依存症?
毎日新聞(11/29)から、
専門編集委員“牧太郎の大きな声では言えないが・・・”より
《担当の紙面スペースを埋めなければ、と書いたような内容だ。日頃、頭の片隅にある言葉「依存症」を取り上げている。シンドロームと同じように、病名が明確ではないがひとまず病気らしいものとして一纏めにして「症候群」としたように、「依存症」もまたひとかどの病気らしい仲間入りをしているようだ。
身体が痛いわけでもない。血圧が高いわけでもない。でも、仲間うちから「あいつ、ビョウキだ!」と言われるのは‥‥‥多分、○○依存症だからだろう。何かに夢中になって、気がつくと“深み”にハマっている。
お医者さんが「WHO(世界保健機関)の専門部会が提唱した概念でして、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返しするうちに、その刺激が抑えられなくなって‥‥‥」と説明するまでもない。「深みにハマる」のは、古今東西、立派な病気だ。
症状は簡単だ。例えばパチンコ依存症。パチンコが日常生活に組み込まれる。食事代をパチンコのために削る。借金でパチンコをする。
ネタがなくなると?テレビや雑誌が「パチンコ依存症の根絶」を特集する。専門家?が「パチ依存が増えるのは、いつでもできる、どこでもできる、気軽にできる、考えなくてもできる‥‥‥からです」なんて、どうでもよい講釈をする。「出玉率があります。延々と稼働させた際の払い出す比率をマイナス5%に設定すると、短期的な浮き沈みはありますが、最終的には“機械の確率”どおり、客は5%負けます。
何のことか、当方には皆目、分からないが、要するにパチンコ屋が儲かり、客は損をする仕組み?なのだろう。でも、パチンコ依存症の皆さんは、そんなことは百も承知、二百もガッテン。分かっちゃいるけど止められない‥‥‥のがギャンブル依存症だ。「神様はサイコロを振らない」とアインシュタインは言ったけど、人間はサイコロを振る。
《パチンコに限らない依存症はそこらじゅうに散らばっている。競馬に競輪、宝くじ、サッカーくじ、携帯電話にメール、ラーメン、日本人の好きな「みんながみんなが」するから、食べるから‥‥‥などなどの付和雷同。》
依存症をバカにするあなたも多分、○○依存症だと思う。例えば、喫煙依存症は日本では1800万人(厚生労働省の1999年調査)。これだけで、日本人の7人に1人が依存症だ。
まだまだ、ある。薬物・アルコール依存症、セックス、通販、占い、宗教、ネット‥‥‥依存する対象は無数にある。ステージのフットライトに依存する年老いたヌードダンサーもいれば、決まった時間に出社して、決まった時間に退社する会社依存症?だってある。
依存症は「否認の病」とも言われる。「自分は何にも依存していない」と否認するあなたこそ、ひょっとして‥‥‥。カジノで数十億円も損した製紙会社の御曹司を嗤っていられない。なにせ、人間は「依存の動物」なんだから。
《私も長い間依存していた乗用車から、明日、廃車手続きが完了し、12月からは我が妻ともども弱くなったが脚力に依存していくことになる。》
| 固定リンク
最近のコメント