男性向けサービスが広がっている
毎日新聞(8/31)から、要約と《私見》
《女性化し、草食化する男性に向け「レディーズデー」の向こうを張った「メンズデー」が好評のようだ。昔の男たちが、「女どもと一緒にするな!」と一喝する声が聞こえそうな内容だが、名目は「男への『不公平』解消」だという。不公平感をなくするのなら、レディーズデーなどというサービスを一切合切すべてなくする方が余程公平だと思うのだが、甘えることに慣れてしまった女性から、既得権のようになったものを取り上げることは最早不可能とみての対策となって、妬み心の男たちへのお裾分けのようになったものと思われる。》
映画館やレストラン、美容サロンなどで女性客に特典がつく「レディースデー」に対し、最近は男性客を優遇する「メンズデー」を設ける店舗が増えている。「女子会」ならぬ「男子会」プランを提供する飲食店もある。消費の分野では脇役扱いされてきた男性向けさービスが広がる背景とは・・・・。
東京・銀座のポルトガル料理店「ヴィラモウラ銀座本店」で男性(34)会社員ら4人組がビールを飲んでいた。今月から月曜が「メンズデー」となり、男性客は生ビール(680円)1杯が無料。メンバーの1人(45)は「電車の女性専用車輛など、世の中は女性向けばかりで不公平。今日はラッキー」と笑顔だった。デザートには男性客にだけプリンも出る。冨島店長(35)は「女子会プランはあったが、男性客のサービスがなかったので、夏を機にビール提供を始めた。映画館でも女性だけ1000円の日があり、メンズデーがないのはおかしいと思っていた」と話す。
水戸市のカフェ&レストラン「ラミ・デュ・アクシーヌ」は5月から、月曜をメンズデーにした。ランチのライス、パスタが大盛り無料で、スープ(200円)も無料。店は女性客が9割以上を占め、男性客の掘り起こしが狙いだ。
フロア責任者(27)は「スペアリブなどボリュームのあるメニューを注文するので客単価が上がる。リピーターになってもらえれば、ディナーの集客にもつながる」。導入後、男性の来店が徐々に増えているという。
一方、中華「重慶茶楼本店」(横浜市中区)や居酒屋「高田馬場応援団」(東京都新宿区)などはコース料理と飲み放題付きで「男子会プラン」を設け、揚げ物など男性向けのメニューを揃える。
こうした動きについて、中央大学文学部の山田教授(社会学)は「今の若い世代は雇用が不安定。不況で小遣いが減ったサラリーマンも多く、男の沽券にこだわらず、割引サービスへの志向が高まっているのでは」と分析する。
《何でも「不況」が引き合いに出されて同情的に判断するのが今風の分析だ。市場の8割が女性を対象にしたシナモノで埋められているところに、女性に比べて絶対的にパイの小さい男性群を対象にした、「損して得取れ」の商売が期待通りに成功するかどうか見ものだ。》
カラオケチェーン「シダックス」は木曜をメンズでーにした。携帯電話で登録した「ケータイ会員」が対象で、ルーム料金が2時間無料。男性のケータイ会員は20万人増えたが、広報は「デディースデーに比べれば利用は少ない」と言う。
タイマッサージ「ヒーリングスペース・オアシス」(東京都杉並区)は、レディースデー(水曜)が利用料20%引きに対し、メンズデー(金曜)は10%引きと差をつけている。店長(35)は「差をつけた方が女性客に納得してもらえる。女性の方が割引サービスにシビア」とみる。
男女の心理の性差に詳しいコラムニストの織田隼人(34)は「女性は『お得』に反応しやすいが、男性は本来、自分がしたいことをするもの。ところが近年は、女性が元気なのに比べ、男性は仕事でも消費者としても不遇で、幸福感が減っている。メンズデーの広がりは、企業や店舗が男性の不備を解消しようという模索の表れでしょう」と語る。
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