デジタル読解力
毎日新聞(6/29)から、
経済協力開発機構(OECD)は28日、09年度に世界の15歳の生徒を対象に実施した学習到達度調査(PISA)のうち、インターネットを使ってブログ(日記)を読み解いたり、ウェブページを建策するなどの「デジタル読解力」の結果を発表した。希望して参加した19カ国・地域中、日本は4位、トップは韓国だった。文部科学省は「日本は国際的に高い水準にある」と分析しているが、「コンピューターを使った授業などはほとんど実施されておらず、今後の課題も浮き彫りになった。
《後に見るように、文科省のいう「国際的に高い水準」などというような甘い認識でいい状況ではない。》
調査は約3万7000人を対象に実施し、日本は109校約3400人が参加した。米国や英国などは不参加だった。PISAは00年から3年ごとに読解力、数学的活用力、科学的活用力を調査しており、「デジタル読解力」は昨年12月に公表された読解力調査(65カ国・地域の約47万人が参加、日本は8位)と同時に初めて実施された。
平均得点は韓国の568点がトップで、ともに537点(小数点以下で順位決定)だった2位のニュージーランド(NZ)、3位のオーストラリアに大差をつけた。4位の日本は519点で、OECD平均を約20点上回った。日本は得点の上位層と下位層が少なく中位層に固まる特徴があった。
《順位づけを避けた日本の教育の特徴が如実に現れたようだ。皮肉にいえば「みんなといっしょ」が徹底している。》
同時に実施したアンケートでは、国語、数学、理科の授業でコンピューターを使っている生徒の割合は、日本が1〜2%、全科目でOECD平均の16〜26%を大きく下回り、調査とアンケート両方に参加した17カ国・地域で最低だった。
東京都立上野高校(台東区、岡田校長)では1年生で、コンピューターを基本から学ぶ「情報」の授業がある。生徒は授業の資料を専用ホームページからダウンロードして予習・復習し、試験範囲の掲示物を携帯電話のカメラで撮影して持ち帰るなど、デジタルツールに精通する。担当する能城教諭(37)は「今回の結果は励みになる。小学校から高校までの取り組みで底上げできたことと、子どもたちが携帯電話などのツールを使いこなしていることも結果に結びついたのではないか」と話す。
子どもたちが順応力を見せる一方、課題も浮き彫りになった。情報教育に詳しい藤川・千葉大学教授(教育方法学)は、今回の結果について「諸外国に比べて日本のデジタル情報教育の遅れが顕著なことが、国際調査で初めて明らかになった」という。
特に、国語・素学・理科の授業でコンピューターを使う生徒の割合が、OECD平均の10分の1に満たなかった。「パソコンはあくまで『道具』。教科の枠にとらわれない取り組みが急務だ」と藤川は指摘する。
一方、トップの韓国。有識者はその理由として、韓国政府のデジタル化の推進と、子どもたちが幼少時から高速ネットに親しんできた「デジタリネーティブ」的な要素が相互作用した、とみる。
各国の情報教育事情に詳しい白鴎大学教育学部長の赤堀教授(教育工学)によると、韓国は教育のデジタル化に関するマスタープランで、06年以降、デジタル教科書の取り組みを加速させてきた。さらに、家庭教師や塾の費用が負担できない家庭の子どもでも厳しい受験社会で闘えるよう、平等性の観点から、ネットを使って無料で教師に質問できるシステムも導入した。赤堀は「デジタル技術による教育の自由化は世界の流れで、日本でも取り組みを加速させる必要がある」と話している。
《15歳は中3か高1、デジタルといえば日本では携帯が花盛りの世代だ。ゲームやメールでの仲間づくりから抜け出せない段階だ。5年前のブログの記事だが、多すぎる大学 06/06 大学生でもこの体たらくだ。文科省も「国際的に高い水準」などと情けないコメントを出さないでほしいものだ。》
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