高齢社会白書(平成23年版)
毎日新聞(6/7)から、
政府は7日の閣議で2011年版「高齢社会白書」を決定した。
昨年10月1日現在のわが国の人口1億2806人に対し、65歳以上の人口は2958万人。総人口に占める割合を示す高齢化率は23・1%で、前年比0・4ポイント増加した。このうち75歳以上の後期高齢者は1430万人で同0・4ポイント上昇して11・2%になり、いずれも過去最高を更新した。
白書では今回の東日本大震災による高齢者への被害状況にも言及した。岩手、宮城、福島の3県で大震災発生の日から4月11日までの1カ月間で年齢が確認できた死者1万1108人のうち、60歳以上の高齢者が7241人と、全体の65・2%を占めた。
高齢者増加に伴って、身寄りのない高齢者が社会問題になっている。昨年は公営団地での孤独死した人が1191人、実の息子や娘の高齢の親の虐待が取り上げられた。また、住民基本台帳などに記載されていながら所在がわからない高齢者の問題もクローズアップされたが、それでも白書は「日本の高齢者は血縁中心に人間関係を構築しており、近所や友人との関係が希薄」と分析している。
高齢者の社会的なつながりを国際比較した結果、日本は血縁以外に頼れる近所の人や友人がいる割合が最も少なく、国際的にみて社会的孤立が進んでいる実態が明らかになった。
内閣府は、日本と米国、ドイツ、スウェーデン、韓国の60歳以上の人を対象に意識調査した。困った時に同居の家族以外で頼れる人を複数回答で尋ねたところ、日本で「友人」を挙げたのが17・2%、「近所の人」は18・5%で、5カ国中最低だった。逆に「いない」との回答は20・3%で最も多かった。最も少なかったのはドイツで5・4%。
「家族以外の人で相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人」の有無を聞いたところ。「いない」と答えた人の割合は、日本は26・2%と韓国につ次いで高い。また、そのような友人がいる場合でも、アメリカ、ドイツ、スウェーデンと比較して、「同性の友人」だけがいると答えた人の割合(53・2%)と高く、「同性と異性両方の友人がいる」割合(19・5%)は低くなっている。
世帯構成は、日本は他の4カ国より単身世帯の割合が低く、同居の家族がいる世帯の割合が高くなっており、困ったときに頼るのは、同居の家族以外では友人や近所の人より別居の家族・親族であることから、日本の高齢者は家族・親族とう血縁関係を中心に人間関係を構築しており、近所の人や友人との関係がやや希薄である様子がうかがえる、としている。
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