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2011年3月22日 (火)

流言蜚語

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 関東東北大震災の後、震災被害も受けていない都心でトイレットペーパーなど紙製品や乾電池、お米などが店頭から姿を消した。昭和のオイルショックを例に、17日のブログでも同じ内容を取り上げたが、新聞でいう「風評」にあたる「流言蜚語(ひご)」が問題になったのが歴史的にも有名な大正時代の関東大震災後の朝鮮人虐殺にまで発展した事件だった。巨大地震が再度やってくる、大津波が寄せる、富士山が噴火する、壊れた刑務所から逃走した受刑者が暴動を起こす等に混じって、朝鮮人が放火している、強盗,強姦や井戸への毒薬投げ込んでいるなどの尾ひれまでついて広まったものだった(日本側からの朝鮮蔑視、それに対する朝鮮人の日本への反感等、日本の植民地政策の背景があった)。極く短い言葉を耳元で囁き、次の人に回す遊びがあるが、例えば10人そこそこの耳打ちでも、最後の人に伝わった時には尾ひれまでついて見当もつかない言葉や内容になっていることを経験した人は多いだろう。当時は携帯もインターネットもなく、人の口から伝わったものだが、現代社会では広範囲に瞬間的な早さで伝播、浸透してゆくことになる。今回の地震でも、同様のことがインターネット上で行なわれているのだ。

 毎日新聞(3/22)から、要約と《 》内は私見
 今回の大震災の発生後、被災地支援や放射線被ばくの注意をかたった出所不明のメールが大量に出回っている。原発事故の直後から、被ばく防止のため「毎日、海藻食品を食べ続けてくだし」とよびかけるものや、「自衛隊が支援物資を受け付けている」と協力を求めるものなどがあった。

 出所不明で連鎖的に広がっていくチェーンメールは、広がる過程で内容が代わって行くことがあるため、種類や数を把握することは難しい。迷惑メールやコンピューターウイルスなどの情報を収集、分析する財団法人日本データ通信協会の迷惑メール相談センターによると、地震発生の翌日の12日から、震災に関連したチェーンメールが急増しているという。

《親切心からか、好意からなのか知識の押し売りのようなメールが発生している。放射線、放射能の知識をどれほど知ってか、現場の放射線量と人体への影響をどれだけ知っての上なのか、迷惑千万なことだ。》

 情報に対する問い合わせを受け、当事者の業務に支障が出るケースもある。過去に献血不足を伝えるメールから迷惑をこうむったことのある日本赤十字社の関連施設の飯沼担当部長は「チェーンメールと思われるメールを受けたら、転送せず、それ以上広げないようにすることが必要。情報の真偽は自分で確認してほしいが、当事者に問い合わせると業務を妨害することになりかねない。公式サイトなどで確認してほしい」とアドバイスする。

 東大大学院情報学環の橋元教授(コミュニケーション論)は、今回の震災に関連したチェーンメールについて「悪意がある愉快犯ではなく、『早く知らせないと』という善意から回っているのでは」と指摘する。こうしたメールを転送する人の心理には「運命共同体意識、不安を誰かと共有したいという思いがある」という。

 チェーンメールの発信元を調べるのは困難だが、インターネットの掲示板などで不安を訴える書き込みを見た人がメールで発信するケースなどが考えられる。メールの転送だけでなく、内容の真偽を確認しようとするメールも流言につながって行く。第1原発の状況が強い危機感をもって報じられている海外のニュースサイトや、現地の知人の話から、「日本では情報が隠されている」という不安感も生んでいるようだ。

 橋元教授は「最近は(簡易ブログの)ツイッターもあり、安易に情報が発信できてしまう」と注意を呼びかける。チェーンメールの疑いがあるメールを受けた場合、他の人に回さないことが重要だ。

《ケータイと睨めっこで日を過ごし、メールを送りたくて仕方ない様子に見える若者たちの姿はどこでも見かける。そこに中途半端な己の知識や情報で尾ひれを付けて転送する。風評はどこまでも広がることになっていく。》

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