黒い雨
毎日新聞(1/19)から、
【黒い雨】
原子爆弾投下直後に降った、放射性物質や火災によるすす、埃などを含む雨《炭素・硅素・鉄*そしてウランが主成分として検出され手いる》。直接被曝より放射線量は低いとみられるが、人体への影響は不明な点が多い。広島市の08年調査では、黒い雨の体験者は援護区域外の人ほど健康不安が強い傾向がみられた。
《* 鉄分については爆発時の熱によって蒸発した広島市内の鉄構造物や爆弾そのものの鉄分である可能性もある。また、長崎でも黒い雨の降雨記録が残っており、爆風や熱線の被害を受けなかった広範囲の地域にも降っている。》
広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」を巡り、広島市などが被爆者援護対象区域の拡大を国に要望していた問題で、見直しを検討してきた厚生労働省の有識者検討会のワーキンググループ(WG)が「データが不足し、広島市が主張する範囲を降雨域と認めるのは科学的に困難」とする報告書をまとめたことが分かった。20日開かれる検討会に報告される。
広島市は08年に実施した調査で黒い雨を体験したとの1565人の証言を得た。これらを分析した結果、降雨域が現在の援護対象区域の約6倍に広がる可能性が浮かび、国に対象拡大を要望した。厚労省は10年12月に検討会を設置。市の調査にない視点での検証も必要として、検討会の下にWGを設け、分析を進めてきた。
その結果、現在国が認めている降雨域の外側では黒い雨の体験者のデータが少なく、逆に「黒い雨を浴びなかった」と答えた人もいた。こうした回答のばらつきや、原爆投下から60年以上たった証言であることなども考慮し。降雨域の広がりを科学的に示すことは難しいと判断した。
終戦直後に広島管区気象台(当時)の技師らが実施した調査では,爆心地から北西方向の長さ29キロ、幅15キロの範囲が降雨域とされた。国はこのうち強い雨が降った長さ19キロ、幅11キロを健康診断特例区域に指定、」当時区域内にいた人は無料の健康診断が受けられる。
黒い雨の降雨域については、原爆症認定集団訴訟で10年3月の名古屋高裁判決など計8判決が、国の認める範囲より広域だった可能性を指摘している。
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