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2011年9月 3日 (土)

里子虐待死

 毎日新聞(9/2)から、
 《預かった子どもに手をやいて、「いろんなものが見えなくなっていく・・・」とやがて虐待を惹き起こすことを予感させるような言い訳文をしたためた記事に、メディアは『育てる悩みブログに』と里親の同情記事を書く気になったようだ。しかし現在、大多数の母親たちは同じような思いを抱きながらも苦労しながら子を育てている。中には、今回の事件になったような、子を虐待死させる親もいてしばしば紙面を賑わすこともあるのだが。》

 東京都杉並区で昨年8月、里子の渡辺みゆき(当時3歳)を死なせたとして、傷害致死容疑で警視庁に逮捕された声優、鈴池静容疑者(43)は、里子を育てる悩みをブログに綴っていた。だが、日常的な虐待の形跡まではなく、周囲は事件を防げなかった。専門家は「他にも悩む里親は多い」と里子との関係を築くことの難しさを指摘し、里親を支える仕組みの必要性を訴えている。

【里親制度】
 児童福祉法に基づき都道府県などが、家庭で暮らせない子の養育を里親に委託する制度。09年度末時点で2837家庭が3836人の里子を養育している。
 ①養子縁組みを目的とせず養育する養育里親
 ②虐待など専門的ケアが必要な子について
   養子縁組みを目的とせず養育する専門養育里親
 ③養子縁組みが目的の養子縁組み里親
 ④3親等以内の親族が引き取る親族制度
の四つがあり、大半が①。
 里親になるには実習や座学の事前研修が義務づけられている。里子が1人の場合、里親には毎月生活費約4万8000円と手当7万2000円、教育費が支給される。

 鈴池容疑者が東京都の里親制度に登録したのは07年11月。「子育てが一段落したので社会貢献したい」と語っていたという。鈴池容疑者は「遊魚静(ゆなしずか)」の声優名で活動する一方、劇団を主宰し、イベント企画会社も経営。近所の女性は「明るくて元気なお母さん。忙しそうだったが、あの人ならできると思っていた」と話す。

 事件の約2カ月前、ブログに「施設に帰そうと悩むことおM、今のところまだ一度もない。今日も可愛い声で『まま、おかえりなさい』と迎えてくれた」と記した。しかし、その半月後には悩みも打ち明けていた。「なんだか里子と向き合っていると、いろんなものが見えなくなっていく。これが、ダークサイドなのか?」。児童相談所にも「食事やトイレが遅い」と相談したが、「時間をかけてほしい」と言われたという。

 そして昨年8月23日夜。自宅で里子を殴り、死なせたとされる。遺体には顔や頭、全身にあざがあり、涙の痕があったという。保育園ではこの日、プールの時間があったが、保育士は「不審なあざはなかった」と証言。警視庁捜査一課は夕食後、衝動的に激しい暴行を加えたとみている。8月20日に逮捕された容疑者は「階段から落ちたと思う」と容疑を否認しているという。

 《里親制度についての概要は上の通りだが、里親になるには幾つか基本要件があって、形式的な里親側の資格の定めがあり、実習や座学の一通りの研修は行なわれているが、里親になる人に必要な人格、情操などの心理面での審査はないに等しい。》
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   <東京都福祉保健局>   
養育家庭(ほっとファミリー)
里親申込者の基本要件
(1) 心身ともに健全であること。(注釈1)
(2) 児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること。
(3) 児童の養育に関し、虐待等の問題がないと認められること。
(4) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)その他関係法令等が適用になること。
(5) 申込者又は同居家族が、次の各号のいずれかに該当していないこと。
 ア 成年被後見人又は被保佐人
 イ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者。
 ウ 児童福祉法及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者。
 エ 児童虐待の防止等に関する法律第二条に規定する児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行をした者。
(6) 世帯の収入額が生活保護基準を原則として上回っていること。(注釈2)
(7) 委託児童との養子縁組を目的としないものであること。
【注釈1】「心身ともに健全であること」とは、児童の養育に必要な「健全」さであり、障害や疾病を有していても、児童の養育に差し支えがなければ、この要件を満たす。

【注釈2】生活保護基準を下回っても、別紙様式により、経済的に困窮していないことが確認された場合には、この基準を満たすものとして取り扱う。

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 元児童相談所所長の津崎哲郎・花園大特任教授(自動福祉論)は「里子はまた見捨てられないかという警戒心から、最初は『見せかけの良い子』として振る舞うが、しばらくすると際限なく駄々をこねねる『試し行動』を取ることがある」と話す。赤ちゃん返りのような「退行」も見られ、里親を困らせるケースもあるという。

 厚生労働省や全国児童相談所所長会によると、里子の3割に虐待を受けた経験がある。一方で、里親を支援する児童相談所には里親担当の専従職員がいない自治体が多く、直ちに増員は望みにくい。

 津崎教授は里親同士の横のつながりを強化するため、「悩みを語り、支え合う体制を充実させるべきだ」と提案する。全国里親会の清水事務局長は「里親同士で交流会を開いてきたが、経験の浅い里親は悩みを打ち明けにくい。ベテランの里親が家庭訪問するなど交流しやすい雰囲気を作りたい」と話している。

《里親同士の横のつながりや、里親同士の交流会もいいが、それ以前の問題として、申し出があったから、そして各要件をみたしたから、と簡単な研修程度で委託することに問題がある。現行の審査とも呼べない程度では里親(母親)に値するかどうかは見極められないだろう。肉親の親子関係ではないことを乗り越えて肉親同様に結べる関係には、(1)の里親は「心身ともに健全であること」や、(2)の「熱意」「豊かな愛情」のような文学的表現が尺度では、具体的な人間性までは理解できないまま、問題を内包しての委託になるのだ。》

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