東北の高速無料化「来月終了」も
毎日新聞(7/30)から、
大畠国土交通相は29日の閣議後の経験で、中大型車対象の東北地方の高速道路無料化に便乗して、東北地方が発着点でないのに無料利用するケースが多発していることについて「こういう事態が津ずくなら8月末で制度を終えることを検討せざるを得ない」と発言。事態の改善が見られない場合、制度の打ち切りを検討していることを明らかにした。
トラックなど中大型車の無料化の実施機関は当面8月末までとされている。国交省は11年度第3次補正予算で財源を確保して、無料化の対象を今秋以降、小型車を含む全車種に拡大する方針で、大畠国交相はそれまでの間、中大型車の無料化を延長する意向を示していた。
国交相は会見で、業界団体の全日本トラック協会に対して今月22日、指導を徹底することを文書で要請し、茨城県警とも検討会を開いて改善策を協議している。しかし、違法行為とは言えないため、抜本的な対策は打ち検討出せていない。
無料対象区間内での乗り降りが制度適用の条件だが、高速料金を浮かせるため区間内のインターチェンジ(IC)でいったん降り、再度同じICから目的地に戻るトラックが後を絶たない。IC付近ではトラックが生活道路を走り、安全面の問題も浮上。国土交通省は制度の打ち切りも検討している。
国交相によると、6月20日に始まった無料化の対象は、被災者のほか、復興物資などを運ぶ中型以上のトラック,バスに限定されている。発着点のどちらかが無料化対象区間内であれば、つなげて走る対象区間外の走行分(料金体系の異なる首都高速など一部除く)の料金も徴収されない。
常磐自動車道・水戸ICでは、全国各地のナンバーをつけたトラックが列をつくる。「室蘭」「足立」「和泉」「福岡」など。東日本高速道路(NEXCO東日本)水戸管理事務所によると、水戸ICを乗降するトラックの通行量は1日平均1900台だったが、無料化後は7800台と4倍増になった。多くは復興とは無関係な車輛とみられ、ICを降りた後、Uターンのためすぐにまた高速に乗る。
岡山県笠岡市から東京都内に荷物を運ぶという運送会社の男性(58)は「一度水戸まで行って戻るのが会社の指示。時間はかかるが、通行量を考えると仕方ない」。相模原市からきた男性運転手(66)も「目的地は名古屋。やめろといわれても、無料化がなくならない限りやめられない」と話す。
こうしたトラックの迂回路に使われるのは、住宅街の中の生活道路だ。水戸市大塚町の主婦(78)は「小学校が近く、子どもがよく歩いている道。事故が起きなければいいが」と心配そうな表情を見せた。
《新聞は見出しに「悪用トラック横行」と書いているのだが、こんなことは計画の段階で分かっていたことだろう。国交省もこういう類いの行為が違法ではないことも知った上で実施した。被災者が困り果てているとき、近県では買い漁り、買い占めに走り回るのが今の日本人だ。何事も隙あらば、と狙っているのだ。多少のリスクは最初から当然考えていたのだろうが、これほどまで、と思っての打ち切りの検討だろう。それが昔からのお役人特有の『どんぶり勘定』だったのだ。不景気に喘いでいる日本列島だ、制度を悪用することで少しでも利益が出たり、倒産しないで済む零細業種があるのなら、そのリスクは杜撰であったどんぶり勘定の中で吸収すればいい。》
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