献体って何?
毎日新聞(2/16)“なるほドリ”から
人は死ねばその多くは焼却されたあと灰になる。最近は臓器を移植のために提供する人も増えてきたが、1月に亡くなった俳優の細川俊之氏は、自分の遺体を献体したということだ。献体って何をするのだろうか。大学の医学部と歯学部は人体の構造を学ぶため解剖実習を行なっている。実習のために遺体を提出することを献体という。
Q どこへ申し込むのだろう
A 篤志解剖全国連合会事務局長の天野修・明海大教授は「生前に医・歯学部のある大学へ申し込んでください」と話している。原則的に居住地近くの大学だが、分からない時は篤志解剖全国連合会か日本篤志献体協会に聞けば、大学の紹介や相談にのってくれる。
Q 登録手続きについては
A 登録先で多少違うが、申込書に必要事項を書いて提出する。このとき、配偶者など身近な肉親に同意の印をもらう。提出後、献体する大学名と死亡時の連絡法などを書いた登録証が届く。
Q 献体は誰でもできるのか
A 事件や事故で亡くなった人は司法・行政解剖となり献体はできない。また、解剖時に感染の恐れがある病気だった場合、できないことがある。これ以外は、生前に大病をしたり、手術で臓器を摘出しても献体はできる。ただ、臓器提供も同時に希望する場合、献体を受けない大学・団体もある
Q 遺体は引き取りに来てくれるのか
A 葬儀後、登録した大学が来る。実習後は大学が火葬し、遺骨は遺族に返す。通常1〜2年かかるが、時に3年以上かかる時もある。搬送や火葬の費用は大学が全額負担する。死後、文部科学相の感謝状が贈られるが無報酬だ
Q 登録は取り消せるのだろうか
A 本人の気持ちが変わった時は取り消せる。遺族が献体をやめたいと思った場合もできなくなる。「献体は遺族の理解や協力が不可欠」(天野教授)だからだ
Q 現在、献体数は十分なのか
A 日本篤志献体協会によると、1970年4月から23万3443人(09年3月末)が登録し、すでに9万5006人が献体した。天野教授は「今は献体が著しく不足している状況ではない」と説明している。ただ、都市部で登録者を一時的に制限する大学がある一方、地方では登録が少ない大学もあるようだ。こうした大学間の差の解消が今後の課題だという。
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