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2012年1月 8日 (日)

酒は「百薬の長」か

 毎日新聞(1/8)連載“真 健康論”(札幌医科大教授・當瀬規嗣)から、

 私(當瀬)の祖母は夕食前のコップ1杯の清酒を欠かしませんでした。幼かった私はそれが不思議で、理由を聞いてみました。返事は「毎日1杯のお酒は百薬の長」という一言でした。

 何となく合点がいって、毎日たくさんのお酒を飲む父を「おばあちゃんのようにしたら!」とたしなめましたが、父は笑っているだけでした。

 それ以来、少しのお酒は身体に良いと信じるようになりました。毎日1杯のお酒が効いたのか、祖母は百歳近くまでの長寿で人生を終えたのです。そういえば、日本一長寿といわれていた人が、長寿の秘訣を聞かれて毎日の焼酎をあげていました。

《ここまではどうみても酒は飲む方が良い、との印象で読む人がほとんどだろう。百薬の長は真実なんだ,と。》

 さて、飲み過ぎが健康に良くないことは周知の事実ですが、少しのお酒は本当に健康に良いのでしょうか? 「酒は百薬の長」というのは、古代中国の漢の時代に言われたことのようですが、あくまでお酒を褒めるための言葉で、何かしらの根拠があったわけではありません。

《百薬の長とは、次に続く裏腹の「しかし飲み過ぎはよくない」を言うための前置きの言葉なのだ。
 参照 酒とタバコ その三 2005/05/25「アル中」 2006/12/08 で書いたように、どちらかと言えば戒めのための前置きだ。》

 ただ、少量のアルコールは血行を促進し、気分を上げてストレスを和らげる効果があるのは間違いありません。最近の研究では、少量のお酒を飲む習慣のある人の死亡率は、全く飲まない人の死亡率より低いとする結果が出ています。

《出典の曖昧さと同時に、酒好き学者の言い分が引用されたようだ。》

 そこで、身体に良いかも知れないお酒に、身体に良さそうな薬草や香草を漬け込んで、お酒の効用を高めようとする企てが、古今東西で行なわれています。日本の薬酒や欧米で造られるリキュールなどです。お正月に飲むお屠蘇も、漢方処方である屠蘇酸を清酒に入れて、健康と長寿を祝う風趣です。屠蘇酸は身体を温め、胃腸の働きを改善し、風邪の予防に良いとされていますが、通常、お屠蘇に使うような少量では薬効はないと考えられます。いろんな理由をつけて飲んでいるだけなのかも・・・。

 結論としては少量のお酒にとどめるのがいいのですが、これが難しいのです。お酒は気分を上げますが、これは脳の働きを鎮める抑制生神経の働きが、アルコールによって抑えられやすいことによります。

 つまり、少量だけと決心してお酒を飲むと、抑制がとれて初めの決心はどこへやら、もう少し、もう少しと盃を重ねてしまうのです。やはりお酒は健康に良くないと思っておくのが得策のようです。

《酒飲みがやめられないのが酒だ。ちっとやそっとのご意見なんぞで酒やめられましょか、トコ姐さん酒持って来い、となる。挙げ句がアル中だ。酒は健康に良くない、と思っておくのが得策だ程度のものではない。アルコールには発癌性物質が含まれてもおり、また、その依存性はドラッグ以上に怖いものだとはWHO(世界保健機関)も認めているのだ。飲まない方が良いと思う方が得策なのだ。》

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