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2011年11月13日 (日)

自然被曝とは

 毎日新聞(11/13)から、
 
 参照 放射線測定器具が売れているって 11/10

《先に参照で取り上げて、メディア報道の測定値と自然被曝との関連で疑問を提起したが、仲川啓一・東京大付属病院准教授(緩和ケア診療部長)が分かりやすく解説してくれている。》

 「東京電力島第1原発の事故を許すことができないことに、誰も異論はありません。ただし、この事故がなかったとしても、私たち誰もが毎日、放射線による被曝をしていることも現実です。

 大地からガンマ線が出ていますし、宇宙線は常に地球へ降り注いでいます。さらに、天然の放射性物質は大気にも食べ物にも含まれますから、私たちの体内にはかなりの量の放射性物質が存在しています。これら自然環境からの被曝を「自然被曝」と呼びます。

 日本の自然放射線は、国際的に見ると少ない方で、世界平均の年間約2・4ミリシーベルトに滝して、日本は1・5ミリシーベルト程度です。これはウラン鉱石などの資源が少ないためですが、同じ日本国内でも地域差があります。西日本は東日本より自然被曝が多い傾向があります。放射性物質を多く含む花崗岩などが多く、大地からの被曝が増えるのです。しかし、西日本で、がん患者が多いというデータはありません。

 ウラン鉱石などの資源が多い米国では、自然被曝は年間3ミリシーベルトと、日本の倍です。上空では、宇宙線を「遮蔽( シャヘイ)」する空気が薄くなり、成田からニューヨークを航空機で往復すると、0・2ミリシーベルトの被曝になります。7往復すれば日本国内の年間被曝に達しますが、米国駐在の商社マンに、がんが多いわけではありません。

 世界には、もっと自然放射線が高い場所があります。イランのラムサールというラジウム温泉で有名な保養地では、年間の線量が最大で200ミリシーベルト以上にもなりますが、やはりがんの増加は認められていません。

 そもそも、日本人が(僕もですが。と中川教授)愛して止まない温泉は、自然放射線が高いのです。例えば、名湯として有名な有馬温泉(兵庫県)もラドンを含む「放射能泉」の一つです。

 わずかな放射線を徐々に浴びる場合、身体への影響はほとんどないと多くの専門家が考えています。「1ミリシーベルトを超えると被曝はすべて危険だ」という人もいますが、科学的な根拠はありません。実際、平均的な日本人は年間5ミリシーベルトを超える被曝をしています。自然被曝に加え、「医療被曝」もあるからです。次回はこの点をお話しします。

《次回予定の医療被曝の稿は割愛しますが、興味のある人は是非目を通して下さい。》

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