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2011年11月21日 (月)

老化は視力から

 毎日新聞(11/20)「『真健康論』札幌医科大教授・當瀬規嗣 」から、
 人の身体で一番先に老化が始まるものは何かご存知でしょうか。それは視力と言われています。俗に老眼と呼ばれるもので、医学的には老視と呼びます。

《あくまでも一般論なんだろう。私が視力に不自由を自覚したのは70歳を疾っくに過ぎてからだ。それまではその年になっても、裸眼で字引のルビまでしっかりと読めていた。活字好きの身には有難い老化の表れ方であった。近眼だったせいで車の運転時だけは眼鏡を必要としたが、日常生活では眼鏡は却って邪魔になることの方が多かった。その視力に衰えを感じたのは70歳も中頃を過ぎてからだった。まずルビを読むのにルーペが必要になり、徐々に不便を感じるようになって78歳で読書用に至近距離でルビまで読めるレンズの眼鏡をこしらえた。加えて20年前の網膜剥離術後の左眼に急激に白内障の徴候が現れ、左視界がぼんやりとしてきた。操作には自信のあった車の運転も、事故を発生させてからでは取り返しのつかないことになると、今月30日で廃車を決め手続きを始めた。》

 老視は40代後半には明らかになって、特に近くのものや細かい文字が見づらくなって自覚されます。遠くのものや近くのものを見るとき、目のピントを合わせる作用を調節と呼びます。調節を行うには、目の中にある水晶体と呼ばれるレンズの厚さを変化させます。ですから、水晶体は弾力に富んでいて、自在に厚くなったり、薄くなったりするのです。

 しかし、この水晶体の弾力性は年齢とともに失われ、硬くなり調節が行いにくくなります。こうして、遠くのものにも、近くのものにもピントが合わなくなり、ある一定の範囲でしか、ハッキリとものを見られなくなるのです。これが老視のしくみです。

 実は、水晶体の弾力性の低下は、すでに20代で始まっていると考えられています。ただし、若いころにピントが合わなくなるのは、極端に目に近い範囲なので、普段の生活で自覚されることはありません。その後、徐々に進行して、日常使われる範囲でピントが合わなくなるのが40代なので、この頃に老視を自覚し始めるのです。40代や50代の読者の方々で、最近、新聞が読みづらくなったと、ひそかにお悩みの方、多いのではないでしょうか。

 目の老化現象は誰にでも訪れます。無理をせず眼鏡を作られることをお勧めします。もちろん、病院や眼鏡店できちんと視力検査を受けて作ることが原則です。出来合いの老眼鏡はいけません。

《私は参考にならないが妻の例では、老化の速度は以外に早く、作った眼鏡の使用期間は結構短いものだ。出来合いを幾度もつなぎに使用して、ある程度進行が落ち着いたところで、専門店で測定をして作るようにする方が無駄遣いにならないで済むだろう。老眼への進行スピードに個人差があり、どんどん変化することもあり、若い時の視力検査の値がが大きく変化しないのに比べれば、進行スピードの速い老眼のそれは、その都度専門店で作っていては店は儲かるだろうが、眼鏡を使用する側には費用がかかりすぎる。》

 作ってみると、眼がとても楽になることに驚かれると思います。「かっこ悪い」とか「年寄りくさい」とか言って、老眼鏡を敬遠していると、眼に負担がかかって、それが肩こりや血圧の上昇につながることがあります。また、文字を読むのが億劫になって、仕事の効率が落ちることも考えられます。読書をしなくなって見聞を広めるチャンスを失うかもしれません。文字や書物で文明を作った人間は、目が頼りの動物です。年を取った自分の目を労ることが、働き盛り世代の健康維持の第一歩であると考えています。

《いくらアンチエージングと称して若作りしても、1年経てば1歳加齢する。目はどんどん老境に近づいている、体毛も白くなる。思い切って老眼鏡を使ってみよう。》

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