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2011年6月 4日 (土)

「君が代起立」条例成立(大阪府議会)

 毎日新聞は5月30日、最高裁判決で東京都の公立学校行事の君が代斉唱時に起立を命じた校長の職務命令は、「思想・良心の自由」を保障した憲法19条に違反しないと、最高裁が初めての判断を示したことを報じたが、一方、人権制約という負の側面にも明確に言及している。結論は4人の裁判官全員一致の意見だが、補足意見で「教育は強制ではなく、自由闊達に行なわれることが望ましい」などと指摘した裁判官もおり、教育現場における過度の「強制」やペナルティーを牽制したともいえる。

 別に、大阪府では国歌斉唱時には、公立学校教職員に起立することを義務づける条例案を府議会に提出していた。参照:「君が代起立」条例案(大阪府議会)11/05

 毎日新聞(6/4)から、
 大阪府内の公立学校教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例が3日、府議会本会議で成立した。橋下知事が率いる首長政党「大阪維新の会」府議団が提出。公明、自民、民主、共産は反対したが、過半数を占める維新や、みんなの党などによる賛成多数で可決された。橋下知事は、不起立を繰り返す教職員の懲戒免職を盛り込んだ処分基準を定める条例案を9月府議会に提出する方針を示している。

《アメリカ大リーグを初めスポーツの開催時などで、国歌吹奏時には選手をはじめ観客の殆どが起立し、胸には脱いだ帽子を捧げて軽く口ずさみ、楽曲の終了を待つ姿をしばしば目にする。自国の民衆だけに限らない。日本から加わっている選手たちも他国の国歌に対する敬意から、歌わなくても同様に起立はしている。ただ、起立は強制でも義務でもないから勿論、腰掛けたままの観客がたくさんいるのも見える。これは公式の場ではないからだろうが、議会や学校教育の場ではどのようになっているのだろうか。》

 条例は「我が国の郷土を愛する意識の高揚」などを目的に掲げ、府立と政令市を含む市町村立の小中高校、特別支援学校の教職員を対象としている。「学校の行事において行なわれる国歌の斉唱にあっては起立により斉唱を行なうものとする」と明記し、府施設での国旗の常時掲揚も義務づけた。罰則規定はない。

 討論で、維新は「模範となるべき教職員が繰り返し職務命令違反する行為が子どもに与える影響は計り知れない」と必要性を強調。これに対し、公明は「条例よりも職務命令など管理監督を徹底すればすむ」、自民、民主も「条例化の必要はない」などと反論した。自民が提出した国旗の常時掲揚だけを義務づける条例案は否決された。

《国旗、国歌が戦争と直接結びつき、家族にその戦死傷者がいる我々世代には、君が代も日章旗も歌いたくないし、見たくないが、君が代が「大相撲の歌」との認識しかない時代に育った世代には、それが国歌と定められた段階から長い年月を経れば、自然に尊敬の念や敬愛の心も育ってくるのではないだろうか。それを個人の思想や信条で、子どもたちの前で命令違反の姿を見せることは子どもたちに思想の一面だけを見せることになり、教育者としては取るべき立場ではないだろう。だからといって、最高裁でも付言しているように、過度に義務づけることもまた行き過ぎたことになる。》

 解説では触れているが、国会でも自民党政権時代にしばしば見せつけられた数の暴力、数の論理が支配した模様だ。条例案が議長に提出されたのは5月25日だが、同日未明に所属議員全員に内容が知らされ、提出前の約2時間、非公開の協議をしただけという。「反対意見はなかった」というが、維新内でさえ十分に議論された形跡はない。他会派も継続審議を求めたが、維新は教育常任委員会の審議を1日で打ち切り、議論は深まらなかった。
 

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