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2011年6月15日 (水)

止まらぬ少子化

 毎日新聞(6/15)から、要約と《 》内は私見。
 2010年、一人の女性が生涯に産む子ども数に相当する合計特殊出生率は、前年比0・02ポイント増の1・39だった。出生率は05年の1・26を底に、上昇傾向にはある。それでも現在の人口を維持するのに必要な2・07には遠く、今のペースでは少子化傾向に歯止めを掛けるのは難しそうだ。

 合計特殊出生率は,世界保健機関(WHO)が「出生可能年齢」とする15〜49歳の女性の出生動向を見るもので、日本は長期減少傾向にある。敗戦直後の47年は4・54だったが、第2次ベビーブーム(1971〜74年)後の75年以降はずっと2・00を下回り、全体の出生数も減り続けている。

《男性は戦争に出て、女性は男性のいない銃後(男が戦争で留守の国内をそう呼んだ)をそれぞれ性から遠ざけられ、敗戦を機に戦地から生きて戻ってきた男と女が出会えば、夫婦生活も戻り、出会いもある。爆発的なベビーブームが起きるのは当然のことだった。このような特殊事情のあった数年のデータで出生率が高かった、を言うのは参考にはならない。》

 同出生率を算出するには、例えば30歳の人が10年に何人子どもを産んだかを調べ、30歳の女性人口数で割れば、30歳の出生率が出る。14歳以下の女性が産んだ子どもは「15歳」女性の出産とみなし、50歳以上の女性が産んだ子どもは「49歳」女性の出産とする。

 10年は25〜29歳の出生率が0・4352、30〜34歳は0・4847。これら15〜49歳の年齢別出生率をすべて足し上げたものが合計特殊出生率だ。詳しくは「期間合計特殊出生率」と言う。

 「期間」とは別に、同一年生まれ(コーホート)女性の各年齢(15〜49歳)の出生率を過去から積み上げる「コーホート合計特殊出生率」もある。「期間」は「その年」の動向を表すのに対し、「コーホート」は「その世代」の傾向を示す。「15〜49歳」という年齢層のデータであるため、「特殊」という言葉がつく。

 少子化の原因として、晩婚化と、それに伴う晩産化が指摘されている。妻の平均初婚年齢は90年の25・9歳から10年の28・8歳へ、第一子出生時の母の平均年齢も27・0歳から29・9歳へと、いずれもこの20年間で約3歳上昇している。

 90年、出産の中心は20歳代が担っていたが、10年は30歳代に移っている。年齢が高くなれば出産の機会が少なくなるから、晩産化が進めば一人の女性が産む子どもの数は減る。近年の出生率の上昇傾向は、晩産化が定着し、一人目の出産を先送りしてきた30歳代のデータが反映され始めたことが一因だが、夫婦2人で2人以上の子を持たないと少子化傾向は覆らない。

 未婚化も少子化の要員といえる。生涯未婚率は、90年には男性5・6%、女性4・3%だったが、05年には男性16%、女性7・3%に増加している。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、20年には男性26・0%、女性17・4%に達する。

 さらに「母親」の数も減っている。10年の15〜19歳の女性人口は2649万人で、前年より3万9000人減少している。90年は3145万人だから、20年間で約15%、496万人も減少している。10年後にはさらに180万人以上、20年後には600万人近く減ると推計されている。10年に約107万人だった出生数も20年後には70万人を割り込む見通しだ。1人当たりの出生率が少々増えたぐらいでは、総出生数は伸びないのだ。

 05年、日本は死亡数が出生数を上回る「人口減少社会」に突入した。第2次ベビーブームに生まれた「段階ジュニア」が40歳代になるまでの間が出生数や出生率回復の最大のチャンスと言われてきたが、団塊ジュニアは今年、40歳にさしかかる。

          【参考資料】
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《どこかで具体的な歯止めが掛けられないと、いよいよ日本という国がなくなるか、どこかの国の植民地か属州にでもなりそうな気配だ。参照:2020年 1人暮し世帯(単独世帯)が34・4%に 09/12、「子どもは減っていくのだろうか? 10/01》

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