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2011年4月 1日 (金)

ミネラル狂騒

 大地震が起きてから3週間が経った。2011年は既に4分の1が終わった。行方不明はなお1万6441人もいる。東北は未だに厳寒の中にあって、今日現在17万人の避難所生活者の3割にも上る人が温かい食事を口にすることもできず、5割の人たちが暖房のない生活に耐えて日を過ごしている。

 それを知ってか知らずにか、世界中から賞賛されている被災にあった人たちの朴訥な東北人の粘り強さや我慢強さ、整然として秩序を守り、お互いを思いやる行動に反し、計画停電が行なわれているとはいいながら、首都圏では暖房が使え、入浴もでき、ぬくぬくと布団にくるまって睡眠が取れ、着替えにも不自由せず、好きな食事が好きなだけ食べられて生活している人間たちの、ミネラルの買い占めが止まらない。テレビでは奇麗ごとのように買い占めをやめよう,と呼び掛けている現状は、そんなことで終止符が打たれるような正常な精神状態にはない。

 水道水に関して最初の測定の数値が発表された時から、赤ちゃんに飲ませるミルクを溶くのにも、ミネラルがなければその水道水を使用しても何ら心配はない、と報じられたのに、過剰報道に煽られて刺激された過剰反応は、曠野に広がる野火のように辺りを焼き払って風評(報道)被害を捲き散らしながら、街なかからミネラルを一掃していった。私のように虚弱児で生まれながら、貧乏人の子沢山の家庭で育ち、井戸水と水道水とで凡そ80年を医者要らずで生きてきた人間にはミネラル水など不要のものだが、現在のミネラル騒動を見ては、驚きとそのバカさ加減に付和雷同の日本人の悲しいサガを見ているようだ。

【閑話休題】
 毎日新聞(4/1)から、要約と《 》内は私見。
 被災地こそ必要であるべきなのに、東京都が乳児の水道水摂取得を控えるように呼び掛けた(23日《同時に専門家からはミネラルがなければ水道水でも安全と宣言した》。24日には解除)後は被災地以外でもミネラルウォーターの需要が急増。飲料水メーカーは工場のフル稼働を目指すが、計画停電の追い打ちもあって「これ以上は無理」という悲鳴も聞かれる。《中略》

 「白州ヘルス飲料」(山梨県北杜市白州町)は、地下約100メートルから取水する。3月からは夏場に備え、通常の年でも毎日2リットルを2万本生産するフル稼働体制だという。田上工場長は「被災地を思うと一本でも多く生産したいのですが、既に24時間稼働。従業員は休日返上です」と語る。

 白州町の「道のはくしゅう」にも、施設内の湧き水を求めて都心部から客が急増している。26,27日は約90台収容の駐車場が車で埋まった。水を入れるポリタンクを抱えて数十人が行列をつくった。店頭で販売するポリタンクも26日に完売した。湧水が汲めるとの噂から、問い合わせも殺到。「夏に問い合わせが相次ぐことはあるが、雪の残る今の時期では考えられない」と驚いている。

《報道を聞いてその内容を自分で判断することもできない人たちの騒ぎぶりが、それを見て「皆と同じでないと不安」な人を右に左に走らせ、瞬く間に風評となって津波のように駆け巡ることになる。》

 《中略》

 急増する需要のほかにも、メーカーに追い打ちをかけている要員が計画停電だ。白州ヘルス飲料の工場に自家発電の設備はない。一度停電すると、機械を殺菌する必要がある。生産再開に10時間以上を要し、一日の生産量が半減する。工場長は「計画停電が夏秋まで続くようだと、従業員がもちません」と話す。

 富士山の北麓にある中小飲料水メーカーは、自社ブランド商品が生産できなくなった。自社ボトルのキャップやラベルの製造を茨城県の会社に発注していたが、この会社が震災で生産停止に追い込まれたためだ。それでも3月の生産量は受託生産でしのぎ、前年同月比1・4倍に増えた。計画停電には夜間操業などで対応しているが、従業員の勤務体制に頭を悩ます。担当者は「もっと増産したいが、これ以上は無理です」と言った。

《首都圏の消費者が平常心を取り戻すことができるのは一体いつのことだろうか。いつまでこの狂騒が続くのだろうか。》

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