卒業から3年は「新卒扱い」に
毎日新聞(10/4)から、
高木美明文部科学相は4日、若者の雇用対策をめぐり日本商工会議所の岡村正会頭と会談し、高校や大学を卒業した既卒者について少なくとも3年間は「新卒」と同様に扱うことや産業界としての雇用枠の確保などを求めた。これに対し岡村会頭は「われわれにできることがあれば最大限努力したい」と応じた。文科相は同日、日本経団連の米倉弘昌会長にも要請した。文科相は会談で雇用確保に加え、長期間に亙る就職活動が学生生活に悪影響を与えないよう、企業の新卒採用の行き過ぎた早期化の改善も要望した。
《一見、既卒者にとって希望が持てそうに思われるが、そうでない面もある。3年分の大群衆と、高校から現役で大学入ったものと比べると、誰でも入れる大学では、現在ではそう多くはないだろうが、2浪、3浪で大学に入ったものは、高校から現役入学の新卒者との年齢差は卒業後の2、3年と、もともとの年齢差のハンディを持っての競争になる。加えて同じ土俵であっても、新卒者の優秀な人材は、先に停滞するものがあっても妨げにはならない。企業は玉石混淆の中から若くてきらりと光る人材を見出す専門家が宝石を見極める。企業のパイが広がったのなら既卒者にもチャンスはあろうが、人材は投網にかかる魚ではない。優秀な稚魚を大魚に育てるのに企業は膨大な投資を必要とする。そうでなくても入社後3年そこそこで退社していくひ弱な落伍者が多い。今回の文科相の要請で、チャンスをつかむことができるか、敗残者となるかは、これまでどのように生きてきたか、これからどう生きるのか、将来を見据えたビジョンを持つものが、選ばれる、成長期の企業は少数の質の高い人材と、普通の多くの労働者で支えてきた。当時の企業には余裕があって、それまで言われていた利益追求から「社会貢献」を声高に唱えていたが、リーマンショック以降は恥も外聞もなく、利益追求に舵を切り直した。甘ったれ気分では就職戦線は乗り切れない。言い古された言葉だが、「企業は人なり」は真実だし、その人とは、数ではなく、一人一人、質の高い知性と人間性豊かな人材を求めているのだ。》
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