朝鮮人民軍ってどんな存在なの?
よくわからない国だが、朝鮮人民軍は北朝鮮国内でどんな地位を占めているのだろうか。制度上は朝鮮労働党の軍隊だということになっている。しかし、実質的には「首領様の軍隊」だ。キンニッセイ主席が権力を掌握する過程で重要な役割を果たし、長男のキンショウニチ総書記も軍事優先の「先軍政治」という考えを打ち出して群を大事にしてきた。軍はキン政権の正当性を支える存在であり、 総書記の三男ショウオンも軍を重要視するのは間違いないだろう。
Q 軍で最も偉いのは?
A もちろん、これまでは最高司令官であるキンショウニチ総書記だった。今後は後継者のショウオンになるだろう。次いで制度的には、総参謀長の李英鍋と人民武力相の金永春が同格だ。本来は総政治局長も同格だが、昨年11月に趙明錄総政治局長兼国防委員会第一副委員長が死去した後、補充されていない。キン主席が60年代後半、最高司令官不在の場合はこの三つのポストの人物がサインすることで命令を出すことができると定めた。同格ポスト三人の軍幹部が互いに牽制し合うことでキン首席への忠誠心を高め、裏切りを防ぐことが狙いと考えられている
Q 軍人の社会的地位は?
A 2000年代前半まで北朝鮮の軍隊は志願制だった。食べ物が保障され、名誉もあったので志願者が途切れることがなかった。90年代に軍隊生活を送った北朝鮮のビジネスマンから「出世するにも結婚するにも軍歴があると有利だ」と聞いたことがある。ただ最近では、食料不足もあって十分に志願者が集まらなくなったと言われ、徴兵制度に近い形を取っている
Q 朝鮮人民軍の戦力は?
A 日本の防衛白書によると、陸軍が中心で総兵力は約120万人。人口約2400万人の約5%になる。主な兵器は、陸上戦力が戦車3500輛、海兵戦力はミサイル高速艇など小型艦船を中心に約650隻、航空戦力は作戦機約620機を持っている。ただ兵器は旧式のものが多く、飛行機用のガソリンが不十分なためパイロットの練度は低いと見られている。韓国と全面戦争になれば敗北するのは間違いないと言われている。通常兵器の弱さを補い、最大の外交カードにもしているのが核兵器開発で、それを主導する軍部の北朝鮮国内での存在感は高まっている
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