格安航空会社はどれくらい安いのか
毎日新聞(9/22)から、
《安いって? その昔、「安かろう、悪かろう」は日本の輸出産業で有難くない世界的評価を受けていた時代があった。当時、世界一といわた低賃金で労働者が喘いでいた、そうは遠くない敗戦後のころのことだ。今では同じ世界一でも高給取りが多い国になったが、私たち世代には、どうしても「安もの買いのゼニ失い」の見劣りする貧しいイメージから抜け出せない。サービスは二の次にしても、座席で安心して眠ることができるのだろうか、嵐の中を飛ぶことができるのだろうか、などだ。》
アジアで一番大きい格安航空会社(LCC・Low-Cost Carrier)「エアアジア」が羽田に乗り入れると発表した。普通の航空会社と比べて、LCCはどれくらい安にだろうか。豪ジェットスター航空は、成田 ─ ケアンズを往復約5万円で、関西国際空港 ─ シンガポールを同約2万4000円で結んでいる。大手もLCCに対抗した割引プランを用意しているので単純には比較はできないが「既存の会社の半分が一般的」(伊東信一郎・全日空社長)となっている。
Q なぜ、安いの?
A 日本航空や全日空など大手航空会社は、機内食のおいしさや座席の広さ、快適さなど、機内サービスを競っている。一方、LCCは価格競争に徹するため、サービスをできるだけ省いたり、有料化している。ジェットスターの成田 ─ ケアンズ線の場合、機内食は2500円、毛布類は600円、映画・テレビ鑑賞は900円など別料金を取っている。事前予約なしだとそれぞれ約300円高くなる。茨城 ─ 上海で片道最安4000円の料金を設定した春秋航空(中国)は、座席をエコノミークラスに統一。大手なら150席前後の機種に、座席の間隔を詰めるなどして180席も取り付けた。
Q マイレージは貯まるのだろうか
A ほとんどのLCCは、スターアライアンス、ワンワールドなど、マイレージサービスを展開する航空連合に入っていない。独自のポイントサービスを実施しているLCCも一部に限られる。マイレージやポイントにコストをかけるよりも、運賃引き下げを優先させているようだ。
Q 全日空もLCCを作るそうだが、お役さんは安い方を選ぶのでは?
A 伊東社長は「自社の需要が(LCCに)食われないとは言い切れないが、総需要も増える」と説明している。既存のドル箱路線は自社便で運航しつつ、中国人など新たな顧客をLCCで発掘する作戦だ。ジェットスターは最大手カンタス航空の子会社だが、ビジネス路線をカンタス、リゾート路線をジェットスターとすることで競合を避け、「成功している」(カンタス)という。
Q 安全面は大丈夫だろうか
A 国からの監督や安全基準は大手と同じ。運賃が安いから危ないとは言えない。ただ、かつては事故を繰り返し、破産に追い込まれたLCCもある。安全への投資は怠りなく進めてもらわなくてはならないことだ。
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