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2011年1月30日 (日)

内閣府「少年非行に関する世論調査」

 毎日新聞(1/30)から、
 内閣府は29日、昨年実施した少年非行に関する世論調査の結果を公表した。
 「問題だと思う少年非行」について、53%(複数回答可)の人が「いじめ」と答え、前回(05年)調査と比べ20・1ポイントも増えた。
 
 調査は昨年11月25日〜12月5日、無作為抽出した20歳以下の3000人を対象に面接で行ない、1886人(62・9%)から有効回答を得た。

 「広く社会的にみて問題だと思う少年非行」については、14の選択肢(複数回答可)の中から53%の人が「いじめ」を選び、最多だった。

 「どのような社会環境が問題か」との問いでは12の選択肢(同)から「携帯電話やインターネットの普及により、簡単に見知らぬものと出会える環境にある」を選んだ人が最多で、63・4%に達した。

《携帯電話やインターネットの問題は、保護者がもっと賢くならなければ改善することはできないだろう。親は「身の安全を願って」と持たせるが、それは逆に身を危うくする道具でもあることを学ばなければ少年非行はますます広がるだろう。》

 一方、「非行防止のために特に大きな役割を果たすのは」については、「家庭」と答えた人が76・4%と最も多く、「地域社会」12・9%、「警察などの行政組織」5・2%と続いた。「学校」は3・7%にとどまった。

《少年非行の根源を「いじめ」とみる人が約半数を超えるが、いじめを減らすための具体的な対策は進まない中、それは「家庭」に問題があるのではないかと考える人が8割近くいる。調査の回答用紙をみていないから世代別の考え方が詳しく分からないが、家庭に何を求めてのことだろうか。若い世代が家庭での厳しさを欲っしているのか、大人の世代が厳しく育てろ、というのだろうか。私は常々特にいじめは、学校や教師の問題ではなく、いじめる側の親や保護者のわが子への無関心が原因と説いている。知る範囲での世の中の対策の全ては、その根本を見ていない。その限りでは今後もいじめは増え続けるだろう。その結果、データの数字を眺めては増えた増えたと騒ぐだけだ。》

《また、地域社会に何かを求めるのは無い物ねだりというものだろう。早い話が全国の都道府県には青少年保護育成条例のようなものが存在しているだろう。未成年の夜間外出禁止やゲームセンターやカラオケボックス等への立ち入り禁止などだが、守られている都道府県は先ずないだろう。深夜の暴走族、夏場になると河川敷での飲酒飲食、浜辺の花火、大騒ぎなど、保護者の管理、監督責任のなさは論外だが、条例などあっても無いに等しい。県によっては保護者同伴の小学生や乳幼児連れでのゲムセンターなどへの出入りが目立つことから、下の年齢を0歳まで含めて規制の対象にしなければ、と考えているところもあるようだ。》

《いずれにしても、例年データだけは取られるが、今回のデータも生きて活用されることはないだろう。》

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2011年1月29日 (土)

第5回「男女の生活と意識に関する調査」から

 毎日新聞(1/28)
 2年ごとに行なっている「男女の生活と意識に関する調査」の5回目。昨年9月、全国の16〜49歳の男女計3000人を対象に調査票を手渡す方法で実施、1540人(女性869人、男性671人)から有効回答を得た。

 日本人女性の15・5%が人工妊娠中絶を1回は経験し、2回以上繰り返す「反復中絶」の経験者が、このうちの35・6%にも上っていることが厚生労働省研究班の調査で分かった。反復中絶率は2年前の調査に比べて10ポイント余りの上昇となった。

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 分担l研究者の北村邦夫・日本家族計画協会家族計画研究センター所長は「100%か着実な避妊法はないので、性交渉があれば思わぬ妊娠で中絶を余儀なくされることもあるが、、繰り返すことは問題だ。高率となった原因は、はっきりつかめていない。いろいろな角度から分析する必要がある」と話している。

 中絶したことがある女性は135人(15・5%)。このうち48人(35・6%)は2回以上の中絶経験があり、5回以上も3人いた。2008年の前回調査に比べ、中絶経験率(前回14・9%)、反復中絶率(同25・4%)ともに高くなった。

 人工妊娠中絶を繰り返す女性は、「婚姻関係にある」「子どもがいる」はいうまでもなく、生活習慣とも深く拘わっている。

 人工妊娠中絶を繰り返す女性の特徴を、各設問とのクロス集計から、統計的に有為な差が認められるものを列記すると、以下のようになる。(単位は%。数値は順に「中絶経験なし」「中絶経験1回」「反復中絶経験あり」)

1. 「中学生のころの家庭」- 楽しくなかった
    23・4%、 34・9%、 10・4%
2. 「両親の離婚経験」- ある
    12・7%、 14・0%、 25・5%
3. 「自傷行為(リストカットなどの)経験」- ある
     4・8%, 14・9%, 29・8%
4. 「中学生がセックスすることについての考え」
                    - 学校の授業
    42・0%、 34・5%、 25・0%
5. 「低用量経口避妊薬(ピル)の認知度 - よく知っている
    10・7%、 23・0%、 31・32%
6. 「初めての異性とのセックス」
            - 重大だと感じていた
    75・8%、 69・8%、 54・2%
7. 「初めてセックスした相手との知り合い方」
       - 街で声をかけられたりして知り合った
     2・4%、  6・9%、 16・7%
8. 「初めてのセックスの時に避妊したか」- しなかった
    18・7%、 23・0%、 37・5%
9. 「人工避妊中絶についての考え方」- 認める
    70・2%、 80・4%、 85・4%
10. 「結婚したい気持ちが有るか」- いいえ
    22・4%、 30・4%、 77・8%
11. 「子どもの有無」- いる
    52・5%、 87・2%、 89・6%
12. 「学歴」- 大学卒業・大学院卒業
    19・6%、 10・6%、  6・3%
13. 「喫煙習慣」- 習慣的に吸っている
    13・0%、 26・7%, 54・2%
14. 「一週間の飲酒量」- 一合以上
    18・8%、 25・9%、 41・7%
15. 「婚姻関係」- ある
    52・9%、 72・4%、 81・3%

 中絶の理由で最も多かったのは
   「相手と結婚していないので産めない」・・27・4%
   「経済的な余裕がない」・・・・・・・・・13・3%
   「相手との将来を描けない」・・・・・・・11・9%
   「仕事・学業を中断したくない」・・・・・ 7・4%

 一方、避妊方法を「教師や学校の授業から知った」という人の割合は低く、正しい性教育を受けられなかった可能性が示唆された。

《街に溢れる性に関する絵や記事満載の漫画、女性誌や書籍、面白可笑しく書くだけで、正しい知識の敷衍(ふえん)には一切お構いなしか。また、年間に平均して30万件はある中絶(届け出のないものを含めると、推定100万件ともいわれる)だ。快楽に溺れるだけでなく、人工中絶は根本的に女性の体を傷つけることになるのだから、性にも強くなった女たち、性交渉の主導権は無責任な男任せにしないで、しっかりと避妊の責務を自ら果たすことだ。》
 

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2011年1月28日 (金)

総理の「疎い」発言

 毎日新聞(1/28)から、
 《たまたま、テレビで27日のニュースを見ていた。本会議が終わって総理が会議場から出てきた出鼻を記者たちが取り囲み、国債の格付けランクが下がったことについて質問をぶつけた。総理の返事の一言一句の正確さの記憶に自信はないが、ニュアンスとしては会議が終わったばかりで、まだ聞いていないことを言ったと、私には受け取れるやり取りだった。キャスターが「うとい」という言葉を取り上げて、次のように放ったコメントが気になった。「問題になりそうなことばですね」と、ひと騒ぎ起こせとけしかけるように喋った。》

《案の定、今朝からテレビ各社は姦しく、新聞にも文字が踊った。早速参院代表質問に立った公明党の山口那津男が総理の発言に「耳を疑う」と食いつき、退陣要求を突きつけた。テレビ画面を見ていた人間には、あの場では総理の発言が、国債格付けのランクが下がったことを指してはいないことは十分に理解できた。しかし、山口は更に「危機感に乏しく、それを乗り越える決意も浅い」と言葉尻だけを捕らえて的を得ない批判を重ねた。》

 首相は28日午前の閣僚懇談会で、日本国債の格下げを巡る自身の「疎い」発言について「詳しく聞いていないという意味。格付けに詳しくないという話ではない」と釈明した。

《釈明する必要もないその場のやりとりだったが、「落としたものはクソでも拾え」というような野党の批判でも、一応は釈明も必要なのか。》

 与謝野経済財政担当相は「首相は本会議で5、6時間拘束され、1日の出来事を全部把握することはなかなかできない。首相は格付けについて詳しい」と首相を擁護した。また、北沢防衛相は「国会(衆院本会議)から出て来たばかりで中身が分からんということを、格下げの意義を知らないように書くのはフェアでない。国益を損なう。揚げ足取りみたいだ」と報道を批判した。

《最初にテレビでコメントしたキャスターの一言が記者たちを鼓舞したのか。総理コメントを取るために集まった報道記者たちって、それほど日本語の会話のニュアンスを汲むこともできない連中なのだろうか。私には出会い頭の質問に、総理が言葉を選ぶまもなく発したことばで、まだ情報を聞いていないことの意思表示であったことは明確に読み取れたのに。》

 一方、自民党の石原幹事長は28日「この首相をあおいでいる限り『最大不幸社会』だ。20年度中の基礎的財政収支の黒字化も考えていないことを世にしらしめてしまった」と記者団に語った。

《さすが、漢字知らない、読めない首相を選んだ党の幹事長だ。喋った言葉の理解もできないで、関係ない話にまで空想して話を膨らませてしまったようだ。》

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2011年1月27日 (木)

内部告発に報奨金(前橋市)

 毎日新聞(1/26)から、《 》内は私見。
 《嫌なニュースだ。チクリ(告げ口、密告)を賞金絡みで推奨するってことだ。上司の無能のせいで職員教育がされていないこと、組織の管理システムが機能していない恥を社会に発表するようなものだ。職員をお互いに疑心暗鬼、戦々恐々にさせ、昨日まで友人だった人間が,いつなんどき、有ることないことを上司に告げ口するかもしれないことになるのだ。結果、職場で大事な意思疎通にひびが入り、ぎすぎすした人間関係が生じ、モラール(労働意欲)の低下や、「もの言えば唇寒し」で必要なコミュニケーションまで齟齬をきたすことになるだろう。》

 《これまでブログで何度も書いてきたが、明治生まれの両親に厳しく育てられ、人間として1番卑しい筆頭は、悪いことをした人間以上に、その人のことを告げ口する人と教えられ、その通りと理解し、80年近くを生きてきた人間にとって、裏切りの勧めは余りにも悲しい価値観の違いだ。告げ口によって、少々仕事が機能し、はかどったところで失われる人間不信は将来、決して実りの有るものにはならないだろう。》

 前橋市は、市職員の不祥事を内部告発し、改善に生かされた場合、1万〜2万円程度の現金や図書券などの「報奨」を与える制度を導入した。行動規範を定めた「市コンプライアンス*行動指針」に明記し、職員専用のウェブサイトで周知した。公益通報者保護法を所管する消費者庁は「自治体の報奨金導入は聞いたことがない」と話しており、市の指針は議論を呼びそうだ。

 《* ‥‥ コンプライアンス。 「法令遵守」と何故日本語で言えないんだろう。このように上面を飾る意識がそもそも上層部の独善ではないのか。》

 前橋市では今年度、職員が職務で知り得た個人情報を基にストーカー行為をしたり、有給休暇を不正取得するなどの不祥事が相次ぎ11人が懲戒処分を受けており、有識者と市幹部で作るコンプライアンス推進委員会が再発防止策を検討していた。

 委員から「欧米では通報者に対する報奨制度が進んでいる」との意見が出たことを受け検討を重ねた結果、「対価の支払いが内部告発を促す」との結論に至ったという。報奨が支払われる条件は「公正な職務の遂行に多大な貢献が認められる場合」と規定。報奨に値するかは、推進委が個別に判断する。

《欧米のどこの国かは不明だが、長い歴史や文化の違いを無視した軽々しい引用だ。街では顔役の有識者など信用できる人物かどうか分からない。自分たちの管理能力の無能を告げ口と金銭で片付けようとは片腹痛い話だ。》

 内閣府が02年に設置した公益通報者保護制度検討委員会で委員を務めた浅岡美恵弁護士(京都弁護士会)は「内部告発は通報者を保護する仕組みが確立され、告発内容を精査するシステムが確立していれば自然に促される。報奨金を出すからといって内部告発が進むとは思わない」と話している。

《告げ口の内容によっては告発部署の特定をするのに容易な部署があるだろう。机を並べている隣を疑い仲間を疑いで犯人捜しが始まる。職場の大事な「和」が乱れる。時には密告者への危害の心配も有るだろう。決議撤回して上司から率先して組織の見直しから取り組むべきだ。》

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2011年1月26日 (水)

仏上院、日本に「ハーグ条約」批准を迫る

 毎日新聞(1/26)から、《 》内は私見。
《以前から、結婚相手に外国人男性を選ぶ日本人女性の多くは、自分の交遊範囲の無骨な日本人男性との比較で日本人男性を蔑み、表面上いかにも優しくしてくれる外国人を好む傾向は目立ってあった。24日の「国際結婚」のブログでも書いたが、アバタもエクボで簡単に惚れ込み、こんなはずではなかった、と離婚する。その理由の大半はバカらしい「暴力」だ。》

 参照 ハーグ条約 来年にも批准か 2010/08

 国際結婚が破綻した夫婦の一方が、子どもを故国に無断で連れ出すことを不当としたハーグ条約について、フランス上院は25日、日本の条約批准を求める決議案を賛成多数で可決した。決議を機に仏政府は、日本の積極的対応を求める意向だ。問題は、主に外国人男性と結婚した日本人女性が離婚後、子どもを日本に無断で連れ帰り、父親に会わせないことで表面化。欧米が日本を批判していた。

 決議案は与党・国民運動連合と野党第1党・社会党がそれぞれ独自に提出した。仏議会で与野党が同内容の決議案を出し、同時採決されるのは異例で、仏側の日本への批准の強さを示した形だ。

《婚外子が5割を超して生まれる(08年)フランスという国の道徳性はもともと好きではないが、ハーグ条約に対する上院の決議には賛成する。》

 決議は、離婚後、双方の同意がないまま子どもを連れ去るのは仏では重罪だが日本では処罰されない。フランス法は離婚後、両親と子との面会権を認めているが、日本は違う‥‥などと日仏の制度を比較。「条約が規定した親の子への面会見権を認めるべきだ」として、日本に批准を強く求めた。

 同日の議論では一部議員が「問題は外交上解決すべきで、決議案は日本を不必要に刺激する」との反対論を展開した。だが、アリヨマリ外相は「決議案は我々の懸念を表明しており、具体的な解決策が必要だ」と、日本の積極対応を求める仏政府の立場を強調した。

 同条約は現在84カ国が加盟している。

《24日にも書いたが、国際結婚は固有種、外来種のテリトリーを越えて日本女性には憧れでもあるようだ。これからも増加するだろうが、破綻もまた多く生まれるだろう。国際国家を名乗りたいなら今のうちにハーグ条約の批准は済ませておいた方がいい。》

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2011年1月24日 (月)

国際結婚

 毎日新聞(1/24)『なるほドリ』欄から、
 歌手の浜崎あゆみが米国に住むオーストリア国籍の男と結婚したが、国籍はどうなるんだろう。日本の国籍法では「自分の希望により外国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」とされている。このため、結婚相手の国に国籍変更などの手続きをしない限り、日本国籍のままだ。ただ、イランのように、結婚すると自動的に夫の国籍を取得させる国もある。

 Q 国際結婚する時、男女どちらの国の法律に従えばいいのだろうか

 A 年齢など結婚できる要件を満たしているかは、それぞれが自国の法律に従うことになる。日本人なら、結婚できる年齢や重婚の禁止などを定めた民法だ。国際結婚に詳しい榎本行雄行政書士によると、海外で結婚する場合、その国の定める方法で手続きを進め、結婚成立後3カ月以内に、その国の日本公館か日本の本籍地に婚姻証明書を提出する。そうしないと日本では結婚したことにならないんだ

 Q 結婚の方法は国によって違うの?

 A 日本は婚姻届を役所に提出する「届け出婚」だが、結婚は文化や宗教と密接に関係し、各国でさまざまだ。役所で宣誓などが必要な「儀式婚」、教会や寺院で行なう「宗教婚」などがある。米ニューヨークで現地の男と結婚した日本人女性(39)によると、手続きした市役所で一生添い遂げることを宣誓したそうだ。また、バングラデシュ人と結婚した日本人女性(37)は、「イスラム教への入信の手続きが必要であったという

 Q 国際結婚する人ってどれくらいいるのか

 A 09年の人口動態調査によると、夫婦の一方が外国人の婚姻は3万4393件で、結婚全体の約5%だ。30年前は約1%程度だったから徐々に増えている。夫が日本人の場合、妻は中国、フィリピンの人が多く、妻が日本人だと夫は韓国、朝鮮、米国、中国と続いている

 Q 子どもが生まれたら国籍は?

 A 日本の場合、両親のどちらかが日本人なら子どもは日本国籍だ。米国では、米国で生まれた子どもは米国籍だ。国際結婚した日本人女性が米国で出産すれば、子どもは米国籍になるが、日本に出生届を出すときに国籍留保届を提出すれば、日本国籍も失われない。この場合、二重国籍になり、22歳までに本人がどちらかの国籍を選択する

《動植物の世界では、外来種の排除がしきりだが、同じ動物でも人間はテリトリーを越えても例外らしい。その結婚に伴う手続きの面倒さと同様、いや、それ以上に最近とみに話題の多いのが離婚に伴うトラブルの深刻さだ。母親が自国に子どもを連れ戻り、子どもに会えない父親が悲しんで自殺する騒ぎも起きている。「アバタもエクボ」の激情にかられた国際結婚だけはしないことだ。》

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2011年1月23日 (日)

大卒内定率28・8%

 毎日新聞(1/19)社説から、
 東京・神田のすし店が求人を出したところ4年制大学の学生が何人も面接にやってきたという。「あんたらが働くところじゃないよと断ったが、こんなことは初めてだ」と店主は驚いていた。

《すし店の店主は自分の店で働くすし職人をずいぶんと卑下したものだ。4年生大卒がすしを握って何がおかしい。その聞きかじりをそのまま社説に書き写すような記事にして、学歴を驕るような取り扱いで自身横柄だ。》

 新卒者の就職難は今年に始まったわけではない。しかし、今春卒業見込みの大学生の就職内定率は68・8%、短大生は45・3%(いずれも昨年12月1日現在)。データが残る96年以降で最低という。企業業績の回復が伝えられる中、凍りつくような就活戦線である。

 菅政権もさまざまな対策はとってきた。キャリアカウンセラー増員による就職支援の強化、就業力を向上させるための支援プログラムの充実、雇用意欲の高い中小企業と新卒者とのミスマッチ解消などである。だが、まだ十分な成果を上げているとは言い難い。

 技術革新によってさまざまな仕事がコンピューターに置き換わり、オフィス内労働では以前ほど人手が要らなくなった。製造業は途上国へと拠点が移りつつあり、単純労働でも働く場が少なくなっている。雇用のパイが全体的に縮小していることが新卒者への門を狭めている大きな原因だ。若年者雇用に苦戦しているのは日本に限ったことではない。ただ、わが国では正規労働者に対する雇用規制が厳しく、人件費を抑制するために新規採用を抑えてきたことも指摘しておきたい。中国など外国人留学生を採用する企業が増え*、ますます日本人学生が苦戦を強いられているとも聞くようになった。

 * ‥‥ 参照 日本の「草食系」よりも、中国人学生を 2010/12

Th_20110113j04w370_2 《中国人学生を採用する理由ははっきりしている。ぬるま湯に浸かっているような日本人新卒者に足りない覇気があるからだ。また、雇用のパイの縮小には、企業の倒産も要因としてある。》

 観首相は11年度税制改正で法人税の実効税率5%引き下げを決めた際、「雇用を守り経済成長をさせていくための法人税減税だ。働く皆さんにも分配されることを経済界として是非約束をしていただきたい」と日本経団連の米倉会長らに求めた。米倉は「約束というわけにはいかないが、法人税が下がれば企業の競争力が高まる。雇用も増えていく」と言うにとどまった。
 
 業績回復で内部留保を増やしている企業もある。新卒者採用にもっと積極的に取り組むべき時ではないのか。財政再建や社会保障の立て直しのため国民負担増が避けられない情勢の中、敢えて法人税を下げる社会的意味を重く受け止めてほしい。

 こうした時代に巡り合わせた不運を恨む学生もいるだろう。ただ、名の知れた大企業だけでなく中小企業にも将来性のある会社はある。10年後にどの会社が伸びているかわからないではないか。自らの力で会社を発展させる気概があってもいい。

 就職した後も若者が自分を磨き再チャレンジできるような雇用制度の柔軟性も高めるべきだ。

《就職しても3年そこそこで辞めていくような若者には、再チャレンジの意欲などあるはずもないだろう。》

《また一方で、進路が決まらなまま卒業し、既卒として再度就職活動に取り組む「就職浪人」になったり、卒業せず「就職留年」する学生が多数出るおそれもある。こうした学生に、単位を取得していても留年を認める「希望留年制度」や学費の減額、既卒者への就職指導など、支援策を打出す大学も増えているようだが、残留組が加わることで次年度の就活者の総数を膨らませるだけで、企業の業績が回復しないでは一層就職率を下げることになり、数字を追いかけるのが好きなメディアに格好の材料を提供するようなものだろう。》

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2011年1月22日 (土)

女性の服装に規制を(露)

 毎日新聞(1/22)から、
 ♦ ロシア正教会の有力者が、肌の露出度の高いロシア人女性の服装の乱れを批判し、国内に「ドレスコード」を導入すべきだと提案、波紋を広げているとか。

《正教会の有力者ならずとも、日本の若い女たちの負けず劣らずの露出狂に近い服装は、新聞を賑わす痴漢騒ぎと全く無関係とは言えない点があることを幾度となくブログで取り上げてきた。1967年、イギリスから女優ツイッギーが初来日。そのツイッギー(小枝)のような体躯とミニスカートが忽ち日本中の若い女性たちに取り入れられ、日本のファッション界を席巻した。当初は眉をひそめた中年女性やおばさんたちも、競うように短いスカートをはくように浸透していった。たしかに短足の日本女性の体型に、これ以上似合うスタイルは見当たらない。それまで身を隠すことを慎みと心得ていた日本女性にも、その快適性には抵抗できず、ミニスカートは年を追うごとに端切れの布のように短くなり、慎みを失い下着が見えるのを恥ずかしがることもなくなったようだ。30年以上も前の会社勤めが現役のころだった。地下鉄を降りて階段を上るのにふと上を見た。それこそ奥の奥までがまる見えだ。自分は誰にも見られていないのに、顔赤らめたその日から退職するまで、前に女が昇る階段は決して顔を上げることができなかった。当時はフィルムのみで、インスタントカメラもデジタルカメラも世に存在していなかった。デジタルカメラが生まれ、性能は上がり小型化が進んだ。シャッターチャンスは数え切れないほど転がっている。誘蛾灯に集まる餓のように、痴漢には格好の被写体だ。》

 正教会で社会問題を担当するチャプリン長司祭は18日、インタファクス通信に対し、「道路をストリップ劇場と間違えている(女性がいる)」「ピエロのような服装や化粧をしている女性は、よい伴侶を見つけられない」などと指摘。

 「人の外見は100%個人的な問題ではない」として、会社や学校などが規定しているような服装規定をロシア全土に導入するよう提案した。長司祭は昨年12月にも「ミニスカートをはいて酔っぱらった女性が自ら男性に接触してレイプされても仕方がない」と発言し、物議を醸していた。

《女性は「伴侶が見つけられるか見つけられないか、あんたに言われる筋合いのものではない」というだろう。私は、慎みのない服装に目は背けるが、聖職にある人のような、そこまで言い切る自信はない。》

 ドレスコード導入について、ロシアの人権団体「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」のアレクセーエワ代表は「自由の侵害だ」と反発。フェミニズム団体も「正教会が妊娠中絶反対などのキャンペーンを強めていく前兆」と批判している。

 一方、ロシア南部チェチェン共和国のカディロフ首長は、イスラム教の立場から女性の服装規制に賛成を表明し、議論は思わぬ方向に進んでいる。

 ♦ こちらは日本は宮城県の話。
 宮城県の村井知事は22日、強姦など性犯罪で服役後出所した県内在住者にGPS(全地球測位システム)を携帯させ、県警が常時監視できる条例制定を検討する方針を固めたという。必要に応じてDNAも提出させる。法でなく県条例では、前歴者が県外に移動すれば効力が及ばず、常時監視は基本的人権の制限にもつながることから波紋を広げそうだ。

 同知事は性犯罪対策を話し合う同日午後の有識者懇談会で試案を提示し、意見を求める。試案によると、女性や13歳未満の子どもへの強姦、強姦致死傷などの罪と各未遂罪で有罪となり、刑務所を出所した県内居住者が監視対象となる。DV防止法に基づき、裁判所から被害者への接近禁止の保護命令を受けたDV加害者にも携帯を義務づけることも検討する。性犯罪前歴者らは宮城県警が監視し、再犯リスクによってGPSを携帯させられ、持たずに外出すると罰金を科す。ただ、県外に出ると条例は適用されない。

《これでは再犯率の高い危険な性犯罪者を追っ手の届かない他県に集める効果を生じるのではないか。条例が必要なのは宮城県だけではなく、全国的な対応が求められてもいるはずだ。もともと強姦、強姦致死傷など、基本的人権を侵した側への配慮など考える必要はない。服役が禊ぎと考えるのは甘すぎる。徹底的な監視下に置くためにはGPS携帯もDNA提出も当然必要条件であっていい。》

 条例化検討の背景には性犯罪の高い再犯率がある。10年版の犯罪白書によると、強姦の犯罪者が再び強制猥褻を含む性犯罪を繰り返す再犯率は15・6%で「かなり深刻」としている。県幹部は「条例化への批判は覚悟のうえで取り組む。性犯罪を撲滅するためには必要な措置だ」としている。

 現行の性犯罪再犯防止策としては、13歳未満の子どもが被害者となった場合、前歴者の出所後に、法務省が警察に、帰住予定地や出所予定日、服役罪名などの情報を提供する制度がある。宮城県は性犯罪対策として、個人が児童ポルノの画像や動画などを趣味で持つ「単純所有」を禁止する条例の制定も検討している。

 奥平康弘東大名誉教授(憲法学)の話。性犯罪者の再犯率は高いとされるが、彼らを監視することで本当に犯罪を抑止できるかどうか検証が十分にされていない。その中でこいうした施策を進めれば、かつてないほど権力が強くなって監視社会を招来し、私たちの自由も抑止されかねない。防犯カメラの設置も進んでいるが、抑止力の面ばかりが強調されている印象がある。監視することで保たれる秩序とはどんなものなのか、議論が必要だ。

《奥平(1929年生まれ)は戦前・戦中の治安維持法に代表される権力による監視(特高など)の監視社会の悪夢を想定するのだろうが、平和ぼけした現在、性犯罪を取り締まる県条例が、かつてないほど強い監視社会を招来するとは到底考えられない。全国の知事会でも取り上げて審議し、広く展開していくことだ。》

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2011年1月21日 (金)

いじめ調査

 毎日新聞(1/21)から、
 公立小中学校の99%が、いじめの有無を児童生徒に直接聞くアンケートを今年度、既に実施したか3月までに実施する予定であることが20日、文部科学省の緊急調査で分かった。09年度の小学校70%、中学校80%から大幅に拡大。調査が始まった06年度以降で最も効率となった。相次ぐ「いじめ事件」を受けた教育現場の危機感の表れとみられる。一方、いじめ問題を巡り、文科省は教育委員会の情報収集に課題も浮かんだとして、学校と教委の連絡強化について近く通知を出すという。

《いじめは今に始まった問題ではない。今まで一体何をやってきたのか。何年も何年もデータを取るだけで、具体的な対策は何一つ取っていないのが実態だ。いじめは学校と教委の関係をどれだけ密にしたところで解決できる問題ではない。いじめる側の『悪ガキ』当人、その親、保護者を巻き込まない限り、これからも増え続けることは自信を持って言い切れる。》

 アンケートは「いじめの早期発見につながる」として、同省が実施を求めてきた。昨年10月に群馬県桐生市でいじめを受けていた小6女児が自殺したことなどを受け、全国の公立小中高、中等教育学校、特別支援学校に今年度の実施状況について緊急に聞いた。

 Photo アンケート内容は、いじめの被害者や加害者になったことがあるか、クラスでいじめを見たことがあるかなどを記入式で尋ねるのが一般的。09年度調査では、学校がいじめを発見したきっかけの24%をアンケートが占め、「学級担任が発見」(20%)よりも多かった。

《大人の世界に広がる内部告発の子供版で、チクリの薦めとも取れる。また、担任が発見することよりも告げ口の比率が高くなるのは当然で、担任や教師に隠れ、見えないところで行なわれるのがいじめだ。何度も書いてきたが、担任や教師が発見した時にはいじめの被害は深くなっているのが当然だろう。それを集めたデータで分析したように書いても愚かなことだ。》

 ほぼ100%実施になったものの、取り組みには依然ばらつきもある。同省は今回実施頻度を初めて調べたが、小中とも「年2〜3回」が約6割に上った一方で、「年1回」も2〜3割前後あった。学期ごとに実施している東京都内の公立中の副校長は「いじめが解消されたのか、継続しているか正確に把握するには1年に1回では少ない」と」指摘する。

《データを取るためだけのような調査では、年に何度やっても変わりはないだろう。1回しかやらない学校と3回、4回やる学校で、いじめの発生にどれだけの違いがあるのか、その調査をやった上の要不要を論じているのだろうか。回数の多さに応じて対応策がどう違い、発生率がどう違うのか。データを取るだけでは多ければ良いというものではないだろう。》

 だが、アンケートにも限界がある。昨年11月にいじめを仄めかす遺書を残して自殺した札幌市の中学2年の女子生徒やクラスメートは、直前のアンケートでいじめについて「ない」と答え、学校側も把握していなかった。埼玉県内のある校長は「自分からいじめられていると言う子は少ないし、先生に『チクる』行為は子どもたちの間では最も許されない」と話す。

 そうした中、組織的にいじめを早期発見する取り組みも始まっている。横浜市教委は、いじめや暴力などの問題に専門的に対応させる「児童支援専任教諭」と呼ばれるベテラン教諭を今年度市内の70小学校に1人ずつ配置した。学級担任製の小学校の場合、「担任だけだといじめに気付かなかったり、長期化するケースもあった」として、5年間で市内の全公立小学校に広げる計画だ。

 今回の緊急調査では都道府県と政令指定都市、市区町村の全1816教育委員会のうち、半数にあたる873教委が、学校に求めたいじめ問題に関する点検結果の報告を受けていなかった。文科省は「教委が点検結果の収集、分析を怠っていると指摘されても反論できない」としている。

《ただ、繰り返し調査することでいじめが減少したりなくなったりするのなら、疾うに日本中の公立小中高校からいじめは消えていてもおかしくないだろう。いじめの核心が理解されていないから、だらだらと調査ばかりが繰り返されているのだ。》

 都道府県と政令市の計66教委のうち40教委、市区町村の計1750教委のうち833教委が学校側にいじめ問題の有無などの点検を指示しながら報告を求めていなかった。指示は都道府県教委が学校に直接行なう場合と、市区町村教委を通じて行なう場合があるが、同省は都道府県と政令市教委に学校の取り組み状況を把握するよう要望している。

《データの回収にさえ苦労しているようでは、その資料を基に対策を講じることなど満足にでるはずがあるまい。》

 同省児童生徒課は「いじめ問題の解決には、教委と学校が情報を共有することが大切。『教委は指示を出すだけで指導を放置している』と受け取られないよう改善ポイントを通知したい」としている。

《改善ポイントが何であるのか、さっぱり見えていないが、相変わらずデータ集めに終始しそうな話だ。》

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2011年1月20日 (木)

国民の「幸福感」って

 毎日新聞(1/20)「なるほドリ」欄から、
 菅直人首相が年頭会見で「最小不幸社会を目指す」と強調したが、人の幸せの大小って測れるのか。内閣府は昨年3月、日本人の「幸福感」について15歳以上の4000人を対象に意識調査を行なった。「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点として、環境・雇用など分野ごとに採点してもらったところ、回答した約2900人の平均は6・5点だった。特に〔年金」「子育て」分野の満足度が低く出た。

Happy_2 同じような調査をしているデンマークが8・4、英国が7・4なのに比べ、日本の幸福感の低さが浮かび上がった。英レスター大の心理学者が06年、経済状況や健康状態、教育水準などを基に各国の幸福度を順位付けした「世界幸福地図」では178カ国中90位にとどまるなど、日本の評価はぱっとしない。「社会保障や教育への公的支援が手厚い欧州との差が出た」と見る専門家もいる。

《3年前、ユニセフが発表した幸福度調査で特に目立った日本の「15歳の孤独感」を取り上げたが、(「自分は孤独だ」15歳の幸福度調査 08/11を参照。)今回の幸福度についても、日本の子どもたちの特異性は同じ要因の裏返しの反応でしかない。》

 Q 経済規模でみれば、日本の幸福感は上位でいいはずだが

 A 社会保障制度の充実度や、自殺率の高低は国内総生産(GDP)では分からない。政府は昨年6月に閣議決定した「新成長戦略」で、20年までに幸福度の指標を整備し、「幸福感を引き上げる」との目標を明記した。指標には、「安心感」や「人とのつながり」「治安の良さ」などを反映させたい考えだ

《無茶だよ、挙げた項目は個々個人レベルの生活環境、年齢、性格、男女のちがいなどその満足度は相対的価値観で大きく評価は違ってくるものだ。》

 Q 海外でも幸福度を測っているのか

 A ヒマラヤの小国ブータンは72年、GDPなどの経済指標より、「国民総幸福」(GNH)の向上を重視すると宣言した。現在、「健康」「時間の使い方」など9分野の指標を基にGNHを算出し、政策運営の参考にしている。仏教国らしく「瞑想の回数」も指標に含めているようだ。内閣府によると、韓国やタイも同様の指標を取り入れているほか、フランス、英国も研究に乗り出している

 Q でも、何に幸せを感じるかは人それぞれではないか

 A 公害など高度成長の弊害が吹き出した7年代、日本の経済企画庁(現内閣府)は暮らしの豊かさを示す指標「国民純福祉」を作った。余暇時間や環境汚染などを考慮したが、それらをどうやって経済的価値に換算するかについて意見が分かれ、定着しなかった。幸福度の指標化には「個人的な価値観に、国が基準を設けるのは思い上がりだ」(ジャーナリストの斎藤貴男)といった批判もある。

《財政破綻に陥ったギリシャの人たちよりも、余程恵まれているはずの日本人。なのに幸福感はその貧しい国のひとよりも低い。上を見、下を見、周りの人との比較でしか判断できない日本人の心の貧しさか。》

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2011年1月19日 (水)

シベリア抑留、国による兵の遺棄とは認められない

 毎日新聞(1/19)から、
 第二次世界大戦後、シベリアに抑留されたのは国の責任として、旧日本兵と遺族の計70人が国に総額6億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が18日、大阪高裁であった。「国による兵の遺棄とは認められない」として、1審・京都地裁判決(09年10月)を支持し、原告の控訴を棄却した。

 原告側は「軍上層部は抑留を了承し、ソ連に労務提供をした」と主張。さらに「終戦後も早期帰国させる義務や補償立法を怠った」と訴えていた。判決後会見した林明治・原告団長(86)は「納得できない判決。戦争の生き証人として最後の1人になるまで闘いたい」と述べ、上告する意向を明らかにした。

 渡辺裁判長は「抑留はソ連による国際法規違反。ソ連に使役させるため国が兵を遺棄したとは認められない」と判断。救済の不作為についても、「大戦ではほぼすべての国民が深刻な被害を受けた。補償のあり方は国会の裁量に委ねられている」として退けた。シベリア抑留を巡る同種の訴訟は全国で3回あったが、いずれも元抑留者側の敗訴で確定している。

 シベリア抑留では、旧日本兵約60万人が最長11年間抑留され、約6万人が死亡したとされる。

 現在生存する元抑留者は7万〜8万人と推定され、昨年6月に抑留期間に応じて1人当たり25万〜150万円の特別給付金を支給する特別措置法(シベリア特措法)が成立している。

《日本が中立国を通して降伏を声明したのが1945年8月14日。ソ連は8月16日にはサハリン(当時日本領・南樺太)へ、18日には千島列島へ侵攻、占領した。日本は22日になって樺太、千島に停戦命令を発し、降伏した。同時に16日、大本営は即時停戦を発令、関東軍総司令部は停戦と降伏を決定する。18日には満州帝国が滅亡する。8月19日、東部ソ満国境ハンカ湖の近くで停戦交渉に入り、8月26日ごろにはソ連軍とのすべての戦闘が終わった。

 ソ連の行動は、ヤルタ協定で取り交わされたものだったが、後に公開されたヤルタ秘密協定で、アメリカ、イギリスはソ連の対日参戦の見返りとしてサハリン返還、クリル諸島(千島列島)の引き渡し、満州における優先的権利の認定が記されていた。

 8月23日、ソ連首相スターリンは、日本軍捕虜50万人のソ連移送と強制労働利用の命令を下した。日本人捕虜は内地への帰還を望んだが、ソ連軍は復員を認めず、すでに離隊していたものも強引に連行した。ソ連は、日本人捕虜を満州の産業施設の工作機械の撤去作業に使役し、 のちにソ連領内に移送された。9月5日、関東軍総司令官山田乙三大将ら関東軍首脳を手始めに、将兵、在満州民間人、満蒙開拓移民団の男性がハバロフスクに集められた。ソ連は捕虜を1000名程度の作業大隊に編成した後、貨車に詰め込んでシベリア(帝政ロシア時代から流刑の地として使用されていた)に移送した。移送された捕虜の人数は、57万5000〜65万或いは70万人といわれ、最高数としては200万人以上との説もある。

 スターリンの間、髪を容れない手の打ちようは、米英との密約の後押しとも相俟って敗戦国日本には成すすべのない展開だったと見るのが妥当だ。それは、古今東西、歴史における敗戦国の惨めな結末の例を挙げるのに困らないほどだ。まして当時の日本政府の戦後処理の最大関心事は、国体(天皇)を守ること以上の重大事はなかったのだし、無条件降伏とは戦勝国の言い分には原則一切異議申し立ては致しません、ということでもあったのだ。ただ、大阪高裁の裁判長の「大戦ではほぼ全ての日本国民が深刻な被害を受けたことだから、抑留者が特別なものではない」という意味の発言は、比較してその軽重を問うには妥当なコメントではない、》

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2011年1月17日 (月)

大学入試

 毎日新聞(1/17)社説 から、《 》内は私見。
 大学入試センター試験を経て受験のピーク時期を迎えた。受験生には今の不況や雇用不安を反映し、地元、資格、理系志向が目立つという。

 一方、今、大学入試のあり方にも目を向けたい。少子化などによる「全入時代」到来で、定員割れの大学も珍しくない。学力試験抜きの選考も多く、入学生の学力をどう確保するかが深刻な問題になっている。解かねばならない。

《日本の大学の学力低下は目に余るものがあるようだ。全入時代とは言葉は悪いが「一握りの大学を除けば、バカでもちょんでも大学生になれる」ということだ。その原因とするところは明確だ。敗戦後、雨後に生える筍のように、行き当たりばたりで次から次に大学と名のつく箱ものを増やしてきたからだ。反面というか、当然というか、経営面からは頭数を集めるために学力の水準は年々下がり続け、行き着くところ大学は学びの場所でなくなり、ただ青春を謳歌するキャンパスライフの場に変わってしまった。増して学校側は頭数を増やすためには朝寝坊学生には自宅へモーニングコールをかけるようなことまでして媚を売るお客さん扱いだ。ここまで学生を客扱いする。結果は就職してもそそくさと辞めていく役立たずの人間を量産するだけだ。》

 これには中央教育審議会などの提起があり、文部科学省の委託で専門家たちが昨年「高大接続テスト」(仮称)導入の具体策を報告した。

 高校の基礎教科・科目の全面に亙り、基本的な達成度を測る共通テストをし、大学教育に接続できる学力を担保する。そういう発想だ。つまり、多くの大学でまず高校レベルの補習をせざるを得ないような現状を、何とか改めたいというものだ。

 戦後の経済成長とともに大学進学率は高まり、入試は学力の「評価」というよりも、小刻みな点差でふるい落とす「選抜」になった。

 学園紛争を経て70年代、知識偏重の入試批判が強まる。79年からの国公立共通一次試験は満遍なく多科目の基礎学力を見るのが主眼だったが、偏差値による学校序列化を招き、90年から私立も加わり、各大学が志願者に対し自由に受験科目を指定できる現行のセンター試験になった。

 同時に高校の多様化によって必修の削減などがあり、入学してくる高校卒業生学力が低下したという指摘が大学側から相次ぐようになる。また「全入」状態だと、一定以上の学力で選抜することも難しい。

 一方で、面接などでたような人材を選ぶためのはずのAO(アドミッション・オフィス)や推薦入試が、学生確保の方便になっているのではないかという批判も多い。08年度に学力試験を経た大学入学者は56%で、私立に限ると5割を切っている。

《増え過ぎたものを減らす知恵は、先ずは「削減」か「淘汰」だが、箱自体を減らす作業は全くといっていいほど放置したままだ。》

 「接続テスト」はこれまでの共通一次やセンター試験に代わるものではなおという。基礎学力達成度を1点刻みではなく幅のあるスコアで示し、大学側は受験者の広い基礎学力を見る資料に活用できる。生徒は複数回これを受けることができ、教師はこれで基礎学力達成へ生徒をリードをする‥‥という構想だ。

 文科省は研究を進めるというが、これをバネに、遅々としてきた入試改革論議を急ぎ進めてはどうか。入試は本来、その後の高等教育につながる力を測るものだったはずだ。

 実りあるものにするため、批判や異論も必要だ。難題も生じ、手間もかかるはずだ。ただ、大学教育の国際標準化などが論じられている中、入試の現状が先送りできない問題であることは明らかだろう。

《現状、中・高生程度で大量卒業してくる大学生を、「高大接続テスト」の導入の効果で、どれだけ減らすことができるのか、先ずは試してみることだ。》

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2011年1月15日 (土)

OECDによる学習到達度調査が語る日本の15歳の実態

 毎日新聞(1/15)から、
 経済協力開発機構(OECD)が3年ごとに世界各国の15歳を対象に実施する学習到達度調査(PISA*)。昨年12月に公表された09年度の調査では、日本の学力低下傾向に歯止めがかかったことが話題になったが、他にも教育に関する諸外国との違いが分かる興味深いデータが示された。

 *PISA ‥‥ 15男女(日本では高校1年相当)を対象に、単に知識の有無を問うのでなく、人間が生活するのに必要な能力を測る国際学力テスト。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野と質問紙調査からなる。
 調査は00年にスタートし、09年は65カ国・地域で約47万人が参加。結果は昨年12月に公表された。日本は読解力8位、数学的リテラシー9位、科学的リテラシー5位といずれも前回より順位を上げた。一方で初参加の上海が3分野すべてで1位となるなど、アジア勢の台頭が目立った。

  Pisa 日本の生徒は、外国に比べて学校の先生をあまり信頼していない‥‥。調査からは、こんな実態も浮き彫りになった。

《以前からメディアが教師のマイナス面を論(あげつら)い、保護者らがそれに踊らされてきた弊害に遠因があろう。当然、家庭生活における学校や教師への評価が子どもに反映されることは至極当たり前のこととなるだろう。》

 PISAには、生徒の家庭環境や学習条件、学校の置かれた状況を調べる「質問紙調査」がある。このうち生徒質問紙をみると、「助けが必要なときは、先生が助けてくれる」という問いに肯定的な回答をした日本の生徒は63・5%。OECD平均(78・2%)を15ポイント近く下回った。また、「たいていの先生は、私を公平に扱ってくれる」でも74・4%となり、OECD平均(79・2%)を5ポイントほど下回っている。

《1番、2番と優劣をつけることを避けた教育方針が、平等と公平の理解不足を生んだ結果として、日本の生徒に親譲りの序列を嫌う「皆と同じ」意識を植えつけたことが要因にあり、被害者意識の妄想の表れとみることができる。》

 国や家庭が子どもの教育にかけた費用とPISAの成績の相関を見ると、日本は比較的“効率良い”結果だった。

 OECD加盟34カ国について、読解力の得点と、6〜15歳までの10年間の児童・生徒1人当たりの教育支出(教職員の人件費や学校設備費、授業料など)をまとめると、日本の得点は520点で上位5番目に位置する一方、教育支出は7万7681米ドル(932万円、教育支出の調査があった07年当時のレート1米ドル=約120円で換算)で14番目だった。

 加盟国の中で最高得点を記録した韓国は539点で、教育支出は6万1104米ドル(733万円、同)。また、日本と点数の近かったニュージーランドは521点で、4万8633米ドル(584万円、同)。いずれも「コストパフォーマンス」は日本よりも良かったといえる。

 一方、教育支出が最も多かったルクセンブルクは15万5624米ドル(1867万円、同)と日本の2倍以上をかけたものの、得点は472点と振るわなかった。日本と同程度の教育支出だったイタリアは483点だった。

 文部科学省の担当者は「総じて教育支出が多いほど得点は高くなる傾向がある」と前置きした上で「日本は諸外国と比較しても、効果的、効率的な教育システムを構築できているのでは」と指摘する。

《とはいながら、平均値として言えることで、日本では裕福な家庭の子がいわゆる良い学校,良い大学へ進学する傾向は否定できない事実だ。》

 読書を趣味と答える生徒が増えるなど、日本の子どもの読書離れには一定の歯止めがかかったものの、依然先進国水準には達していなかった。

 「読書は大好きな趣味の一つ」と答えた生徒は42%で、OECD平均(33・4%)を上回り、00年調査から5・5ポイント増加した。さらに、「本を最後まで読み終えるのは困難だ_と答えた割合は00年比12・2ポイント減の28・4%、「読書は時間の無駄だ」が同4・5ポイント減の15・2%と、読書に対し消極的な意識を持つ生徒は減った。文科省は「朝朗読」など最近の学校現場の取り組みの成果が出てきたと分析している。

 また、趣味としての読書時間を聞いたところ、「趣味で読書はしない」という回答は00年の55%から44・2%に減り、11ポイントほど改善した。とはいえ、OECD平均(37・4%)に比べれば,依然として読書しない生徒の割合は多い、読書時間が長いほど読解力の得点が高い傾向は各国に共通しており、読書習慣の向上は引き続き大きな課題だ。因みに、学力トップの上海は「読書しない」が8%にすぎず、逆に毎日31分以上を読書に費やす割合が56・1%(日本は30・4%)と突出していた。

《趣味の解釈を娯楽と取るか教養や涵養などと取るか、或いは趣味は勉強と答える子もいるだろう。55%という数字が44%になったことが改善と取るのは一面的に過ぎるのでは。》

 日本の子どもたちが、諸外国に比べインターネットを活用し切れていない様子も明らかになった。パソコンや携帯電話を使い、「週に数回」または「日に数回」は「生活情報をネットで建策する」と回答した日本の生徒は21・5%(OECD平均35・5%)、「ネット上で辞書を使用する」は32・6%(同39%)。「ネット上で討論会やフォーラムに参加する」は、OECD平均で19・6%、最多の香港では5割を超えたのに対し、日本はわずか2・8%。調査した7項目のうち、日本の生徒がOECD平均を上回ったのは「メールを読む」の88・3%(同63・7%)だけだった。

《保護者の育児怠慢と放任で、日本の子どもたちがケータイに振り回され、携帯に支配されている様子がまざまざと反映されている。》

 また、自宅のパソコンの有無も調査し、「使っている」「あるけれど使っていない」「ない」の三つから選ばせた。日本の家庭のパソコン保有率は81・6%だったが、それでもOECD平均(89・1%)よりは少ない。しかも、「あるけれど使っていない」生徒が、加盟国以外も含めた45カ国・地域の中で最多の10・8%に達したため、実際に「使っている」生徒は70・8%(同86・5%)だった。

《自宅にパソコンが複数台あって調査対象の年齢にある子どもたちがいつでも使用できる状態にあるものか、あるけれど親のもので空き時間以外は使わせてもらえないものなのか、調査が子ども専用のものの有無を対象としたのかも不明だ。日本の15歳の実態、とした記事だが、物差しがはっきりしない茫洋とした内容だ。》

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2011年1月14日 (金)

公立小中の完全給食実施にばらつき

Kyuusyoku_2 毎日新聞(1/14)から、
 主食とおかず、ミルクが揃った「完全給食」を実施している公立中学校の割合は、都道府県間で100〜7・7%と大きくばらついていることが、文部科学省の09年度学校給食実施状況等調査で分かった。千葉、富山、愛知が100%の一方で、大坂は7・7%、神奈川は16・1%。食育の教材として給食普及を求めている文科省は「実施は自治体の判断だが、実施率の低い自治体でどんな食育が行なわれているか調べたい」としている。

《文科省がいう「食育の教材として」の結果を求めるのなら、その調査の対象が公立校だけであることは片手落ちというものだろう。私立校は弁当持参が圧倒的に多いから、食育は家庭の栄養管理で行き届いているとでもいうのか。》

 全国の国公私立の小・中学校、特別支援学校、夜間定時制高校の計3万4345校について、09年5月1日現在の状況を調べた。

 公立小の完全給食実施率は全国平均98・7%で、千葉,愛知、京都、宮崎など14府県が100%となり、最低の高知県で90%に達した。

 一方、公立中の全国平均は81・6%で年々上昇しているものの、依然小学校より17ポイント以上低かった。

 食育を巡っては、05年に食いく基本法が制定された。国は06年の食育推進基本計画で、教材としての給食の普及・充実を各教育委員会などに通知。学校給食法は完全給食の実施を努力目標としている。

 また、給食費も都道府県によって月額で最大約1500円の差があり、給食内容の差が金額に表れた。全国平均は4098〜4682円(小学低学年〜中学校)で、最高の長野が4759〜5509円の一方、最低レベルの大阪は3505〜4118円だった。

《給食内容の差が給食費の差になっているようだが、要因は給食費の滞納率とも関係があるのではないか。どうせ調査するのなら、細目には学校ごとの滞納率と献立内容にも触れる必要があろう。》

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2011年1月12日 (水)

自殺者3万人超す

 毎日新聞(1/8)から、
 警察庁は7日、さ,昨年1年間の全国の自殺者数は3万1560人で前年より1285人(3・9%)減ったとする暫定値(速報値)を発表した。自殺者が3万人を超えるのは13年連続となるが、02年以降では最も少なかった。

 政府は昨年2月、「いのちを守る緊急プラン」として自殺を減らすための対策を打出した。9月には専門チーム「自殺対策タスクフォース」を設置し、自殺者を2万人台に減らす目標を掲げたが、昨年も3万人を超えた。

《死ぬな,死ぬな、いのちを粗末にするな、生きていればいつか良いことも巡ってくる、のかけ声で人は覚悟した死を中止するのだろうか。「いのちを守る緊急プラン」にしろ、「自殺対策タスクフォース」にしろ、自殺者を3万人から1万人減らせる目算があったのだろうか。それに、自殺を減らさなければならない根拠、理由は何だろうか。自殺を認めない宗教もあるが、自殺を思いとどまらせた後、すぐにも挫折しそうな人間が自殺の誘惑を払いのけ、生き延びたとして当の人間の人生に、生きていてよかったと思える生き甲斐の補償を約束できるのだろうか。多分、無責任に、それは本人次第だ、と言うことだろう。》

(社会実情データ図録から)
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 自殺者のうち男性は2万2178人
(前年比1294人減)
 女性は9382人
(同9人 増)

 月例でみると、6月までは
 各月で前年同月を下回り、
 減少傾向が続いたが、
 7月に増加に転じた。タスクフォースの設置とともにキャンペーンを展開した
 9月と翌10月は減少したが、
 11月は再び増加した。

 都道府県別では東京都の2938人が最も多く、大阪府2031人、神奈川県1810人、埼玉県1717人、愛知県1573人と続いた。警察庁は今後、原因や動機別の統計をまとめ、確定値として公表するという。

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2011年1月11日 (火)

「小さく産んで大きく・・・」に警鐘

 毎日新聞から、
 日本では、低体重兒の出産が増えている。約10人に1人が体重2500グラム未満の低体重兒として生まれ、割合は先進国でもトップクラスだ。大きな要因の一つに、若い女性の痩せと、妊娠時の栄養不足が挙げられている。近年、低体重は、将来の生活習慣病の発症に関連することが分かってきた。現状と背景について専門家に聞いた。
    1315





 厚生労働省の人口動態統計によると、低体重兒の割合は、60〜70年代前半には減少しつつあったが、5・1%の75年ごろを底に上昇に転じ、09年は9・6%に増え、実数は約10万2700人に上る。体内にいる期間ごとの分析からは、早産ではなく通常の出産にも拘わらず、低体重兒の割合が増えていることも分かっている。03年には、経済協力開発機構(OECD)加盟国中でトップの割合だった。

 こうした現状について、福岡秀興・早稲田大教授(生殖内分泌学)は「背景には女性の痩せ願望が非常に強いことや、妊婦の間でも太らない方が良いとする風潮がある」と指摘する。

《育児書か、ただの痩せ願望の理由づけか不明だが、「小さく産んで大きくそだてる」とは一時、流行のように聞かれたものだ。“そんなばかな”とは思ったが、骨と筋だけのキリギリスになりたい女性の痩せ願望にはぴったりの合い言葉に聞こえた。》

 世界保健機関(WHO)の報告では、途上国を除き、日本は諸外国に比べ、痩せた女性の割合が突出して多い。厚生労働省の国民健康・栄養調査でも、BMI(体格指数)が18・5未満の痩せが若い女性で多く、20歳代では2割を超す。20歳代の1日のカロリー摂取量も年々減少し、09年の平均は1659キロカロリーで、普通の活動量で必要な2050kcalを大幅に下回るうえ、20〜60歳代の中で最も少ない。妊婦の平均カロリー摂取量も、必要とされる量を約280kcal下回るという報告もある。

《テレビの中に出てくる見苦しいほどに痩せ細ったモデルたち、脚などは膝の関節がゴツゴツとこわばり、決して綺麗とも美しいとも思えないが、彼女たちを美のモデルとして一層痩せることに精出す若い女からおばさんたち。時代が求めているのかも知れないが、ふくよかな大和撫子は現在の日本には探しても見当たらない。》

 一方で、近年、妊娠中の低栄養や低体重が生まれた子の成人後の健康に悪影響を及ぼすことが、さまざまな研究で明らかになってきた。関連を示す最初の疫学調査は、76年に発表された。第二次大戦中のオランダで、食糧輸送路が遮断されたため飢餓状態に置かれた地域で胎児期を過ごした赤ちゃんが、大人になって高い確率で肥満になったという報告だった。

 その10年後、英国サウサンプトン大のデイビッド・バーカー教授らが、「成人病(生活習慣病)の素因は、受精直後から胎児期、乳児期にかけて形成され、出生後に悪い生活習慣で負荷がかかると発症する」という「成人病胎児期発症仮説」を提唱。その後、低体重が
  虚血性心疾患
  高血圧
  2型糖尿病
  肥満
  神経発達異常
  脳梗塞
などの病気の発症率を高めることが、世界中で次々と報告された。

 低体重がなぜ発症につながるのか。疫学調査や動物実験などから、次の仮説が一般的とされる。胎児期に低栄養状態にさらされると、適応するために遺伝子の機能を調節する仕組みに変化が生じる。変化は生まれた後も続き、出生後の豊かな栄養環境に適応できないため、やがて病気を発症する。ただし、福岡は「低体重で生まれても、、スキンシップや母乳育児、適度な日光浴、十分な睡眠など、適切な育児と生活習慣指導で、発症は抑制することが可能と考えられている」と話す。

 痩せた女性や低体重兒が多い日本の現状に対し、日本学術会議の分科会は08年、「出生前・子どものときからの生活習慣病対策」という提言をまとめた。「極めて深刻な状況だが、社会的認識は十分ではなく、対策が遅れている」として、
   女性の痩せの健康障害や妊娠女性の栄養状態が
     子どもに与える影響の研究
   妊娠中の栄養状態などの教育・啓蒙活動
   生活習慣病を防ぐ効果のある母乳育児
の推進などを掲げている。

  厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針」によれば、妊娠中の体重増加は、BMI18・5未満は9〜12キロ、同18・5以上25・0未満は7〜12キロ、同25・0以上は個別対応、が望ましい。

 福岡は「『小さく産んで大きく育てる』という考え方は間違い。赤ちゃんの将来のためにも,妊娠前から十分な栄養をとってほしい。カロリーなどに加えて特に、遺伝子の機能を調節する仕組みに必要な葉酸、ビタミンB群などの栄養素で必要な量を摂取するよう心掛けて」と呼びかける。

《いずれにしても、母体が痩せていては、丸まるとした健康な赤ちゃんは産まれようがないからだ。》

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2011年1月10日 (月)

飼い犬に免許制導入(スイス)

 毎日新聞(1/10)から、
 大型犬が列車やバスに乗り込み、飲食店で足元にうずくまる。そんな光景が、スイスでは珍しくない。厳しい躾のたまものだが、そこまでしない場合でも、昨年9月から、すべての犬と飼い主に法律で講習と訓練が義務づけられた。規則の厳しさは欧州一だ。

 昔から毎年、1匹ごとに税金もかかる(自治体ごとに異なり、ジュネーブ市では1匹目約7000円、2匹目約9300円、3匹目約1万3300円)。犬も人間並みの社会的責任を負わされて暮らしてきたが、加えて08年9月から、新たに飼う犬には免許制が導入された。

 きっかけは05年末、チューリッヒ州で起きた事故だった。6歳の男児が登校途中、3匹のピットブル犬*に噛まれて死亡した。その後も幼児が襲われる事件が続き、規制強化の世論に押されて、連邦政府は免許制の導入に踏み切った。講習と訓練もこの時、義務化に向けて2年間の試行期間が始まった。

 《* 闘犬とすることを目的に、初期のブルドッグとスタッフォードシャー・ブル・テリアなどの交配種で、筋肉質で力が強く、身体能力が高い。闘争心があり、番犬や護衛犬として利用された結果、人に牙を剥く獰猛な犬種として一部の国では飼育が規制されている。しかし、本来は我慢強く、素直で、人間に対して忠誠心と服従心が強い性格で、賢い犬とされている。》

 講習は、初めて犬を飼う人が、犬を手に入れる前に2時間半受ける(約6000円)。内容は、躾けの大変さ、税金以外に掛かる経費、例えば犬の体に埋め込んで飼い主を識別できるようにする番号登録の電子チップ(約7600円)や毎年の予防注射(狂犬病用約6700円、その他約8000円)などの講義だ。ジュネーブ州で訓練学校を経営するマルティネスによると「話を聞いただけで飼うのを諦める人も多い」という。

《殺処分される犬の多い日本にも、犬税の導入、飼い主識別の番号登録制度による電子チップの採用は必要と考える。》

 犬を手に入れたら、1年以内に,飼い主自身が計4回・各1時間、犬を連れて躾けの実技訓練を受ける(費用計約7000円)。全課程を修了したら、免許取得の証明書がもらえる。試験は特にない。無免許で犬を飼うと罰金(約1万7300円)だ。

 訓練を見学した(駐ジュネーブ:伊藤智永)。我が侭な犬がいると、訓練士が飼い主に「今朝、散歩しましたか。言うことを聞かない場合は、あなたのせいですよ」とユーモアまじりに注意する。訓練士のグリッセンは「本当に教育するには4時間じゃ話にならないよ」と肩をすくめたが、免許制の導入後、来校者数は3倍に増えたという。ただし、街で散歩する犬の糞を始末しない飼い主は以外に多く、「犬税」は毎朝の街路清掃費に誓われる。あれこれ高コストの義務を負っているのに、マナーは今一つというちぐはぐな面も見える。

《日本もスイスもマナーには代わりがないようだ。ブログの中の写真でもスイスはチューリッヒの街の落書きを取り上げたが、日本人と同じようにスイス人も、高い税金を取っているんだから、糞の始末はやっても当然だろう、ぐらいに考えているのかもしれない。》

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2011年1月 8日 (土)

「中国」親元訪問を義務化

 毎日新聞(1/8)から、 《 》内は私見。
 「一人っ子」政策によって急速な高齢化が進む中国で、《記事(北京・浦松丈二)の表現は変だ,「一人っ子」が原因で高齢化が進んでいるような文章だ。》高齢の親と別居する子どもに対して、日常的に親元を訪問することが法律で義務づけられる見込みになった。5日付けの中国各紙が、所管する民政省幹部の話として伝えた。

 中国では96年に施行された「高齢者権益保障法」の改正作業が進められており、民政省がまとめた改正案が近く全国人民代表大会(国会)に提案される見通しだ。

 改正案では、高齢者の「精神慰謝」という1章が追加され、そこに「高齢者と別居している扶養者は日常的に高齢者を訪れなければならない」と規定されている。「日常的」の定義や頻度などは実施細則で定める方向だ。

 義務化する背景には、1人暮しなどで孤立する高齢者の急増がある。中国で同法の対象となる60歳以上人口は約1億6700万人。うち半数以上が子どもと別居している。

 親孝行は中国で最も尊重される道徳の一つ。だが、双方の親4人を扶養する「一人っ子」夫婦にとっては、遠い親元を頻繁に訪れることが難しいという事情もある。しかし、法律改正が実現した場合、違反した子どもたちを親が訴えることも可能になるという。

《中国の夫婦が親と離れる距離は日本の何倍も遠いだろと想像できる。日本のような小さな国でさえ家庭を持てば盆、正月ぐらいしか親元に戻らないのが当たり前のようになった。まして、広大な土地を持つ中国の生活だ。これを法律で日常的に子は親元に戻れ、ということだ。日常の規定はこれからということだが、孫のお年玉や小遣い目当ての顔見せではとても足りる頻度ではないだろう。》

《最も尊重される道徳の親孝行は、ひとり中国だけのものではなかった。現在、しばしば取り上げられる二宮(金次郎)尊徳は戦前の日本人には親孝行の鑑(かがみ)として小学生でも知る人物だった。しかし、教育勅語でも、『爾(なんじ)臣民父母ニ孝ニ兄弟(けいてい)ニ友(ゆう)ニ・・・』と真っ先に親への孝行を説いていたが、勅語全体の皇国史観、天皇中心の国体思想が敗戦を境に否定され、その考えにつられるように尊徳の親孝行の道徳の精神も次第に忘れられていった。》

《その結果はどうなっただろうか。家族に看取られずにひっそりと死ぬ親が増え、身元が判明しても子は遺骨や位牌の引き取りを拒否し、親は無縁仏同様になり果てる。酷い例では漬け物樽に入れた親の遺骨を寺に運び、後で取りにくると言ったきり、梨の礫の遺族までおり、寺が引き取って供養してやがては土に帰すこととなる。》

《中国の法制化は、家庭や家族を考える上で日本でも参考になることが多いのではないだろうか。》

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2011年1月 6日 (木)

企業が新卒者に求める資質

 毎日新聞(1/6)から、
 経済同友会が昨秋行なった「採用と教育に関するアンケート」で、“実務能力”を重視する姿勢に変わりつつあることを示す結果が出た。内定率が就職氷河期を下回る状況が続くなか、「熱意・意欲」や「筆記試験の成績」を重視する企業が減少し、説明能力や適性を測る試験結果を重視する企業が増加。即戦力を求める採用側の傾向が浮き彫りになった。

 調査は97年以降2〜4年おきに行なっているもので、今回は昨年10月8日〜11月8日に経済同友会所属の全国の846社に対して実施、230社から回答を得た。建築など製造業57社、金融、IT関連など非製造業167社で、回答企業の来年度の新卒者予定採用合計数は約2万6900人。新卒者を大学院、大学、短大、高専、専修・専門学校の5グループ(前回08年調査は高専を除く4グループ)に分け、「求める能力」「選考方法と基準」などを聞いた。

 まとめによると、「求める能力」は、全グループで「熱意・意欲」が1位となったが、重視する企業は、グループ別で前回調査の70・5〜78・6%から、67・7〜77・1%に減少。前回4〜9位とばらつきがあった「論理的思考」が全グループで4位に上昇。営業現場などで説得力のある説明をする能力が求められている様子がうかがえた。「問題解決能力」の数値のアップも目立った。

《ここ何年も前から指摘されてきた新卒者のコミュニケーション能力の不足に、どの企業も手を焼いている様子が如実に表面化したようだ。ケータイで気心知れた仲間うちだけの幼稚な会話のやり取りレベルは、面接直前のにわか仕立ての予備練習では到底間に合わず、試験官の人物を見抜く目には止まりようもない。また、問題解決能力が必要なのは、どんな企業にも必要な資質で、面接官の前でどんなに 熱意・意欲を語ろうが、短・大卒者ともなればそれだけでは不十分だ。一所懸命は当然で、言われたことを一所懸命では、言い方を変えれば、言われたことしかできない、ことの同義語でもあるからだ。
 また、「問題」一つを考えても、いろんな問題がある。
  問題が何かが分からない問題
  問題であるのに問題とわからない問題
  問題でないのに問題と思う問題 など、
企業が必要とする「問題解決能力」を備える人材とは、常に考えることができる人のことだ。考える能力は、面接官は一つの質問、一つの回答の会話のやり取りの中で心に響く物があるのだ。》

 選考方法で最も重視されるのは、全グループが前回同様に「面接の結果」だ。2位は高専を除いて、100問前後のマークシート方式で実行力などを測る「適性試験の結果」となり、大学以外は、一般常識などを問う「筆記試験の結果」が2位だった08年から変化した。

 文部科学省の調べでは、昨年10月1日現在の11年春新卒予定者の就職内定率(高校は10月末現在)は大学57・6%、短大22・5%、高校57・1%で、93〜05年ごろの就職氷河期以下のレベル。文科省は11月、経済同友会などの企業側と大学側が参加する懇談会を設置し、この席で企業側から「大学教育の中で、即戦力となる人材を育ててほしい」と要望が出されていた。

 アンケートでは、「研修費用の一部個人(本人)負担」について、実施済み企業が12・2%で今後行ないたいとする企業を含めると23・9%に達した。経済同友会は「不況で研修費を削らざるを得ず、研修が最低限ですむ即戦力を求める傾向が強くなった」と分析している。

《学校を出て、ニートになりたくないのなら、学生生活をエンジョイするのもいいが、恨み言を言う前に、社会に参画して役に立つ考える力を身につけておくことだ。》 

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2011年1月 5日 (水)

車の運転、妊婦でもOK、ノンアルコールビール

 《例年通り、興味も失せた紅白も見ず、初詣にも行かず、のんびりと暮れからの1週間を自宅で過ごした。これといって取り上げるほどの話題もなかったが今日、同性愛者のエルトンジョン(63)と男(48)のカップルに昨年暮れの29日、5年目にして子どもが生まれたとの報道があった。私のような偏見の塊には聞くだけで気持ちが悪くなる話なのだが、彼らどちらかの精子(63歳の爺さんのものか、48歳のものか)を使った代理母による試験管ベビーだったようだ。いずれにしても同性同士のカップルには、生物学的には子をもつことは全く不可能であることを承知のはずだ。本来、不妊に悩む女性を救う対策としてうまれた技術が、趣味でカップルになった男性間でも子どもが欲しいというだけで、易々と手に入れることができることを、医学倫理の面から放置したままでいいのだろうか。まして代理出産の謝礼には、病院や代理母への謝礼として、日本円8200万円相当もの金銭が動いているのだ。彼らは金銭で子どもを購入したのと何ら変わらないことをしたことになる。それほどにも子どもが必要なら、きちんと出産機能を備えた女性を相手に選ぶべきだ。そうでなければ同性間カップルで子どもなど望むべきではない。》

《日本でも、女性同士のカップルで、知り合い男性の精子による出産例がある。同じように子どもなど望み、持つべきではない。》

《精子にしろ、卵子にしろ、代理出産にしろ、医術から逸れて人間の命が物質感覚で好き勝手に取引される商ビジネスになっているのが実態だ。正月早々、嫌な話題に腹立たしい思いの2011年を迎えることになった。》

    山茶花
P1050372【閑話休題】『なるほドリ』欄から、

 アルコール分を全く含まない「ノンアルコールビール」の人気が最近、高まっているようだ。大手ビール会社によると、国内のノンアルコールビールの市場規模は08年の約120万ケース(633㍉㍑瓶20本)から、10年には、約1000万ケース(見込み)に拡大したそうだ。

 Q 低アルコールビールというのもあったが

 A 02年の道路交通法改正で飲酒・酒気帯び運転の罰則が強化されたのに合わせ、ビール各社はアルコール度数0・5%未満の「低アルコールビール」を相次いで発売した。通常のビール同様、麦汁に酵母を加え、アルコール発酵させて風味を出す。発行時間や温度の調整などでアルコール分を抑えたが、ゼロにはできない。体質によっては酔う恐れがあるとして、市場では広がらなかった。

 Q どうやってアルコールをゼロにしたんだろう

 A キリンは09年、世界初のアルコール0%のビール風味飲料「キリンフリー」を発売した。発酵工程をなくし、麦汁に香料などを加えることでビールの風味を再現している。他社もさまざまな製法で追随し、高速道路のサービスエリアやゴルフ場などで積極的な販売促進キャンペーンを展開した。ドライバーの他、妊娠中の女性などこれまでビールを飲みたくても飲めなかった人たちの需要の掘り起こしに成功した

 Q 味は普通のビールと違うのか

 A サントリー酒類の「オールフリー」、アサヒビールの「ポイントゼロ」、サッポロビールの「スーパークリア」など、キリンフリー以降に発売された商品は、香料の調合技術の進歩などにより、いずでも本物のビールにより近い味や香りに仕上がっている

 Q 子どもが飲んでも大丈夫かな?

 A アルコールが入っていないので、健康へぼ影響はない。未成年者飲酒禁止法が規制しているのはアルコール分1%以上の飲料なので、ノンアルコールビールを未成年者が飲んだり、未成年者に売ったりしても同法には触れない。一方、「飲酒習慣をつけるきっかかえになる」との批判もあることから、メーカーは小売店に対し、未成年者には売らないよう要請しているという。強制力はないので、未成年に売るか、売らないかの判断は最終的には小売店側に任されている。

《罰則なしで規制しようとしても、うまく行くはずはない。害のないものなら未成年者にも捌いてどんどん販路の拡大を図ることになるだろう。将来の飲酒運転予備軍を育てるようなものだ。》

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