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2012年2月15日 (水)

非嫡出子扱いは民法違反、として不服申し立て

 毎日新聞(2/15)から、要約と、《 》内は私見

 参照 性同一性障害夫婦の子、父子関係認めず 2011/02
    性別変更した夫婦が人工授精で出産 2010/01

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《人工授精では精子の提供者は配偶者間人工授精(AIH: Artificial Insemination by Husband)と非配偶者間人工受精(AID: Artificial Insemination by Donor)に区別される。記事の場合は後者のAIDによる人工授精となり、当然、父子関係はあり得ない。》

《男性となったとはいえ、元々身体は女性のままだ。男性生殖器官も持ち合わさないから精子をつくる能力もない。養子縁組みでもしない限り父親になることは如何ように努力しようと不可能だ。》

 性同一性障害で戸籍の性を女性から男性に変えた東大阪市の前田良(29)と妻(30)が近く、第三者から精子の提供を受け人工授精でもうけた男児(2)を法律上の夫婦の子である「嫡出子」と認めないのは不当だとして、東京家庭裁判所に不服を申し立てる。夫婦の思いと、それを阻む法律の壁とは何なのか。

 《中略》

 2人は話し合いで第三者の精子を使う非配偶者間人工授精(AID)で子を産む決心をし、09年秋、子が生まれた。出生届を出そうとして法の壁にぶち当たった。戸籍の記載から夫が以前は女性だったことが分かることを理由に、嫡出子として受け付けられなかた。1年後、夫婦は出生届を取り下げ、男児は無戸籍のままだ。今回、新宿区役所に改めて届け出しようとしたのは、、法務省の膝元の東京で司法の判断を仰ぐためだ。

 同じく女性から性別変更した男性(36)と妻(36)も昨春、AIDで女児をもうけたが、法的には非嫡出子として戸籍を作った後で特別養子縁組みをして親子関係をつくることにした。この夫婦の場合、一旦は嫡出子として出生届が受理されたが、後日、市役所から「非嫡出子に訂正するか出生届を取り下げて」と電話があった。夫婦は裁判に訴えることも考えたが、医療費助成を受けるための乳児医療証の発行が遅れたのをきっかけに考えを変えた。東日本大震災から日が浅かったこともあり、「無戸籍のままでは、いざという時に支援が届かないかも知れない。海外に非難したくてもパスポートさえ取れない」と不安になったという。そして何よりも娘の存在が、かたくなだった夫婦の気持ちを溶かしていったのは、娘との関わりだった。抱っこしたり、オムツを替えたりする育児を通して、親子の絆をはっきり実感できているからと妻は話す。

 民法772条は「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子として推定する」(嫡出推定)と規定している。

《772条(嫡出推定制度)の条文は、夫を性別変更した元女性である男性を全く想定していない。この条文を盾に取るのは全く筋違いというものだ。》

 性同一性障害の男性は戸籍に性別変更したことが分かる記載があることを理由に、法務省は「親子に生物学的な父子関係がないことは客観的に明らかだ。嫡出の推定は及ばず、非嫡出子として届け出るよう求めている」と説明する。04年に特例法が施行され、性別変更後に結婚して子をもうけたケースは、同省によると16件ある。当初は保留した夫婦もあったが最終的に15組が従った。

 その一組が前田夫婦だ。前田側の山下弁護士は「法務省の判断は民放の条文に明らかに違反しており、性同一性障害の人たちが本来の性別で幸せな生活を送れるようにと制定した特例法の趣旨にもそぐわない」と主張する。

 一方、一般の男性が無精子症のためAIDで子をもった場合、嫡出子として受理される。法務省によると、非嫡出子であるという記載にするためには、嫡出否認の裁判を起こすことが必要。これまでこうしたケースはないといい、父と子に遺伝上のつながりがないのは同じなのに、一般男性とGIDの男性の扱いに差が生じている。

 前田の子に戸籍はないが、住民票は作られ、各種の社会保障も受けられている。特別養子縁組みをすれば相続上の不利益が生じることもないというが、彼は納得できない。「法律によって男になり、夫にもなったのに、なぜ父にはなれないのか。差別だ」。その1点が、裁判を起こす動機となった。

 この問題をめぐっては、10年1月に当時の千葉法相が当事者を救済する対策の検討を表明したが、2カ月後に「生殖補助医療の考え方が固まっていないことが問題だ。明確な基準が定まらないと対応は難しい」とトーンダウンし、法改正に至らなかった。

 生殖補助医療の分野では、第三者の精子や卵子を使ったり、他人に代理母になってもらったりするなど、複雑な家族関係が生じているが、法は追いついていない。今回の裁判が、たなざらしにされてきた法整備に向けて、一石を投じることは間違いない。

《女性には滅法あまい日本の司法だ。元々生物学的には絶対に生まれる筈のない両親から生まれた子だが、結局は子の福祉のため、300日問題同様「生まれた子が可哀そうだ」、と泣き落としの人情劇が展開されそうだ。記事の最後にも書かれているが、生まれる子の出自も不明瞭なことの部分も含め、複雑な家族関係が広がっている。私の持論を繰り返すことになるが、養子縁組みで親子になることも拒否するのなら、性同一性障害者は初めから子は生むべきではない。》

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