ゼラニユーム
毎日新聞(5/20)から、
政府は20日午後、国際結婚が破綻した夫婦間の16歳未満の子どもの扱いを定めたハーグ条約に加盟する方針を閣議了解した。菅直人首相が26,27日にフランスで開かれる主要8カ国(G8)首脳会議で加盟方針を説明する。配偶者への暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)や児童虐待が疑われるケースでは返還を拒否できる規定を法案に盛り込むことも決めた。
《言葉の違い、文化の違い、価値観の違いなどから、家族の問題、習慣の違い、宗教問題、金銭問題、異性問題などで国際結婚が破綻するケースが年々増加している。国際結婚夫婦の離婚率は、2003年には42%(夫が外国人の場合39%、妻が外国人の場合43%)となっていて現在なお増加傾向にある。日本の報道では、DVが大きく取り上げられているが、離婚の原因は国内の日本人夫婦の離婚と同じく、性の問題が最も大きいようだ。最も多い浮気から、性生活の減少、性の不一致など、トップスリーに根本的にはその背景に「価値観の違い」という問題を抱えているとみていい。しかし、DVにしろ浮気にしろ、いずれにしても外国で裁判離婚が成立し、子どもの親権が取れても、子どもを連れて日本に帰国することが認められない場合があるのだ。海外では子どもはその滞在国に住むべきだ、という考え方が主流になっているからだ。そのため、子どもと一緒に生活を続けるためには、離婚後も外国での生活をせざるを得なくなる。こんなことは結婚するにあたっては知っていて当然のことだろう。》
1月時点の条約加盟国は84カ国。G8では日本とロシアが未加盟で、欧米各国から早期加盟を求められていた。法務省は近く法制審議会(法相の諮問機関)に法整備を諮問し来年の通常国会への条約承認案と関連法案の提出を目指すが、政府内には年内の国会提出を求める意見もある。
【ハーグ条約】
<国際的な子の奪取の民事面に関する条約(1983年に発効)。離婚などによる国境を越えた移動自体が子の利益に反し、養育する監護権の手続きは異動前の国でおこなわれるべきだとの考えに基づき定められた国際協力のルール。子を連れ出された親が返還を申し立てた場合、相手方の国の政府は元の国に帰す協力をする。>
親からの返還申請を受け、子どもの所在調査や裁判所への返還申し立て手続きに当たる「中央当局」は、外務省に設置する。子どもが元の居住国に戻ることで身体的・精神的な害を受ける恐れがあると裁判所が認めれば、返還を拒否できる規定も法案に明記する。
《ただ、これまではDVにしても、日本人妻の一方的な訴えだけで、海の向こうの実際の生活は不明だ。前にも書いたが、女性からのDVの訴えは、痴漢と同じで絶対的な切り札なのだ。男性の肩を持つわけではないが、多くの不自由を乗り越えて一緒になって営んで来た家庭だ。妻の側にもトラブルの起因がなかったとは全く思わない。そうでなければ、ただ外国人との結婚に憧れていただけの衝動的なもので、こんな筈じゃなかったわ、となって最初から結末は見えていたようなものだ。》
条約は子どもの利益を最優先としており、離婚後も子が父母双方と面会、交流できる権利を保障している。ただ、日本の民法は、離婚後の親権を片方の親のみに認める「単独親権制度」を取っており。親権を持たない親と面会する権利は必ずしも保障されていない。そのため、市民団体などから、共同親権制度に改めるべきだとの声も出ているが、政府は「(共同親権は)条約加盟への必要条件ではない」として、民法改正は見送る。
また、加盟前の連れ去り行為は対象外となるため、中央当局で面会、交流の実現を斡旋することも検討する、としている。
これを受けて政府は、必要な国内法整備に着手することになる。外務省によると、外国から子どもを連れ去ったとして日本政府に寄せられた事例は今月現在で米英など4カ国で209件。条約に加盟していない現状では、連れ去った親は元の国に戻れば、誘拐罪などで訴追されるリスクを負うことになる。世界では年約1300件が条約に沿って処理されているといい、国際結婚の増加を背景に、国際ルールへの参加は時代の要請とも言えるだろう。
だが、日本人母が子を日本に連れ帰るケースが目立ち、中には子どもや母が父から虐待を受ける例も多いという。条約は、子どもを肉体的・精神的危険にさらす場合には返還を拒否できると定めるが、世界的には裁判所による返還拒否決定は20%。拒否決定は限定的だと言わざるをえない。
こうした事態から「条約加盟は子の利益につながらない」(ある法律家団体*)との声がある。
《*「ある法律家団体」って余りにも裏付けするには弱すぎるだろう。》
一方で、法務省幹部は「日本だけ例外規定を甘くすれば、国際世論の批判を浴びる」と懸念する。この間にも日米では、離婚後に日本に連れ帰られた子どもを取り戻そうとした米国人夫が日本の警察に逮捕され、逆に米国の裁判所で日本人の元妻に5億円弱の支払いを命じる判決を得た例も出ている。
今回の加盟方針は、米欧主要国からの「外圧」を受けて、菅首相がG8首脳会議の「手土産」として準備を急がせたとの指摘が政府内で出ている。早期の立法化と条約加盟を楽観する見方もあるが、法整備に当たっては親の切実な声にも耳を傾け、子の利益を真に追究するための十分な検討が必要だ。
《「早期」というが、この問題は早くから起きていることで、遅いくらいだ。子を連れ去って5億円せしめた女もいるが、反対に、ニュースでも報道されたが、連れ去られた子に遭いたくて果たせずに、自殺したフランス人父親もいるのだ。》
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