国民の「幸福感」って
毎日新聞(1/20)「なるほドリ」欄から、
菅直人首相が年頭会見で「最小不幸社会を目指す」と強調したが、人の幸せの大小って測れるのか。内閣府は昨年3月、日本人の「幸福感」について15歳以上の4000人を対象に意識調査を行なった。「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点として、環境・雇用など分野ごとに採点してもらったところ、回答した約2900人の平均は6・5点だった。特に〔年金」「子育て」分野の満足度が低く出た。
同じような調査をしているデンマークが8・4、英国が7・4なのに比べ、日本の幸福感の低さが浮かび上がった。英レスター大の心理学者が06年、経済状況や健康状態、教育水準などを基に各国の幸福度を順位付けした「世界幸福地図」では178カ国中90位にとどまるなど、日本の評価はぱっとしない。「社会保障や教育への公的支援が手厚い欧州との差が出た」と見る専門家もいる。
《3年前、ユニセフが発表した幸福度調査で特に目立った日本の「15歳の孤独感」を取り上げたが、(「自分は孤独だ」15歳の幸福度調査 08/11を参照。)今回の幸福度についても、日本の子どもたちの特異性は同じ要因の裏返しの反応でしかない。》
Q 経済規模でみれば、日本の幸福感は上位でいいはずだが
A 社会保障制度の充実度や、自殺率の高低は国内総生産(GDP)では分からない。政府は昨年6月に閣議決定した「新成長戦略」で、20年までに幸福度の指標を整備し、「幸福感を引き上げる」との目標を明記した。指標には、「安心感」や「人とのつながり」「治安の良さ」などを反映させたい考えだ
《無茶だよ、挙げた項目は個々個人レベルの生活環境、年齢、性格、男女のちがいなどその満足度は相対的価値観で大きく評価は違ってくるものだ。》
Q 海外でも幸福度を測っているのか
A ヒマラヤの小国ブータンは72年、GDPなどの経済指標より、「国民総幸福」(GNH)の向上を重視すると宣言した。現在、「健康」「時間の使い方」など9分野の指標を基にGNHを算出し、政策運営の参考にしている。仏教国らしく「瞑想の回数」も指標に含めているようだ。内閣府によると、韓国やタイも同様の指標を取り入れているほか、フランス、英国も研究に乗り出している
Q でも、何に幸せを感じるかは人それぞれではないか
A 公害など高度成長の弊害が吹き出した7年代、日本の経済企画庁(現内閣府)は暮らしの豊かさを示す指標「国民純福祉」を作った。余暇時間や環境汚染などを考慮したが、それらをどうやって経済的価値に換算するかについて意見が分かれ、定着しなかった。幸福度の指標化には「個人的な価値観に、国が基準を設けるのは思い上がりだ」(ジャーナリストの斎藤貴男)といった批判もある。
《財政破綻に陥ったギリシャの人たちよりも、余程恵まれているはずの日本人。なのに幸福感はその貧しい国のひとよりも低い。上を見、下を見、周りの人との比較でしか判断できない日本人の心の貧しさか。》
| 固定リンク
最近のコメント