシウム基準値

 毎日新聞(3/15)から、

 食品に含まれる放射性セシウム(セシウム134と137)の新しい基準値が、4月から適用される。現行の暫定基準値から、どう変わるのか。文中のベクレルは1キロ当り。

 Photo_2 Q 新しい基準値の特徴は何か?

 A 食品の区分が現行の5分類から、「一般食品」「牛乳」「乳児用食品」「飲料水」の4分類になり、数値は暫定規制値に比べてかなり厳しくなる。表㊤ 例えば一般食品は、欧州連合(EU)の規制値(1250ベクレル)や、食品の国際規格を策定する「コーデックス委員会」のガイドライン(1000ベクレル)の10分の1以下だ。食品衛生法に基づき、基準値を超えた食品は出荷停止になる。

 Q 根拠となるセシウムの被曝線量の許容上限値は、暫定規制値では年間5ミリシーベルトだったが、新基準値は年1ミリシーベルト。厚生労働省は、コーデックス委のガイドラインを参考にしたと説明している。食品安全委員会の「障害でおおよそ100ミリシーベルト以上で健康影響がある」との答申は算定に使われなかった。つまり、根拠は日本、国際機関とも同じだ。

《とは言うものの、未だにシーベルトとベクレルが混在する。数値の単位もミリだのマイクロだの理解できない人も多いのではないか。放射能そのものの量(ベクレル)と生体への影響を及ぼす量(シーベルト)の基本的なことまでは理解できても、日々目にし耳にするベクレルの数値が、どの程度生体への影響を及ぼすものなのか、即座に判断することなど不可能だろう》。

 Q では、なぜ基準値が異なるのか

 A 流通食品の汚染割合の設定の違いが主な原因だ。コーデックス委は流通食品の1割がセシウムで汚染されていると想定したが、日本は汚染割合を5割とした。「牛乳」「乳児用食品」は子ども、乳児の感受性が高いことに加え、汚染割合を100%と設定し、より厳しい基準となったものだ。地域差は考慮されず、基準値は全国一律だ。文部科学省の放射線審議会は「汚染割合の設定が現実的でない」などと訂正を求めたが、厚労省は「国民の安心確保のため、より安全側に配慮したい」と主張した。

 Q 一般食品を使って離乳食を作ったら、乳児の健康に影響しないか

 2A 厚労省作成の表㊦。 各年代別に、セシウムの汚染が何ベクレルまで許容されるかを示している。どの年齢層でも100ベクレル以下であれば、年間被爆線量は1ミリシーベルト以下に収まるとしている。同省の試算では、例えば1歳未満なら、460ベクレルのベビーフードを1年間食べ続けても、被爆線量は0・3ミリシーベルト程度だ。しかし、乳幼児の感受性は大人より高いことが考慮され、基準値は50ベクレルとなった。同省は「乳児の健康は100ベクレルでも十分に守られている」
基準審査課)としている。

 Q その他の乳製品は?

 A コーヒー牛乳や低脂肪乳など、加工された乳飲料は牛乳と同じ扱いだ。ただしチーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料は一般食品の扱いだ。

 Q ペットボトルのお茶飲料は「飲料水」か?

 A 水は命にかかわるため、世界保健機関(WHO)のガイドラインが参考にされ、10ベクレルと特に厳しく設定された。容器入り飲料茶やミネラルウォーターは水と代替できるので、飲料水と同じ扱い。ただし缶コーヒーや缶紅茶、缶ジュースは一般商品扱いだ。一方、家庭で飲む緑茶は湯で煎じた状態で10べクレル以下なら、茶葉(4月以降収穫)が500ベクレルを超えても、基準値以下と見なされる。飲食の状態に着目したのが、新基準の特徴だ。

 Q 干し椎茸など乾燥させた食品は?

 A 原材料の状態(乾燥前の生椎茸)と、食べる状態(水で戻したもの)の双方を判断する。どちらかでも10ベクレルを超えたら流通できない。乾燥わかめや乾燥野菜も同様。他方、のり、煮干しぶどうはそのまま食べるので、乾燥した状態で一般食品扱いだ。

 Q 給食はどうなる

 A 給食は一般に流通している食品を使っているので、文科省は区別せずに4月からは新基準値を適用していく

 Q 4月からの適用で混乱は起きないか

 A 10〜50ベクレル以下を保証するには1ベクレルまで測れる1台2000万円もする「ゲルマニウム半導体検出器」が大量に必要となる。しかし、高精度の機器を整備している自治体や企業は少ないのが実情だ。基準値を担保するため、検査態勢の整備が急務だろう。

 Q 米などは経過措置がとられるのか

 A 米と牛肉は9月末まで、大豆は12月末まで、暫定規制値が適用される。米と大豆は年1回の収穫であり、牛肉は冷凍保存で流通するので、すぐに新しい基準値を適用できないためだ。摂取量が多い品目だが、暫定規制値でも安全性が確保されているとの考え方からだ。

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2012年3月13日 (火)

付け八重歯

 毎日新聞(3/13)から、要約と《 》内は私見。

《夕刊一面にカラー写真付きの記事「乙女心と付け八重歯」とある。人工の歯装着 若い女性に人気。これほど世代間でセンスの違いを実感したことはない。朝のNHKアナウンサーの不釣り合いなまつ毛ぼうぼうの目もそうだが、タレントをはじめ多くの女性の歯を見せられることがあるが、その女の子たちの歯並びの悪さを「ブサイク」と感じていたものだ。八重歯がやたらに目立ち、さぞかし消化不良や口臭がひどいだろうと眺めていたものだ。ところが目に飛び込んできたのが夕刊の文字だ。女の子たちには幼いかわいさを想起させるのだという。しかし、気の毒だが新聞の写真の女性のビフォー・アフターでは、かわいらしさなど微塵もない。新聞は、「日本独特の感性」だろう、と書いているのだが。》

 白い歯や並びの良い歯は美容のポイントの一つ。だが、新たなファッションとして、人工の歯を付けて個性を演出する「付け八重歯」の人気が若い女性を中心に高まっているという。そこにある乙女心とは?

 人気アイドルグループAKB48の板野友美(20)のような片八重歯に憧れ、付け八重歯を希望した女性がいる。東京都内の審美歯科クリニック「デンタルサロン・プレジール」で先月6日、埼玉県在住の女性(23)がセラミックと樹脂でできた特殊素材を歯に張り付け、尖った形に整えると、女性は「理想的」と満足げだった、という。

 同クリニックでは、2種の付け八重歯を扱う。歯に固定するタイプは歯科技工士が歯形を取って制作し、1本4万9000円。自分で付け外しできるタイプは同3万円で、来院して1時間ほどで成形してもらえるが、食事や就寝時には外す必要がある。ともに医療保険は適用されないが、こうした施術は歯科医師法で歯科医師にしか認められていない。

《八重歯で記憶にあるのは歌手の小柳ルミ子だ。若い頃の彼女には左上顎に犬歯があり、歌唱の際に上唇が乾いた犬歯に掛かり、開いた唇を閉じることに苦労していた。彼女は歌うために犬歯を矯正して綺麗な歯並びにしたが、施術後歌う正常な歯並びの彼女の美しい口元の動きや表情に慣れるまでに違和感があったのは間違いない。》

 上の女性は「つけまつ毛と同じ感覚で、アクセサリーのように使いたい」と後者を選んだ。元々、左右に八重歯があったが中学時代に歯列矯正。「付け八重歯をしたら本当の自分になれるような気がした」と言う。

《私は小学生の頃歯の健康優良児に選ばれたが、上顎の左右に犬歯があり、最終選に洩れた経験を持つ。昔は犬歯を糸切り歯とも言い、裁縫の際縫い終わった針の糸を、布から切り取るのにその歯で切っていたことからその名が付けられていた。だが、成長するに伴って何時の頃からか、犬歯は目立たなくなり、今ではまったく痕跡はなくなっている。》

 同クリニックは08年から始め、約200人に施してきた。院長は「歯並びは整っている方が良いので、敢えて八重歯にすることには今も悩む」としながらも、「個性を際立たせたいのでしょう。それに、貼付ける方法なら後で外せると考えた」と話す。歯を削って八重歯の形の義歯を被せる方法もあるが、「気持ちが変わった時に戻せない」ため、実施していない」という。

 吸血鬼の牙を連想させるためか欧米では敬遠されがちだが、日本では八重歯が魅力となっているアイドルや女優もいる。「八重歯がかわいいと思うのは日本人独特の感性。永久歯に生え変わる時期に目立つので、幼い可愛らしさを感じるのではないか」と語る。

 一方、歯並びに凹凸があると、汚れが溜まりがちで虫歯になりやすい。東京矯正歯科学会の加藤副会長は「犬歯は本来、噛み合わせの時に上下の顎をあわせる基準になる重要な歯。八重歯は噛み合わせを損なって他の歯に負担をかけたり、顎の関節症を引き起こしたりする恐れがある」と注意を促す。付け八重歯に付いては「そんなものがあるんですか」と苦笑し、「付け外しできるものならまだいいかも知れないが、勧められない」と話した。
 
 1月には東京都内でイベント「八重歯決起大会」が開かれ、物好きな参加者も約60人集まったらしい。付け八重歯が笑顔をパワーアップするアイテムとPして定着するものなのか、見物だ。

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2012年3月12日 (月)

PPS(特定規模電気事業者)人気

 毎日新聞(3/12)から、

《何もがめついのは大阪商人ばかりじゃない、という話。》
 全国の自治体で、経費削減のために電力の購入先を大手電力会社からPPSに切り替える動きが広がっている。企業向け電気料金の値上げ方針を示した東京電力管内でも「脱東電」の取り組みが加速するが、高まりすぎた人気に「落とし穴」が。思惑外れの自治体も出始めているという。ほくそ笑んでいるのは東京電力だろう。

 「全国の自治体、議会からの問い合わせは200件以上、受け入れた視察団は50を超えた」。東京都立川市の田中・行政経営課長は話す。市は、運営する立川競輪場の電力購入先をPPSに変えたことで、09年度は約6280万円だった電気代を10年度には約4620万円と約26・5%も節電。昨年5月に報道され、「立川モデル」として注目を集めた。視察団から一番訊かれるのが「デメリットは?」という質問だが、田中課長は「『全くない』と事実をそのまま答えている」。同市は今年度、対象施設を小中学校にも拡大、来年度はさらに市庁舎にも広げる計画だ。

 全国市民オンブズマン連絡会議によると、10年度で既に27都道府県と16の政令指定都市が電力購入に競争入札を実施しているが、東電福島第1原発事故を機に拡大。東電管内では、今年に入ってからだけでも、都内で人口最多(84万人)の世田谷区が電力の購入先を競争入札にしたのをはじめ、練馬区、足立区、千葉市、埼玉県、吉川市、神奈川県大磯町などが続々と競争入札の実施、または対象施設の大幅拡大を表明した。9日には枝野経済産業相が、PPS普及推進の立場から、国民により分かりやすくと、略称を「新電力」とすると発表している。

〖PPSとは〗
 パワー・プロデューサー・アンド・サプライヤーの略。00年にビルや工場などの大口需要者を対象に、電力の小売りが自由化されたのを受けて、商社や鋼鉄メーカー、ガス会社などが設立した電機の小売業者。自前の発電施設で発電したり、自家発電した企業から余剰電力を買い取って小売りする。送電網を持たず、東電などの大手電力会社に託送料を払って契約先に送電している。

 ところが今、自治体が立川市のような電気代削減を実現するのは難しい状況になっている。PPSの供給量に「限界」があるためだ。

 資源エネルギー庁によると、PPSは全国に52社あるが、実際に電力の小売りを手がけているのは26社。その供給量は、大手を含めた全国の販売電力量の約3%に過ぎない。既に04年から県庁本庁舎や上下水道の電力業者を競争入札で決めてきた茨城県では2月、新年度の入札を行なったが、応札はゼロ。再度入札を実施したが同じ結果だった。担当者は「応札ゼロは想定外。これまでは競争原理で安い業者と契約できたが、このままでは東電と随意契約を結ばざるを得ない」と困惑する。

 あるPPSの担当者は「自治体と取引したいのは山々だが、電源には限界があり、急に仕入れは増やせない。『脱原発』のイメージづくりでPPSに切り替えたいという企業も多く、競争入札で価格を抑えられがちな自治体と契約する余裕はない」と話す。

 PPSの電力価格も値上がりしている。余剰電力の売買を仲介する「日本卸電力取引所」によると、秋口からじわじわ上昇し、最近の取引価格は1キロワットあたり約20円と昨年の倍以上。因みに、企業や自治体など大口向けの東電の電力価格は「相対取引のため個々の契約内容は公表できない」(広報部)が、関係者によると家庭用(使用料によって1キロワット当り17円87銭〜24円13銭の3段階)より「割安」という。とすれば、PPSの競争力はかなり削がれている。

 長年、PPSから電力を購入する自治体の担当者は「原発事故を機に、売り手と買い手の立場が完全に逆転した。今は完全な売り手市場だ。東電の値上げに連動してPPSも相応の値上げをしてくるはず」とみる。

「来年度からは大幅な経費削減は難しいだろう」。立川市の担当者も顔を曇らせる。

《「風が吹けば桶屋が儲かる」の現代版だ。》

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2012年3月11日 (日)

続・絆

 毎日新聞(3/11)から、

 昨夜の東京都内では、そのまわりの照明が消された暗闇の中、東京タワーに寒々と文字が浮かんだ。「KIZUNA」 だ。一体誰に向けての文字だろうか。日本人相手ならカナか、ひら仮名か漢字で書いてほしいものだ。この1年、海外からの励ましも多くあったが、その彼らに感謝のメッセージなのか。こんなことだから口先だけの「絆」に成り下がり、被災地に溢れる瓦礫を受け入れる自治体すら未だに東京の他には1、2県にとどまっているのだ。

 今日も、被災から1年が経過したことで、各テレビ局はお祭りごとのように東北にご出張、全く能のない話で1年前の出来ごとの恐怖体験を思い出させ、白々しくも被災者を逆なでするようなレポートを流すだけだ。折角、機材や人材を現地に集め集中的に報道するのなら、なぜ2200万トンの瓦礫が山となっている姿を全国の自治体や国民に見せつけることをしないのか。この瓦礫の処理が進まない限り復興などありえないだろう。何かと理由をつけて受け入れを拒否する自治体だけではない、絆を口にする人たちも、各自治体に強権を使ってでも瓦礫の受け入れを進めるよう、国に求めてもいいのではないか。

 「絆」を教えられたり真似たりして口にすることは、オウムでも九官鳥でもできる。その言葉が本物かどうかが今、問われているのだ。

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2012年3月10日 (土)

「君が代」不起立17人戒告

 毎日新聞(3/10)から、
 
 2月24日、始めての府立学校(大阪)の卒業式が行なわれ、教職員全員が起立斉唱したことが報じられた(「君が代条例」全員起立斉唱)が、今月9日、大阪府教委はその後の府立学校の卒業式で、君が代斉唱の際、起立しなかった教職員は同日現在29人に上ると発表した。このうち先月に卒業式があり職務命令に反して起立斉唱しなかったとして教員17人を9日付で懲戒処分(戒告)とした。昨年6月の起立斉唱を義務づける府条例施行後、始めての処分となる。府立学校の卒業式は今月16日まで続くが、過去、君が代を巡って懲戒処分を受けたのは全6人だけで、前例がない大量処分となる見通しだ。

 府教委によると、処分を受けたのは先月24〜29日に卒業式があった14校の49〜62歳の男女。いずれも過去に同様の理由で懲戒処分を受けたことは亡く、「思想・信条を理由に起立しなかった」「理由は言えない」などと話しているという。このうち61歳男性は式当日、校門前で府教委の職務命令に反対する内容のビラを配布もした。

 府教委は起立斉唱しない教職員に対して09年度から懲戒処分を開始。起立斉唱しなかった教職員は
  09年度    入学式    卒業式
          57      63
  10年度     46      84
  今年度     38        (単位 人)
   いるが、懲戒処分は09年度の卒業式で4人、今年度の入学式で2人だけだった(いずれも戒告)。今月の式で起立しなかった教職員の処分は、月末までに行なう方針だ。

 今回、処分された女性教師は9日、取材に対し「思想良心の自由を主張したことで処分されるのは納得できない。一つの考えを強制して全員を立たせようとするのは恐ろしい」と憤った。「君が代の歌の意味は国民主権を掲げた憲法にそぐわない」との思いから起立斉唱に反対してきた。校長から事前に起立するよう念押しされたが「立てません」と主張。学校で起立しなかったのはこの教諭だけだった。

 府議会で現在、審議されている職員基本条例案が制定されれば、4月の入学式から「同じ職務命令に3回違反すれば免職の対象」となる。教諭は2回目までは起立しないという。

《2月24日のブログでも書いたが、「3回目には立つ」という軟弱なだだっ子の反対意見程度のものだ。情けない主義主張で恥をさらすようなものだ。最後まで思想信条を守り抜き、潔く免職になればいいのに。》

 参照 君が代訴訟、最高裁判決 2012/01
    君が代起立命令は合憲 2011/05
    君が代不起立 元教諭が逆転敗訴 2009/10

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2012年3月 9日 (金)

首都直下地震

 毎日新聞(3/9)から、
 
 《放射能の報道に加えて今日にも来るかのような地震情報が連日のように流されて、またまた首都圏では日用品や食料品、防災用品などの買い求めがじわじわと浸透しているようだ。確かに関東に住んでいると、身体に感じる地震が少なからず連続して発生しているのは間違いない。9日夕刊にも東日本(青森沖から千葉にかけて)での余震が、この1年間で7220回を数えたことが報じられている。この他にも全国で約3000回の有感地震が起こり、合わせて1万回を越えたとある。》

 首都直下地震が発生した場合、自宅まで10キロ以上の帰宅困難者ら約1000万人をすべてバスとタクシーで搬送するのに最悪で6日間かかることが9日、国や首都圏の自治体などで作る「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」のシミュレーションで分かった。

 シミュレーションは、平日の正午に首都直下地震が発生した場合、帰宅困難者として障害者や高齢者、妊婦などの「特別搬送者」200万人と、自宅まで10キロ以上ある「一般搬送者」784万人が発生すると想定。鉄道が復旧せず、バスとタクシーで搬送することを条件とした。

《今日(9日)も、震度6から7に上げたシミュレーション装置で、揺れを体感する番組を放送していたが、男女レポーターたち、怖い怖いと笑い顔でのレポートだ。えてしてシミュレーションは真剣味に欠け、求める実際とは遥かにかけ離れたものになるのだ。帰宅難民が何人だろうと、建物が倒れ、瓦礫が山となり、道路が破壊、寸断されればバスもタクシーも1台も走れなくなるのだ。また、橋梁の耐震強度も一つ一つ解析されているのだろうか、津波は発生しないのだろうか。加えて逃げ惑い右往左往する群衆の収拾し切れない騒擾。机上の計算など何の役にもたたないものになるだろう。》

 最悪のケースでは、自宅から10キロ以上ある人の搬送がすべて終わるまで6日間が必要となった。バスやタクシーの運転手も負傷や通勤困難で半数が出勤できず、3268台の運用で対応したとの想定でまとめた。

 同協議会は、同日にまとめた中間報告で「全員をバスで搬送するのは現実的でない」と指摘。「特別搬送者の搬送を最優先すべきで、一般の人は相当な距離を歩かざるを得ず、徒歩帰宅支援体制の充実が必要」とした。

《車の調達はできたとして、すいすいと都心から道路を走って逃げ出せると考えているのだろうか。建物の倒壊、瓦礫の山、火災の発生、橋梁や道路が寸断されることまでも要因としては考えていない。》

 首都直下地震については帰宅困難者問題の拡大を防ぐため、「むやみに移動を始めない」が原則とされ、企業などは従業員用の3ヵ間分の備蓄が求められている。

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2012年3月 5日 (月)

サプリメントには注意して

 毎日新聞(3/5)から、

 ビタミンEを取りすぎると骨粗鬆症を起こす危険があることを、竹田秀・慶応大特任准教授の研究チームが突き止めた。ビタミンEは、老化防止に有効とされる抗酸化作用があり、最も人気のあるサプリメント(栄養機能食品)の一つ。4日付の米科学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表した。

《皆保険制度ではないアメリカでは、病気になると日本と比べて高額な医療費が必要となるため、日頃から病気にならないよう健康維持には特別の関心があり、薬よりも安価なものが多いサプリメントが広く普及している。》

 健康な骨は、骨を作る細胞と壊す細胞「破骨細胞」がバランスよく働いて維持される。ビタミンは骨の強度に関わり、特にビタミンDは骨粗鬆症の治療に活用されている。しかし、ビタミンEの働きは謎だった。

 チームがビタミンEを取り込めないマウスを作って調べたところ、破骨細胞を培養し、ビタミンEを加えると、破骨細胞が巨大化することを発見。解析すると、ビタミンEが破骨細胞の巨大化に必要な蛋白質の合成を促していることを突き止めた。

 さらに、正常なラットに毎日10mgのビタミンEを含んだ餌を8週間与えると、骨を壊す細胞の活動が高まり、骨粗鬆症になった。10mgは、人が1000mg摂取するのに相当し、主に海外で同量程度含んだサプリメントが流通しているという。

 厚生労働省が定めるビタミンEの摂取上限は年代、性別で異なるが、最大は30〜49歳の男性で1日当り900mg。食品では魚卵や植物油、ナッツ類に豊富だが、例えばアーモンドでも100グラム当り約30mgで日常の食生活では問題ない。

 竹田は「サプリメントの量ならば、骨がもろくなる可能性はある」と話す。

《日本はアメリカから市場開放問題で責められ、1996年、規制緩和によりサプリメントが発売されるようになったが、健康補助食品としての宣伝に煽られ、日本人の薬好きと重なって瞬くうちに広く蔓延した。「過ぎたるは及ばざるが如し」ということもある。程々にしておくことだ。》

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2012年3月 2日 (金)

スポーツ振興

 毎日新聞(3/2)“視点”「メダルも大事だけれど」 論説委員(落合 博) から、

 参照 「スポーツ権」とは 2011/06
    日本オリンピック強化費縮減に憤り 2009/12/

 オリンピックの金メダルも大事だけれど、生涯スポーツへの目配りが疎かになってはいませんか。スポーツ基本計画の答申案を読んでの感想だ。

 今後10年間を見据えたスポーツ推進の基本方針を示したスポーツ基本計画は具体的な数値目標として、オリンピックでの金メダル獲得数の順位を「夏季大会は5位以上、冬季大会は10位以上」と明記した。

 一方、生涯スポーツ社会の実現については、スポーツ実施率の向上を掲げながら具体的な施策や財源に乏しく、年齢や性別、障害などにかかわらず、多くの人がスポーツを楽しめる環境を実現する道はかすんでいる。

 文部科学省の今年度のスポーツ関連予算は約228億円。そのうち7割近くが競技スポーツに投入されている。メダル獲得が有望な競技を重点的に支援するマルチサポート事業は初年度(09年度)の3億円から右肩上がりで伸び、12年度予算案には27億円が盛り込まれた。有望選手を強化育成する新規事業を含めると、32億円がトップアスリートの強化に注ぎ込まれる。

 厳しい財政事情のおり、多額の税金を投入している以上、答申案が金メダル獲得数の目標を設定したのも無理からぬところがある。だが、メダル目標は本来、各競技団体に委ねるべきものではないだろうか。

 確かにサッカー・ワールドカップも含めた国際大会での日本選手の活躍に心躍らせる国民は多い。東日本大震災の後、サッカー女子日本代表が優勝したことは社会現象にもなった。

 では、彼女たちに刺激され自分もスポーツをしたいと思った人が身近な場所でスポーツを楽しめる環境は整っているのだろうか。公共のスポーツ施設は1990年をピークに減少傾向にある。また、地方公共団体のスポーツ施設の整備費も95年から半減している。お寒い状況だ。

 ある世論調査によると、6割が身近なスポーツ環境の整備を国に期待していて、トップアスリートの育成強化は2割に満たないという結果が出た。予算投入額と人々の意識が一致していない。答申案に民意が十分に反映されたとは言いがたい。

 スポーツへの潜在的な需要はマグマのようにたまっている。近年全国的な広がりを見せるランニングを例にとれば、先日の東京マラソンには定員の10倍近い28万人もの応募があった。経済波及効果もある国際大会の招致や開催に積極的になるのもいいが、一人でも多くの国民がスポーツを気軽に楽しめる機会を国が中心になって整えることもニーズに応えることだろう。

《私の見解は上の二つの「参照」で十分だ。》

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2012年3月 1日 (木)

禁煙が糖尿病の発症を増大させる

 毎日新聞(3/1)から、

 禁煙して5年程度までの人が糖尿病を発症する危険性は、喫煙経験のない人より高いことが、国立がんセンターなどの研究班による全国約6万人の調査で判明した。米科学誌「プロスワン」に発表した。

 喫煙者が糖尿病になる危険性は、たばこを吸わない人に比べ、男性1・3倍、女性3倍に高まることが知られている。10都府県の40〜69歳の男女を5年にわたって追跡、糖尿病の発症状況を調べた。

 その結果、禁煙した男性が糖尿病になる危険性は、たばこを吸わない男性の1・42倍になった。禁煙前に比べ体重の増加が少ない男性も、たばこを吸わない男性に比べ糖尿病の危険性が高まった。

 禁煙前に1日25本以上のたばこを吸っていた男性が糖尿病を発症する危険性は、たばこを吸わない男性の2・15倍と高く、喫煙本数が多いほど危険性は高かった。禁煙5年後以降は、非喫煙者との差はほとんどなかった。

 禁煙後の女性が糖尿病になる危険性は、たばこを吸わない女性より2・84倍も高かったが、調査対象者が少なく、誤差が大きいとみている。調査を担当した国立保健医療科学院の大庭志野・特命上席主任研究官は「体重が増えなくても、禁煙から少なくとも5年間は健診などで体調に配慮することが大切だ」と話す。

《対象が6万人とだけ分かるが、世代構成は不明、男女比も不明、発症者数は皆目分からない。それ以外は発症率の比較数字だけなのでややこしい話だが、愛煙家が禁煙したことで、喫煙経験のない人よりも、糖尿病発症の危険性が高い、ということか。たばこは止めた、それで糖尿病になったでは、たばこ代が糖尿病の治療費に取って代わっただけになる。太鼓叩いて禁煙は呼びかけない方がいいのでは。》

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