母親の不安は登下校時の安全
毎日新聞(12/25)から、
来春小学校に入学する子の母親が最も不安に感じるのは「いじめ」や「学校に馴染めるか」よりも「登下校時の安全」。小学館の学年誌「小学一年生」編集部の調査でこんな実態が浮かんだ。
重要性を感じる入学準備品のトップは「防犯グッズ」だった。わが子が犯罪や事故に巻き込まれる不安に敏感な意識が、世相を反映した結果といえそうだ。
調査は11月13〜17日、11年4月に小学一年生となる子どもの母親(20〜40歳代)を対象にインターネットで実施し、計500人が回答。母親がわが子の入学で最も心配や不安に思うのは、登下校時の安全21%、いじめ15%、犯罪や事件に巻き込まれること14%、以下、交通事故に遭うこと8%、学校に馴染めるかどうか8%、と続いた。
「最も」かどうかを抜きにして、不安を訴えた割合は、交通事故95%、犯罪や事件94%、登下校時の安全89%と、安全・防犯関係が上位3項目に集中した。
入学時に買いそろえる準備品で、母親自身や上の子の時よりも重要性を感じるのは、防犯ブザーや防犯機能付き携帯電話など防犯グッズ69%、ランドセル52%、学習机36%の順。防犯グッズを「持たせたい」「どちらかといえば持たせたい」と答えたのは9割近くに上った。「既に持たせた」(7%)と合わせると、ほぼ全員に行きわたる計算になる。
「小学一年生」の塚原編集長は「悲しい事件や事故の報道があらたびに親の心は痛む。子どもに防犯グッズを持たせる家庭が多いのは不安の証し」とコメントしている。
《防犯機能付き携帯電話が、子どもがらみの事件で事前に役立ち、犯罪の発生を防止したケースが実際にあったのかどうかのデータはあるのだろうか。逆に子どもが犯罪に巻き込まれた事件は、携帯電話不所持の子どもたちばかりなのだろうか。携帯電話の防犯機能が安全神話のように浸透しているようだが、大人と子どものあいだで事件が発生したその時、本当に大人から身を守るに役立つ利用法があるのだろうか。子どもの居場所(嘘も混じる)が確認できると信じて安心している親がほとんどの使われ方で、親は子の命が守れるのだろうか。旅行中のイタリアで、朝の通学時間、幼い子が母親の手に引かれ、続々と正門をくぐる風景に出会ったことがある。詳しい政府や学校の規則は分からなかったが、幼い子の身を守るには、親やそれに代わる大人が付き添うことが望ましい。が、両親が共稼ぎ、核家族の日本では望んでも無理なことだろう。》
《防犯グッズに気を遣うより、椅子に座ってせんせいのお話を静かに聞けるような躾をしただろうか、おしゃべりをしたり、歩き回ったりしないような躾けはきちんとしただろうか、お友達をいじめたりしないで仲良くできているだろうか、親の責任として恥ずかしくない躾けはしただろうか、などに心を配る保護者であって欲しいものだ。》
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