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2010年12月13日 (月)

日本の「草食系」よりも、中国人学生を

 毎日新聞(12/9)から、
 日本企業が中国の大学新卒者採用に力を入れている。中国にビジネス拡大の思惑に加え、最近は「草食系と言われる日本人大学生より優秀な中国人大学生を取り込み、アジアなどグローバル展開に活かしたい」(衣料品大手)と考える日本企業が増えている。中国人新卒者の国有企業や欧米企業志向は依然根強いが、日本企業は「幹部候補生の本社採用」をアピールし、人材獲得に躍起だ。

 《男尊女卑の過去も、今では反動のように女尊男卑となった。男の萎縮は酷いものだ。道行く人間も、テレビの画面の中もオカマや動作、衣装、髪型まで性別不明のなよなよした人間が盛り沢山だ。09年の人口動態統計でも表れているように、草食系男子に対して恋愛に関しても女性を言うには肉欲系女(肉食ではない)と呼ぶに相応しい女が増えた。そのくせDVという言葉は何事にも「女性はか弱い」に置き換えるためにあるようなものだ。だが実際は、現在、ほんとうに弱いのは男の方だ。男が優しいことは良いことだと幼いころから育てられるのはいいが、優しいことを通り越して引っ込み思案で弱々しく、女々しく臆病で、ただただ脆弱になっていく。就職しても3年そこそこで弱音を吐いて多くが辞めていく。》

 「中国以外の海外事業の展開をどう考えているのか」「本社幹部候補生としてどんな研修をしてくれるのか」。人材大手、リクルートが11月上旬、中国の有力大学新卒者を対象に北京と上海で開いた日本企業の集団就職面接会。会場の高級ホテルにはスーツ姿の北京大や清華大などの4年生や大学院生が詰めかけ、企業の採用担当者に熱心な質問を飛ばした。

 面接会には、インターネットで中国の有力大の学生約1万人が応募。適性テストなどで選抜された1000人(上海と北京各500人)が日本企業の面接に臨んだ。11月6日の北京での面接会にはダイキン工業やカゴメ、豊田通商、みずほフィナンシャルグループなど日本の大手企業17社が参加。「日本人大学生と比べて、チャレンジ精神にあふれた学生が多い」と企業側の手応えは上々だ。コニカミノルタホールディングスの吉田一・人材採用グループリーダー(部長)は「中国市場開拓に加え、将来的には本社の幹部としてグローバル経営を支える人材に育ってほしい」と期待する。

 法務省によると日本企業の外国人留学生採用は00年代半ばから急増。中国人は7割程度を占める。ここ1〜2年は留学生だけでなく、直接中国の大学から採用するケースが増えている。

 日本本社の採用は、初任給で現地採用の6〜7倍と待遇が良く、将来の幹部登用の道があることから、学生側も意欲的だ。毎年600万人超の新卒者が出る中国では、国有企業や欧米企業志向は相変わらず強いが、最近は雇用や待遇が安定し、研究開発に打ち込める日本企業への就職も見直されているという。

 面接会に参加し、情報管理を学ぶ北京大4年生の男性、朱京野(22)は「日本企業は研修制度がしっかりし、社員の質が高い」と志望動機を説明。メディア経営学を専攻する清華大大学院の女性、雛晶(23)は「中国の国有企業は待遇はいいが、人間関係が大変。大学で学んだ日本語を仕事に生かしたいが、日本企業は女性の登用が遅れ、昇進できるのか少し心配」と早くも将来を思っていた。リクルートによると北京と上海の面接会で計60〜70人の内定が決まった。

Photo_3 「お辞儀の角度はこのくらいで」。東京都港区の日本語学校では10月、有力企業に就職が内定した約60人の中国人の大卒エリートたちが早朝から夕方まで日本語やマナーの講習を受けていた。11月から早速、IT(情報技術)や製薬関連会社での勤務に就いた。

 7月に北京大大学院でIT関連の修士号を取得したばかりの楊(仮名:25)は、携帯端末向けコンテンツを開発する大手IT企業(東京都渋谷区)に就職した。大学院在学中、中国の検索サービス最大手「百度(バイドゥ)」でインターンシップを受け、「ゲームやネットオークションなど携帯向けコンテンツは日本が最先端」と実感したからだ。同級生の多くは国有企業に就職したが、楊は「日本で経験を積んで、中国でITベンチャーを起こす」と語る。

 楊ら6人は、「リンクアンドモチベーション」(同中央区)など複数の人材コンサルティング会社が中国の有力大学卒業社約8000人から選抜。日本企業約20社に採用された。採用実績は選抜事業を始めた08年が22人、09年は37人、来年は今年の倍の120人を見込む。

 中国人新卒者の本社採用のさきがけはソニー。「成長期待が高い中国で消費者に受ける商品を開発する」(関係者)狙いから03年に有名大大学院生らを対象に選抜試験を実施。50人超を採用した。その後も毎年10〜30人の中国人大学生を本社で定期採用している。

 当時のソニーの人事担当幹部で現在は人材コンサルタント会社を経営する中田研一郎イノベーションズ社長は「日本は理系大学生が減り、質も低下している。対照的に中国の有名大学の学生は各省から選抜された秀才で、1日10時間は勉強している。入社時から能力の差は歴然」と話す。

 90年代後半から00年代始めの「氷河期」以上とされる厳しい就職状況に苦しむ日本人大学生を尻目に、日本企業の熱い視線を浴びる中国人大学生。その様子は中国への依存度を高める日本経済の姿も写し出している。

《勉強するのは大学合格までで、その後はキャンパスライフを謳歌するだけのような日本の大学生の在り方とは随分違っているようだ。》

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