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2010年11月17日 (水)

こんにゃくゼリーの危険性は知っていて当然

 毎日新聞(11/17)から、
 08年7月、こんにゃくゼリーで窒息死した兵庫県内の男児(事故当時1歳9カ月)の両親が製造元のマンナンライフ(本社・群馬県)や社長らに対し、「商品に欠陥があった」として製造物責任法(PL法)などに基づき約6240万円の損害賠償と製造差し止めを求めた訴訟の判決が17日、神戸地裁姫路支部で言い渡された。中村隆次裁判長は「商品に製造物責任法上の欠陥はなく、子どもや高齢者への危険についての警告表示も十分だった」として請求を却下した。

Photo 判決によると、男児はミニカップ入りの凍った「蒟蒻畑マンゴー味」をのどに詰まらせて脳死状態となり、約2カ月後に多臓器不全で死亡した。

 両親は通常のゼリーと混同され勝ちなのに、口内で溶けず舌で潰しにくい、などと主張したが、中村裁判長は「事故当時、一般消費者は、この商品がこんにゃくの成分を含み、通常のゼリーとは異なることを十分に認識可能だった。事故の報道も広く認知され、食品の特性を意識しにくい状態ではなかった」と述べた。また、「吸い出して食べるため、のどに一気に到達しやすい」との指摘も「吸い出して食べる必要がないことは、容器の見た目や感触により容易に認識可能」とし、蒟蒻畑は「通常の安全性を備えている」と結論づけた。

《我が家でも、太り気味の妻が10年以上も前から食べていた。この男児の両親が、このゼリーを何故凍らせたのか知らないが、妻は冷蔵庫には入れても凍らせているのは見たことがない。凍ったゼリーの塊は小さな子どもの口には含むのも大変だったろうが、与えた親の方が愚かすぎる。裁判長も言うように、事故は早くから取り上げられ、新聞は読まなくても、子どもの命が失われた時には、テレビなどでは大々的に報道した。これらの報道は何年にも亙り事故発生の都度繰り返し報道され、その危険性は子をもつ親なら勿論のこと、誰でも認識していて当然のことだった。》

 また、「子どもや高齢者は食べないで」などとする包装袋の表示についても、「一般消費者に事故の危険性を周知するのに必要充分だった」とし、警告表示の点でも欠陥はないと判断した。

 この事故で、マ社は2カ月間の製造休止後、形状は変えず、こんにゃく粉の含有量を10%減らすなどして再開した。消費者庁によると、こんにゃくゼリーによる窒息事故は94年以降54件(うち死亡22件)。国民生活センターなどが警告を繰り返し、消費者庁は今年9月、安全指標つくりを始めたが、危険性が高いとする同庁と「餅に次ぎ、あめと同等」とする国の食品安全委の見解が分かれ、滞っている。

《しかし、書いてあるからそれでいい、ということで通らないのが訴訟社会のアメリカだ。弁護士の腕、いや口先一つのことだろうが、莫迦のようなケースもある。たばこケースには「健康のために吸い過ぎに注意」が書かれていても、肺癌になり、裁判の結果の判決ではメーカーに億単位の支払いを命じる(99年3月の約8000万ドル当時の日本円換算約96億円、2000年7月の9人が集団訴訟を起こした1450億ドル,同15兆円など)ことも現実にあった。うっかりすると、日本にもこの手の弁護士が現れないとも限らない。》

 マンナンライフ社のミニカップ入りこんにゃくゼリーに製造上の欠陥なしとの司法判断が示されたが、商品の安全性に関する法規制を検討している消費者庁は冷静に受け止めた。同庁の福嶋浩彦長官は判決を受けて、「判決は具体的な商品に関するものであり、こんにゃくゼリーを含めた食品全般で窒息事故を防ぐための法整備は必要であることには変わりない」と延べ、法規制を目指す方針を維持する意向を示した。

 今回裁判になった死亡事故は、政府が食品による窒息事故防止に取り組むきっかけとなった。業界団体はそれまでに相次いだ死亡事故を受け「お子様や高齢者は食べないで下さい」との警告などを包装に表示する自主ルールを導入していたが、再発を防げなかったためだ。この事故を受け、現在は「絶対に(食べないで)」と表現を強め、表示を大きくし、ミニカップのふたにも警告を入れた。しかし、商品本体への自主規制は見送られた。

 このため政府は、硬さや大きさに関する規制の検討を始めたが、リスク評価の諮問を受けた食品安全委が今年3月に「アメと同程度」との評価をまとめ、法規制は暗礁に乗り上げた。消費者庁は安全確保のために「法整備は必要」との立場で、食品安全委を納得させるためのデータ集めに奔走している。

《問題のこんにゃくゼリーは、飴と同程度となったが、その上には危険な餅がある。餅は昔から正月には欠かせない日本人の食文化の頂点にある食べものだ。これまでには餅を喉に詰まらせて窒息死した例はいくらでもある。この餅が危険だから、と形状規制の対象になることを想像すると、餅はどんな形のものに変わるのだろうか。》

 消費者庁は当面、硬さなどの参考基準値を年末に公表し、メーカーの自主的な改善を促す方針だが、判決は指針作りにも影響を与えそうだ。

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