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2010年11月 7日 (日)

自転車走行中 衝突で高齢者怪我、小学生が加害者に

 毎日新聞(11/7)から、
 自転車と歩行者に事故がここ10年で3・7倍に急増する中、自転車側に高額賠償を命じる判決が相次ぐなど、影響がじわじわと広がっている。同社のキャンペーン「銀輪の死角」に、多くの反響が寄せられた中からの事例。

 大阪市のパート勤務の女性(50)は、当時11歳だった長男が自転車で走行中、高齢者の自転車とぶつかり相手を骨折させる事故を経験した。長男は保険に未加入で、右側通行の交通違反を指摘され、計約80万円の賠償金を支払った。女性は「子どもが事故の加害者になるとは思いもよらなかった」と話し、「自転車利用者はもっと交通ルールを知る必要がある」と訴えた。

 女性は00年10月のある日の夕方、長男、長女と3人で、大阪市天王寺区の道路の右側歩道をそれぞれ自転車に乗って走っていた。先頭の長男は前にいた歩行者と駐車中の軽ワゴン車を避けようと車道に出て、対向してきた当時68歳の女性の自転車と衝突した。高齢女性は自分の自転車に取り付けていた傘をさす器具で胸を打ち、骨にひびが入って入院した。

 小学生の長男が人に怪我をさせるとは思いもせず、損害賠償保険には入っていなかった。「誠心誠意できることを」と、治療費を求められるたびに負担し、毎日のように見舞いに通った。

 約1カ月後、高齢女性は退院したが、さらに「見舞金」として約50万円を請求された。当時、夫の仕事は不況のあおりを受け、女性もパートの掛け持ちで家計を支え、その金額は大きな負担だった。雨は降っていないのに傘をさす器具をしまっていなかった高齢女性の「落ち度」も感じ、話し合ったが決裂して、大阪簡裁に持ち込まれた。

 《母親の言葉の相手の「落ち度」とは。我が家にももっと早く、大阪在住の妻の妹が送ってくれた傘をさす器具(さすべえ)があるが、老体になった妻は今では自転車にも乗らなくなっている。使用していた頃には、やはり(さすべえ)は自転車に装着したままだった。取り付けが緩いと傘が傾いたり,倒れたりして運転がしづらく、また危険で、力一杯に締め付けてやるのが私の役目だった。事故の68歳老女も、一々取り外し、取り付けの作業は自力ではできず、装着のままで使用していたものだろう。それに、雨が降ろうが降るまいが、専用器具だからと、降雨時以外には装着して悪いというものではない。金を取られることへの悔し紛れ、腹いせの捨て台詞としか言いようがない。雨は降らなくてもステッキ代わりの傘は「イギリス紳士のたしなみ」とも言われたことだってある。》

 仲立ちする調停委員から思わぬ指摘を受けた。「自転車の進行は左側が原則。おたくに支払い義務がある」。右側走行が道路交通法に違反していることを女性自身知らなかった。車道走行が原則で、歩道が例外ということも。結局、治療費なども含め、計約80万円を支払うことになった。

 長男に自転車を買ったとき、一緒に交通ルールを確認するべきだったと思う。事故を契機に、家族みんなで保険に入った。今も後悔とともに、自転車の無謀運転を見るたび「ルール遵守の意識が低い」とやるせなさが募るという。

 子どもと高齢者、「交通弱者」同士の不幸な事故だ。訪れた記者に「自転車は加害者になることがほとんどないと思っていた。みんなそうだと思う。だけど今は『加害者になることもあるよ』と言いたい」。そして、こう続けた。「事故の補償は保険加入が義務づけられている車よりも解決が難しい。それを多くの人に知ってほしい」と。

《道路交通法では、人は右側を歩くことが原則だが、これまでの事故で、左側を歩いている場合の事故が結構多い。幼稚園児や小学校低学年を引率するせんせいたちが、行列の面倒は見ていても、左側をぞろぞろ歩かせているのをしょっちゅう見かける。車は左側走行が原則だから、子どもたちを引率するせんせいたちには後ろから来る車が確認できない。このような道路状況下での事故は、被害者が子どもたちであるため、一方的に車側が非難されてきた。今後、自転車、或いは自動車と園児や低学年生との事故が仮にあった場合、今日の記事のような展開の裁判が発生する可能性が生まれる。少なくとも、道路交通法違反で一番多いのは、歩行者だということは忘れてはならないことだ。》

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