リボ払いトラブル増加
毎日新聞(12/10)から、
クレジットカードで買い物をする際、利用金額にかかわらず毎月一定額を支払う「リボルビング払い(リボ払い)」を巡るトラブルが増えているという。6月の改正貸金業法の完全施行で借り入れが規制されたことを受け、月々の出費を抑えられ、同法の対象外である買い物のリボ払いの利用が増加していることが背景にある。カード業界はリボ払いの知識普及など初めて本格的な啓発活動に乗り出す。
リボ払いは、毎月の支払い負担が軽い反面、利用を重ねると元金がなかなか減らず、支払い期間が長引く恐れがある。30万円の買い物を手数料率15%、月5000円のリボ払いで行なうと、支払い期間は5年間に及び、総額41万498円が必要になる計算だ。
【リボ払い】
「リボルビング払い」の略で、クレジットカードによる買い物の額や件数にかかわらず、一定額の支払いを毎月繰り返す。英語の「revolve(繰り返す)」が由来。店頭で支払い回数を決める分割払いより毎月の支払い額を低く抑えられる場合が多い一方、利用総額が増えても毎月の支払い額が変わらないため、借金をしている感覚が薄れて残高が膨らんだり、支払い期間が長期化して手数料(年15%程度)の負担が重くなる問題点が指摘されている。
国民生活センターによると、リボ払いのトラブル相談は04年度の75件から増加傾向にあり、10年度は12月9日現在で314件。前年度同月比で約1・5倍に増えた。「10年以上、生活必需品をリボ払いで購入し、多重債務に陥った」(50代女性)、「リボ払いを滞納し、一括返済を迫られているが、無職で支払えない」(30代女性)といった内容が目立つ。
背景には、借り入れ規制でカード会社の収益の柱である個人向けローン(キャッシング)が縮小する中、「手数料収入が長期間得られるリボ払いショッピングを推進したい」(カード大手)との思惑もある。高めのポイントをつけるなど得点をアピールし、カード大手各社の4〜9月のリボ払い取扱高は、前年同期比で最大約4割増加した。
《カード嫌いの私は取引先の銀行発行のカードが1枚きりだ。通常の買い物はすべて現金買い。インターネット上での買い物も、すべて配達時に現金支払いでする。だからリボ払いのトラブルは個人的には未知の問題だが、妻はカードを集めるのが趣味かと思うほどたくさん抱えている。しかし、リボ払いは近所のスーパーの1枚のみだ。その1枚で2年ほど前にトラブルが発生したことがあった。レジでのカード読み取りの際、残高不足で「使用不能」だと。妻の銀行口座には十分の残高がある。しかし、その日は現金で精算した。翌日カード会社に入金した数日後、同じことがレジで発生した。その時もレジでその日の買い物は現金で済ました。スーパー内の担当に問い質して、リボ払いの限度額との関係で、起ることを聴いた。このことがあってから、妻は一切リボ払いを中止し、すべてを1回払いで処理している。》
ただ、リボ払いの無計画な利用が増えれば、カード会社にも焦げ付きのリスクが高まる。日本クレジットカード協会は来年1〜3月、インターネットを利用して啓発活動を実施する。リボ払いの利用頻度が高い20〜30代を主に想定して、協会のサイトでクイズ形式でリボ払いの仕組みを学べる。月間30万人の利用を目標に業界の対応をアピールする考えだ。
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