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2012年2月14日 (火)

解禁繰り下げで就活に異変が

 毎日新聞(2/14)から、要約

 5日、東京都江東区の東京ビッグサイトであった各企業の合同説明会。

 1対1で、あるいは大人数で人事担当者の説明を受ける学生たちの表情は、真剣そのものだ。「広告業界志望」だという私大3年の女子学生(21)は「今年は企業研究にかけられる時間が短いから・・・・うまくいくか、自信がありません」と話した。

 彼女のように来春の就職を目指す3年生を不安にさせているのが、企業の採用活動の「解禁日」の繰り下げだ。

 前年まで、会社説明会など企業による「広報活動」の開始は、慣例で「大学3年の10月」とされていた。しかし、経団連が「就職活動の早期化で学業に支障が出ている」として倫理憲章を改定し、従来より2カ月遅い「12月以降」としたのだ。その一方で、内定につながる試験や面接などの「選考活動」については、「4年の4月以降」を維持。このため、先の女子学生が嘆いたように、十分に企業を研究する余裕が持てないことが懸念されているのだ。

 明治大の福田就職キャリア支援部長は「昨年の3年生は、もう今頃には企業研究を経て志望企業を絞り込んでいた。ところが、現3年生は、まだ自己分析や業界研究中の学生も多く、前年でいえばやっと12月のレベル。説明化を開いた企業でも『知識がないままに来ている』と苦言を呈されることもある」と、危機感を募らせる。一方、「11月の文化祭までサークル活動ができた」と慶ぶ学生もいるが、あくまでも少数派のようだ。

 解禁日繰り下げの影響は各企業へのエントリー数の減少となり、前年の6、7割にとどまっているという企業が多い。就職情報会社マイナビの調査でも、1月までの学生1人当たりの累計エントリー数は平均51・4社で、昨年の67・2社から減った。

 慶応大のある男子学生(21)は12月の解禁と同時に約200社にエントリーしたが、「スマートフォンに説明会の連絡メールがどんどん来るが、出席できない」という。「「大手以外の企業からは『申し込みをしながら当日、来ない学生も少なくない』という話も聞く」と福田部長。

 時間の足りない学生は、やむを得ず就職活動の対象企業の数を絞る。これに対し企業も、「今年は企業から学生へのアプローチが激しい」と語るのは、就職支援会社ガクー(東京都中央区)が運営する「内定塾」の高嶌悠人。「昨年までに比べ、社員を出身大学に派遣するケースが目立つ。学生からのアプローチが減るのを見越した動きではないか」と話す。

 福田部長は「短期決戦ですから、4月には優秀な学生の奪い合いになる。そこで内定を取れなかった学生は、次の志望先まで準備していないので、就職が決まるのがかなり遅れるでしょう。一方、中小企業は学生が応募数を減らして受験しないのではと心配している。このため4月内定にこだわらず、二段構えで採用計画を立てている企業も企業も多い」。つまり「短期決戦」と「長期化」に二極化すると見ている。

 経団連会員企業の「選考は4月以降」との申し合わせがあるが、それに縛られない企業、守らない企業もある。数社の面接やグループディスカッションを受けたという早稲田大の男子学生(22)が言う。「本命の選考までに面接に慣れておきたいという理由もありますが、内定が早く欲しい。僕らは生まれてから好景気を経験したことがなく、この先も明るいという見通しはない。人生の先も読めずに不安だから、とにかく会社に入りたいんです」と。

 その一方では優秀な中国人学生の採用が増えている。昨年11月、中国の北京と上海で、日本企業42社が今夏に卒業予定の大学生約1000人を面接した。参加企業は三菱商事やNTTなどの大手。一方、学生側は北京、精華、復旦といった一流大学などから応募した1万人より選抜。内定者は100人を超えた。主催したリクルートは「日中を結ぶ人材が求められている。日本で不足している工学系の学生も豊富」と、企業が中国人学生を求める訳を説明する。

 リクルートの調査では、従業員1000人以上の企業のうち、13年の新卒採用で海外の大学・大学院を卒業する外国人学生を採用する意向なのは29・1%。日本の大学・大学院を卒業する外国人留学生を採用する意向のある企業も35・4%に達した。「親は知らない就活の鉄則」などの著書がある人材コンサルタントの常見陽平は「国内の大学は経営維持のため、今後も留学生の受け入れを増やそうとする。今はともかく将来は日本人学生の採用数に影響が及ぶことも考えられます」と話す。

 今春卒業予定の大学生の就職内定率は71・9%(昨年12月1日現在)で、過去最悪だった前年から3・1ポイント改善した。朗報ではあるが、歴代2番目の低さであり、就活が厳しいことに変わりはない。

 「就職難の背景には、企業が人材を厳選する一方、大学進学率が5割を超えるという構造的問題がある。しかし、やるべき対策を取らないまま失敗する学生も多い。例えば企業に訴える『強み』がないと悩む学生がいますが、自分のどこが優れているかなんて分からないもの、周りの人に聞いたりして自己分析をしっかりとし、真正面から就活に取り組めば道は開けます」と常見は言う。

 粘り強く、そして、絶望せずに。たった一度の就活で人生が決まるわけではないことを、先輩たちは皆知っている。

《本当は、「自分のどこが優れているかなんて分からないもの」が自分に合う(と思う)職業の選択などできる分けがない。だから就職してもすぐにやる気をなくし辞める人間が出るのだ。「自分に合っていない」は自分が何者かも分からない人間の迷い道なのだ。》

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