国が対策に力を入れる病気
毎日新聞(9/22)から、
国が対策に力を入れる病気が「4疾患」から「5疾患」に増えたようだが、一体何のことだろうか。厚生労働省は患者数が多くて死亡率の高い、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病を「4疾患」に指定していたが、7月に新たに精神疾患を加え「5疾患」とすることを決めた。指定疾病に対して重点的に医療体制を整えるのを目的とした医療法上の制度だ。
Q 精神疾患って?
A 鬱病などの気分障害の他、認知症や統合失調症などを総称したものだ。厚労省の調査(08年)によると患者数は約323万人で、がん患者(152万人)の約2倍、4疾病でもっとも患者数が多い糖尿病(237万人)よりも遥かに多い。精神疾患の中でも鬱病などの気分障害の患者は104万人と、96年の2・5倍近くに増えた。アルツハイマー型の認知症は24万人で96年の12倍だ。医療技術の発達で診断しやすくなったことや、症状が知られ、受診する人が増えたことも増加の原因とされている。
A 09年に精神疾患で死亡した人は1万1000人だったが、13年連続で3万人を超えている自殺者の約約9割は何らかの精神疾患にかかっていた可能性があるとされている。そうであれば死亡者数は4万人に近い計算で、糖尿病の1万4000人を大幅に上回っていることになる。鬱病は発見が遅れて症状が悪化する例もあり、職場のメンタルヘルス対策などが急がれる。高齢化に伴う認知賞対策も急務だ。
Q 指定されたら何か変わるのか
A 都道府県が5年に1度見直す医療計画に、対策を盛り込むことが義務づけられる。疾病ごとに地域内の医療機関の役割分担などを決めて連携を強化したり、必要な病床数、がんなら健診率の数値目標などを定めたりする。次は多くの自治体が13年度に改定する。
Q 精神疾患にも、同じような計画が作られるのか
A 特に精神疾患では、精神科以外で診断された患者を精神科につなぐことなど、医療機関の連携が求められるケースが増えている。また、認知症患者には他の病気にもかかっている人が多いことや、在宅での暮らしをどう支えるかといった視点も必要だ。医療計画には、こうした課題に取り組む体制も盛り込まれる見通しだ。
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