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2010年9月29日 (水)

北朝鮮の独裁世襲

 毎日新聞(9/29)『なるほドリ』から、
 《日本でも政治家の世襲の悪弊は近年特に取り上げられて問題になるところだが、おとなりのキンさんの国、の異様さは何と言っていいのだろうか。玩具のようなこけ脅かしの軍隊を持っているが(日本政府はこれを恐ろしい、恐ろしいと、国民に恐怖心を植え付け、役にたたない迎撃ミサイルで防禦するのに躍起だが)、国の統治権までを世襲にするとはいずれは滅び行く悲喜劇の舞台でも見るようだ。実現すれば、キンニッセイ、キンショウニチを経て三代続く世襲となる。》

 北朝鮮は、キンショウニチの後継者を三男のキンショウギンにしたというが、どうして世襲なんだろう。中国や旧ソ連などの社会主義国は、世襲を封建的なものとして批判してきた。北朝鮮も社会主義国家だから本来は世襲はいけないはずだ。北朝鮮自身も公式には「最初から世襲ありきではない。次代を担う最も能力ある指導者を選んだら、たまたま現指導者の息子だった」と説明する。

《身内の論理で、もの言えば命が危ない独裁の国情を作り上げ、限られた選択肢の下で、そうなるようにしかならない結果だろう。》

 Q でも、キン総書記もキンニッセイ首席(故人)の長男だ

 A キン首席が身内への権力継承を決めたのは、北朝鮮の後ろ盾だった旧ソ連と中国で起きた権力闘争の影響だと言われている。旧ソ連では1956年の共産党大会で「スターリン批判」が起きた。53年に死去するまで絶対権力者として君臨したスターリンの生前の暴虐ぶりが後継者となったフルシチョフによって暴露され、スターリンの権威は地に堕ちた。中国では71年、毛沢東の後継者に指名されていた林彪による毛沢東暗殺未遂事件である「林彪事件」が起きている。この二つの事件を見たキン主席は「世襲しかない」と考えた。

 Q 今回も同じことか

 A キン総書記は権力を握る過程で「革命の血統継承」の重要さを強調してきた。自らが世襲で権力の座に就くための理論武装で、北朝鮮の公式メディアでは70年代から「偉大な継承」などというフレーズが多用されてきた。30年以上もこうした教育を受けた結果、北朝鮮の国民もいまや「世襲は当然」という意識になっていると言われている。

 Q キンショウギンは三男だよね

 A 当初は、長男のショウナン氏や次男のショウテツ氏が後継者として有力視されていた。でも、この2人は本人たちも後継者になることを望まなかったし、キン総書記もショウギンが一番のお気に入りだったようだ。

《長男はディズニーランドがお気に入りで、偽造ビザで日本観光を目論んで失敗し、送還されたことが国際的信用を失墜させたこと、次男もやはり外国で女連れの写真を報道されたことなどがキンさんの逆鱗に触れたため、との説も流れているが。その点、三男のショウギン氏は表に出ることもなく、これからの偶像作りにはもってこいなのだろう。》

 Q 最高指導者の息子だし、ショウギンは幼いころから国民に知られていたのか

 A キン総書記の家族関係は機密扱いで、一般国民は何も知らない。ショウギンの存在が知られるようになったのは、09年以降と思われる。韓国の報道によると、ショウギンを後継者にするという決定が朝鮮労働党内で伝えられたのは、ショウギンの25歳の誕生日である09年1月8日。それ以降、ショウギンを後継者と讃える歌とされる「パルコルム」が広く歌われるようになるなど、後継者としてのショウギンの存在が国民の間で急速に広まった。最近は、ショウギンを「人民の指導者」と位置づけた国民向けの宣伝活動が行われているようだ。商用などで中国に出てくる北朝鮮国民も、「キンショウギンが後継者」と口を揃えて話すようになっている。
 

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2010年9月27日 (月)

減らない女性の喫煙

 毎日新聞(9/27)から、
 たばこの健康への害や相次ぐ値上げで禁煙する一方で、女性の喫煙率は横這い状態だ。最近は10年間は10%強で推移。10月1日の大幅値上げを前に、タバコを手放せない女性たちの事情を探った。

 日本たばこ産業(JT)が8月に発表した調査では、男性の喫煙率は36・6%と前年比2・3%減だが、女性は12・1%と同0・2ポイント増えた。30〜40代が約16%、20代が約15%。最近はピンクや花柄など、女性を意識したようなパッケージの銘柄も数多い。今回は、多くの銘柄(20本入り)で110〜140円の値上げとなり、影響が注目されている。

 女性の喫煙の背景には、社会進出に伴うストレス増加が指摘されている。東京・新宿の55階建てのオフィスビルにある「女性専用喫煙ルーム」。ビル内に生保や人材派遣会社があり、女性の割合が高いため、5年前に西側入り口脇に設置された。曇りガラスが張られ、通路からは中の様子が見えにくい。

《女性専用のトイレは分かるが、女性専用の喫煙室までご提供するとはお情け深い待遇だ。通勤時間帯の痴漢対策でもあるまいし。今時、男の目を気にするしおらしい女性がいるなんて信じられないことだ。》

 午後1時過ぎ、「昼休みの一服」を求める女性が次々と現れ、20人近くで一杯になった。「同僚の男性に見られないから落ち着く」などの声が聞かれた。喫煙の理由は「ストレス解消」が大半だが、「やめたい」と話す人も。アルバイト(37)の一人は、「食後の一服が何よりおいしいし、仕事のいらいらがすっきりする。でも最近肌も気になるし、禁煙のため通院するつもり」だとか。

《何事によらず、最近の言い訳には「ストレス」という便利な方便が使われる。17年前からタバコは休んでいる身だが、長年1日60本程度のヘヴィーだった経験から言えば、100時間残業、深夜作業などで、平均4〜5時間の睡眠で20年間ちかくも続いたが、タバコは単なる「習慣」で、ストレスなどの言い訳をするような理由ではなかった。逆に仕事の合間を見て、本数が上がれば上がるほど、仕事ははかどった。女性だからと、ストレスでの言い訳は、甘えでしかない。》

 ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」も昨年「神楽坂店」(新宿区)に女性専用の喫煙スペースを設置。周辺にマスコミやアパレル関係の企業が多く、女性客の比率が高い。

《だからって、特別に女性専用の喫煙室などこしらえる必要などないはずだが。》

 「アンチ・ニコチンで女子力アップ」。東京都足立区の「竹の塚保健総合センター」で2日、こんなタイトルの講座が始まった。主に30代までの女性喫煙者が対象で、幼児連れの主婦を含め約20人が参加した。禁煙外来の医師でもある阿部真弓・東京農工大准教授が講師を務め「喫煙は周囲の人、胎児の健康を脅かすだけでなく、しわやシミを増やし皮膚も老化させる」と美容面の悪影響も警告。「ベランダで吸っても呼気に有害な物質が残り、周囲の人に影響する」との説明に、みな不安げに顔を見合わせた。30代の女性は「仕事と子育てに追われ、つい吸いたくなる。軽い気持ちでは禁煙できないと指導されたので、じっくり計画したい」と話した。

《禁煙など簡単なことだ。私は健康上でもなんでもないが、「少し休んでみるか」と軽い気持ちで60本から一気に0にした。「休む」或いは「やめる」と決めればいいことだ。へそ曲がりで頑固者の私には、休憩は何でもないことだ。それ以来、17年間以上、ただの1本も吸っていない。本当に止めたいのなら、未練たらたら言い訳などすることない。》

  女性の喫煙率が下がらない理由について、阿部医師は出産年齢の高齢化をあげる。「妊娠を機にやめる人は多いが、その年齢が高くなると喫煙歴が長くなる。その間にニコチン依存が重症化しやすくなる」と指摘する。

《若い女性で子どもはいらない人は多い(09年度『男共同女参画社会に関する世論調査』では20歳代女性の63%が、30歳代では59%が)。彼女たちには喫煙をやめる必要性はないだろう。いつまでも吸えばいいことだ。》

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2010年9月26日 (日)

続・小学校の英語必修化

 毎日新聞(9/26)『なるほドリ』から、
 参照 小学校の英語必修化  06/05/

 その前に、8月25日付けで、元外務省主任分析官が小学校への英語導入について、将来的には却って大人になって上達の妨げになる、と懸念する意見が載っていた。

 ▼来年4月から小学校5〜6年生に英語が必修化される。この結果、大人になってからの日本人の英語力が低下するのではないかと懸念している、要旨は次のようなものだ。

 外交官時代、ロシア語を教えた研修生で、いちばん伸び悩むのは、まったくの初心者ではなく、大学の第2語学で中途半端なロシア語の知識を持つものだった、という。当時の同僚に聞いてみても、ドイツ語にしろスペイン語にしろ、やはり大学の第2,第3語学で中途半端な知識を持っている研修生が、語学学習の過程で壁に突き当たることが多いということだった。

 水泳でも自己流でおかしな型がついていると、矯正が難しい。入門の段階でかなり集中して知識を叩き込まないと「英語なんてちょろい」と小学生が勘違いしてしまう。中学、高校の英語教科書を通読したが、諸外国の英語教科書に遜色はない。しかし、中学校レベルの教材が易し過ぎる。そしてそのしわ寄せが高校にきている。中学では平坦な道を楽々と走ってきて、高校で一気に長く続く急勾配を登るようなものだ。余程脚力が強くないとこの坂は登り切れない。

 確かに、日本人の英語力は低い。原因は、学校英語のカリキュラムが実用英語に合致していないからではない。ほとんどの生徒が高校英語を習得できないという構造的欠陥に基づく。努力して高校英語を習得した人も、その水準を維持することができない。坂道を登り切るには動機が必要だが、大多数にとっては大学入試だ。この目的が達成されると動機を失う。そして、日本の大学を卒業するのに英語力はほとんど必要とされない。英語力は当然退化していく。

 2008年に文部科学省の発表した小学校で必修化される英語活動の概要では、285の単語と50のフレーズを教えるという。要するに、中学1年で2学期くらいかけて教える英語の内容を、2年かけて小学校5、6年生に教えるということだ。要は「殺さないでください」「水を下さい」「けがをしています」など戦場で生き残るために最低限必要とされる意思疎通を英語ですることができるようになる。しかし、それで、「英語ができた。たいして難しくない」という原体験を小学生に持たせるのは危険だと思う、という。

《というよりも、「参照」の中でも書いたが、大多数の日本人は、もともと英語を必要とする生活をしていない。どこかで「グローバル、グローバル」とはしゃぎ回る人たちのために始めるようなものだ。小学校での英語必修化など、当初から無用のものだ。》

【閑話休題】
 さて、来年4月から、小学校では英語をどのように教えるのだろうか。

 なんでも5,6年生が週に1コマ(45分)、年間では35コマ勉強することになる、という。《「コマ」っていろんな使われ方をするものなんだ。》グローバル化《ほら。来た》が進む中で、80年代以降、さまざまな審議会などで英語教育の開始時期を早めるべきかどうか議論を重ねてきた結果、来年度から全面実施する新学習指導要領に「外国語活動(英語)」が加わった。

 Q うちの近所の小学校では随分前から英語の授業があるんだけれど

 A  確かに10年ほど前から多くの小学校が「総合的な学習の時間」などを利用して、何らかの形で英語に触れる時間を設けてきた。ただ授業時間や内容は学校によってまちまちだった。そこで新学習指導要領で全国一定の基準を示した。新要領の移行期間が始まった09年度からは、ほぼすべての小学校が信要領に沿った形で英語学習を前倒しで峨締め手いるが、移行期間中はまだ年間35コマに届かない学校もある。

 Q 授業の内容は

 A 英語を使ったコミュニケーションに慣れさせるのが目的なので、話したり聞いたりすることに重点を置き、文法や単語の書き取りなどの学習はしない。授業は担任がするが、外国語指導助手(ALT)らネーティブスピーカーや、ヒアリング用のCDの助けを借りてできるだけ生の英語に触れるようにし、6年生修了までに英語で自己紹介ができるようになることを想定している。

 Q 成績は付けるのか?

 A 実は小学校の英語は算数や国語、体育などのような「教科」ではなく、あくまでも「活動」だ。そのため、指導要録(通知表の原簿)には数値による評定ではなく、取り組みの様子などを記述式で記すことになる。また、教科ではないので、英語が中学校の入試科目に加わる心配もない。

 Q 海外でも小学校で英語を必修にしているのか《参照を》

 A アジアではタイや韓国が90年代には必修化し、台湾や中国も01年から段階的に必修にしている。実施学年もタイは1年生、韓国は3年生からと日本より早く、授業時間数も日本を上回っている。日本でも将来、実施学年が早まる可能性があるが、韓国などでは多くの幼稚園児が英語塾に通うなど競争が早期化したという批判もあり、慎重な検討が必要だ。

《私たち世代は英語は「敵国語」で、ゲームやスポーツの世界で使用する言葉でさえ、日本語に直し、英語は口にすることも禁じられていた。今になっても英語アレルギーは骨身に染み通り、「グローバル化」と聞くだけでも嫌悪感すら感じるほどだ。かといって、現在周りで耳に飛び交う訳の分からない日本語には、英語以上に我慢ならない虚しさを覚えるのだが・・・。》

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2010年9月24日 (金)

国民の健康か、税収か、ほんとうはどっち?

 毎日新聞(9/24)から、
 10月1日から、4年ぶりにタバコが値上げされる。1本当り3・5円、タバコ税が引き上げられるためだ。増税を主導した厚生労働省は「欧米諸国並み」を目指し、いっそうの引き上げを目指す。一方、タバコ離れによる税収減を懸念する財務省は「そろそろ限界」と慎重姿勢だ。健康か税収保持か。値上げ後も議論は続くとみられるが、日本たばこ産業(JT)などタバコ会社は危機感を募らせている。

《どちらかの二者択一で、どちらにするかの選択肢の問題ではないはずだ。答えは決まっている、国民の健康があってこその国家だ。言われるほどに健康に害のあるものなら、躊躇うことはない、前から主張しているようにタバコは元から根絶させるべきだ。それには栽培農家から加工産業、販売業者や輸入業者に至るまで、日本国内でタバコによる医療費が不要になり、経済損失が生じなくなるまで、完全に消滅させるべきだ。その政策を遂行するために国家の財政が不足するのなら、国民の健康を守るためには消費税でも何でも大増税すればいい。発癌の危険性があり、発病者が出るのが分かっていてあれこれご託を並べて喫煙を放置するのは国家の犯罪でもあろう。》

 タバコ増税は、98年以降、今回も含めて4回行われた。98年は1本当り0・82円、03年も0・82円、06年には0・852円それぞれ引き上げられている。

 今回の改定が過去と違う点は、引き上げを求めたのが財務省ではなく厚労省だったことと、1本当りの引き上げ額が大きいことだ。さらに葉タバコ農家支援のため、タバコ本体の価格も1・5円程度上がり、1箱では110〜140円の値上げとなる。

 厚労省の担当者は税引き上げについて「要望どおりに実現したことは一歩前進。さらなる喫煙率の低下につなげたい」と評価する。同省は今回の引き上げが決まった後の今年8月にも、11年度税制改正要望として追加の税率引き上げを財務省に求めた。「もっと引き上げるべきだ」というのが厚労省の見解だ。

 日本など世界約170カ国が批准する「タバコの規制に関する世界保健機関枠組み条約」は、締約国に課税政策の実施を求めている。タバコが健康に悪いのは明白だが、日本の男性の喫煙率は08年の国民健康・栄養調査によると、36・8%(女性は9・1%)で、欧米諸国に比べ20〜数ポイント高い。一方で、タバコ1箱の値段は英国(1008円)、カナダ(757円)などに比べてかなり安い。「欧米並みの700円前後までは上げる余地がある」というのが厚労省の本音だ。

《海外諸国のタバコ1箱の値段・2008年6月:単位円》
 ノルウェー  1454  ルクセンブルグ 500
 アイルランド 1165  マルタ     563
 イギリス   1148  オーストリア  563 
 フランス    829  オランダ    641
 スウェーデン  798  ベルギー    709
 ポルトガル   509  ドイツ     736
 スペイン    390  フィンランド  673
 ギリシャ    468  デンマーク   671
 イタリア    532

《円換算ではあるが、海外のどの国にも日本とは異なる税制度があり、国内・外総生産、物価指数など経済状態にも差がある。末端価格だけで比較するのは乱暴だ。》

 年々増え続ける医療費の抑制も課題だ。02年に発表された厚労省研究班の調査によると、99年度に喫煙や受動喫煙に起因する疾患のために要した医療費は推計で約1兆3000億円。入院や死亡で失われた労働力も含めた社会的損失は約7兆円にも上った。

《他を論うのは本意ではないが、最近世界保健気機関が発表した発癌物質アセトアルデヒドを発生させるアルコール等酒類を考えれば、下線部分の喫煙による数値は、その経済損失も含めた社会的損失は飲酒による数値もほとんど同等の数値を示している。》

 厚労省は00年度、12年度までの長期的な健康づくり計画「健康日本21」を策定し、タバコを含めた生活習慣病対策などに本腰を入れ始めた。今年2月には多くの人が利用する公共施設は原則禁煙とするよう求める通知を出した。職場での受動喫煙に点いても、一般の事務所や工場は原則禁煙とし、やむを得ず喫煙室を設ける場合も湯街物質濃度の低減など一定の基準を満たすよう、法規制に向けた検討を進めている。

 それでも、日本のタバコ規制は遅れているとの批判は強い。06年の「健康日本21」の見直し作業で厚労省は、喫煙率を減らすための数値目標の設定を目指したが、タバコ業界などの反発に遭い見送った。英国などでは空港や駅など公共施設を全面禁煙とする屋内完全禁煙法を制定しており、日本学術会議は4月、「強制力のある立法措置を講じるべきだ」と政府などに提言した。

 提言を取りまとめた愛知淑徳大医療福祉学部の大野竜三教授(腫瘍内科)は「業界団体や族議員の反発で、これまでのタバコ規制は徹底されなかった。世界的な規制の流れは止められず、政府にも覚悟が必要だ」と話す。

《私には、タバコよりも危険な犯罪が多発し、社会的損失も大きく、発癌物質を含むアルコールの問題が、飲酒運転以外にはほとんど問題として取り上げられないことが不思議でならない。》

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2010年9月23日 (木)

格安航空会社はどれくらい安いのか

 毎日新聞(9/22)から、
 《安いって? その昔、「安かろう、悪かろう」は日本の輸出産業で有難くない世界的評価を受けていた時代があった。当時、世界一といわた低賃金で労働者が喘いでいた、そうは遠くない敗戦後のころのことだ。今では同じ世界一でも高給取りが多い国になったが、私たち世代には、どうしても「安もの買いのゼニ失い」の見劣りする貧しいイメージから抜け出せない。サービスは二の次にしても、座席で安心して眠ることができるのだろうか、嵐の中を飛ぶことができるのだろうか、などだ。》

 アジアで一番大きい格安航空会社(LCC・Low-Cost Carrier)「エアアジア」が羽田に乗り入れると発表した。普通の航空会社と比べて、LCCはどれくらい安にだろうか。豪ジェットスター航空は、成田 ─ ケアンズを往復約5万円で、関西国際空港 ─ シンガポールを同約2万4000円で結んでいる。大手もLCCに対抗した割引プランを用意しているので単純には比較はできないが「既存の会社の半分が一般的」(伊東信一郎・全日空社長)となっている。

 Q なぜ、安いの?

 A 日本航空や全日空など大手航空会社は、機内食のおいしさや座席の広さ、快適さなど、機内サービスを競っている。一方、LCCは価格競争に徹するため、サービスをできるだけ省いたり、有料化している。ジェットスターの成田 ─ ケアンズ線の場合、機内食は2500円、毛布類は600円、映画・テレビ鑑賞は900円など別料金を取っている。事前予約なしだとそれぞれ約300円高くなる。茨城 ─ 上海で片道最安4000円の料金を設定した春秋航空(中国)は、座席をエコノミークラスに統一。大手なら150席前後の機種に、座席の間隔を詰めるなどして180席も取り付けた。

 Q マイレージは貯まるのだろうか

 A ほとんどのLCCは、スターアライアンス、ワンワールドなど、マイレージサービスを展開する航空連合に入っていない。独自のポイントサービスを実施しているLCCも一部に限られる。マイレージやポイントにコストをかけるよりも、運賃引き下げを優先させているようだ。

 Q 全日空もLCCを作るそうだが、お役さんは安い方を選ぶのでは?

 A 伊東社長は「自社の需要が(LCCに)食われないとは言い切れないが、総需要も増える」と説明している。既存のドル箱路線は自社便で運航しつつ、中国人など新たな顧客をLCCで発掘する作戦だ。ジェットスターは最大手カンタス航空の子会社だが、ビジネス路線をカンタス、リゾート路線をジェットスターとすることで競合を避け、「成功している」(カンタス)という。

 Q 安全面は大丈夫だろうか

 A 国からの監督や安全基準は大手と同じ。運賃が安いから危ないとは言えない。ただ、かつては事故を繰り返し、破産に追い込まれたLCCもある。安全への投資は怠りなく進めてもらわなくてはならないことだ。

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2010年9月22日 (水)

子どもの暴力

 毎日新聞(9/22)「社説」から、
 子どもの暴力が深刻になっている。文部科学省が今月まとめた2009年度の「問題行動調査」によると、全国の小中高生による暴力行為の発生は計約6万1000件に上り、過去最多を更新した。

 参照 小中高生 暴力行為最多 10/09

《地震、雷、火事、親父(おやじ)、と生活して行く上で怖いものの中に含まれていた親父は大黒柱の地位を追われ、今では、母親の尻に敷かれる優しいだけの影の薄い存在になり、かといって権力の座を奪った母親は、子育てよりも働くことを優先する。「参照」でも書いたことだが、日本の民主警察が、「犬のおまわりさん」レベルの子どもにとって怖い存在ではなくなり、学校でも教壇から睨みを利かしていた教師は、上からの管理に縛られる上に、モンスター並みの保護者の突き上げに悩まされ、お客様扱いの子どもたちからは友だち程度にしか見られていない。その上にまだ、悪戯をしても叱ればすぐに「いじめだ、暴力だ、虐待だ」の声が響く。それを毎日窺っている子どもたちに取っては教師はとても「尊敬する人ではない」と認識するのは簡単なことだ。「褒めて育てる」で甘えることだけの箍のはずれた子どもたちが、思い思いに好き勝手するのは当然のなり行きというものだ。》

《と同時に大人や教師の側の日常の出来事の中に、子どもたちの目には「おとなのくせに」と映る事件が余りにも多く発生している。尊敬できる大人が子どもたちの目の前から姿を消しているのが現状だ。このように、家族制度の崩壊を背景に、日本社会全体に広がった価値観の喪失は、一朝一夕で立ち直らせることは不可能事だ。増えた暴力の原因を、データの数字でどのように解析するのか、問題の核心が見えていなければ、数字を弄り回すだけで解決の糸口も掴めないだろう。》 

 1970年代から80年代にかけて中学校を中心に起きた「荒れる学校」では、集団による暴力や器物損壊が目立ったが、最近は単独で暴れ、低年齢化する傾向があるという。教員に暴力を振るう例も増えた。

《以前書いたが、メディアの学校、教師たたきは凄まじいものがあった。尊敬されるべき教育者たちは袋叩きにあって萎縮した。いまさら、中庸を装っても遅い。一度地に堕ちた権威はやすやすと元には戻らない。》

 そうした子どもたちは感情の制禦が利きにくく、言葉による相手との意思疎通が不得手で、ルールを守る規範意識が薄いという。今の社会風潮を写しているようでもある。

《何を人ごとのようなことを言うのか。今の社会風潮は誰がつくっているのか。規範意識を教えるのは家庭内教育だ。親の義務である子どもに教育を受けさせるために学校に預けるにあたって、余計なおしゃべりをせずきちんと先生の話を聞くこと、友だちと仲良くすることを教えておくことから、教師への尊敬が生まれ、規律を守ることを覚えて行くのだ。何かというと権利だけを主張する保護者に欠けているのが、これだ。》

 一方、暴力が増えているのに、いじめは減っている。やや首をかしげざるを得ない。認知されたいじめは約7万3000件で前年度より14%減少し、特に近年注目されるインタ−ネットがらみの「ネットいじめ」は3170件で、30%も減った。

 対策効果も考えられるが、文科省は「技術の進歩で見つけにくくなっている面がある」とみる。さらに、潜在するいじめの早期発見のため、子どもの個別面接、アンケートなどを実施するよう異例の通知をした。

 実際、いじめがあったと報告した学校は、なかったという学校に比べ、個人面接やアンケートの実施率が高い。じっくり子どもに面接することが早期発見につながることを示している。

 06年秋以来相次いだいじめ自殺から、文科省はいじめの定義をより被害者の側に立ったものに改めた。国私立も加えた06年度の認知件数は前年度より大幅に増えて約12万5000件に上った経緯がある。

 この時の熱意が陰っているとは思わないが、表面化しにくいいじめについては、より細心の注意を払いたい。もちろん、それは学校だけが取り組めばすむ課題ではない。

 文科省はこうした子どもたちの「問題行動」について「家庭、地域を含めた総掛かりで取り組む必要がある」と言う。今国会に広がっている保護者・地域社会が学校運営に参画する「コミュニティースクール」や「学校支援地域本部」も、その理念と力を発揮すべき課題である。

《「家庭」は分かるが「地域を含めた」総掛かりとは一体何をいうのか。おまわりさんや、昔いた近所の怖いおじさんや、おじいさんを言うのではないだろう。この人たちが何かを言えば、昨今の親たちには、逆ねじを喰らうだけだろう。責任の所在もはっきりしない自治体が何かを働きかけることなど無理だし不可能だ。》

 また、文科省は小中学校で現行40人の学級編成基準を来年度から段階的に35人以下にする方針だ。それでどんな教育を実現するのか、その説明も共通認識もまだ十分ではないが、「問題行動」についてもこの少人数学級化の中でどう取り組み、どう改善を図るか練ってほしい。

 そして、全国統計調査と問題分類は必要だが、数字を現場対策に生かすのは限度がある。防止やアフターケアで具体的に参考になる検証事例を共有し、応用することが肝要だ。

《いつもいうことだが、問題の核心がずれていたり、理解できていなければ、数字をいじっても労多くして益なしだ、何の答えも生まれまい。》

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2010年9月21日 (火)

「敬老金」って

P9210292  強風で折られた棚の修復もせず放っておいたが、
ここに来てやっと咲き始めたヘヴンリーブルー、
日に日に数を増やして開いて行く。


 毎日新聞(9/20)から、
 敬老の日にお年寄りがお金やプレゼントを貰うけれど、年金以外にも金銭がもらえるの?。高齢者を敬って市区町村が渡す「敬老金」だね。各自治体がそれぞれ、条例で定めている行事で、統一した決まりはない。現金ではなく、、地元商店街で利用できる商品券やお寿司券などを渡す自治体もあって、対象年齢もまちまちだ。

 Q 敬老金を奮発する自治体があるやに聞くが

 A 東京都日の出町は、町内に30年以上住んでいる100歳の町民に100万円の敬老金を渡します。「日の出町百歳万歳生涯青春・生涯現役敬老金」というユニークな名称で06年度に始まった。これまでに3人が受け取っており、今年度は10月、4人目に渡せそうだという。4人とも女性。

《長寿の住民に敬老金を渡す自治体は少ない。》

 Q 敬老のプレゼントを渡す日が、敬老の日では?

 A 「敬老の日」の起源は1947(昭和22)年、兵庫県の旧野間谷村(現多可町)が初めて村主催の敬老会を開いたことがきっかけだ。対象は55歳以上だった。

《現在、世界一と言われる長寿国日本だが、しばしば書くように、私たち世代が現役のころでも、定年年齢が55歳だったことと重なる。日本でも松下が60歳定年を検討、導入したのが1980年代後半だった。1947年当時の55歳と言えば、戦地で敗戦に打ちひしがれ、内地に引き揚げてきても食糧難時代で国中の人が痩せ細り、国内で国を守った人たちにも餓死者さえ出たころだ。「としよりの日」を設け、村じゅうが集まって労ってもらったことは、忘れられない出来事だっただろう。》

 当時の門脇政夫村長が9月15日を村独自の祝日「としよりの日」とすることを提唱。3年後に兵庫県の「としよりの日」制定に広がり、66年に国民の祝日「敬老の日」(現在は9月第3月曜)のなった。

 Q 国からは何かお祝いはもらえるの?

 A 63年から100歳の人に銀杯と内閣総理大臣名の祝い状を贈っている。9月15日に存命で年度内に100歳になる人が対象になっている。

 Q 高齢者の割合はどんどん高くなっているが? 予算は痔丈夫なんだろうか

 A 国からのお祝いは今年度2万3269人が対象で、予算は約2億円だ。国立社会保障・人口問題研究所によると、100歳以上の人口は05年が約2万5000人だったが、55年には25倍の63万人になると推計されている。約140人に1人が100歳以上という超高齢化社会だ。敬老金の対象者を決めるのに、「懐具合」と相談しなければならない自治体が増えるかのしれない

 Q 100歳といえば、高齢者の所在不明が相次いでいるが

 A 厚生労働省が自治体を通じ、今年度100歳になる高齢者を調べたところ、10人の所在が確認できなかった。該当する自治体が対応しているところだ

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2010年9月20日 (月)

潜水艦使い颱風抑制

 毎日新聞(9/20)から、要約と、《 》内は私見。
 《とてつもないでっかいことを考える人がいるものだ。地球規模の中でも特に厳しい自然現象で生活を苦しめる颱風をコントロールしようというのだ。》

 三重県桑名市の鋼構造物設備会社が、颱風が進む海域に潜水艦を出動させ、海中の低温水を汲み上げて海面水温を下げることで勢力を弱める構想をまとめ、このほど日本とインドで特許を取得した。海面水温が高いと颱風の勢力が維持されることに着目して考え出したという。

《少し前(9/14)の同紙に、国立環境研究所や海洋研究開発機構のチームの研究で、100年後の日本海が「死の海」になるだろう、との記事が載った。深海に酸素をもたらす「表層水」が、冬の海水温上昇で十分冷やされず、重くならずに深い部分まで達しないためと考えられる、という。上の潜水艦による循環の規模の力を船でなく、もっと大きなもの、例えば原子力などにすることで、海流を起こし、日本海が「死の海」なにることを食い止めることが可能かも知れない。或いは渇水期に人降雨を降らせることに成功している?ように、大気中で颱風の進路を変更させることだって夢ではないだろう。》

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【低層水の酸欠】
 三重大の谷村篤教授(海洋生物学)によると、低層水の酸欠が進むと酸素を必要とするバクテリアや動物が死に、有機物が分解されないまま堆積する。やがて死骸から酸化水素が発生し「死の海」となる。「死の海」の海水が浮上すれば生態系に壊滅的な打撃が予想されるほか、食物連鎖が変化して、多様な魚類の分布への影響も避けられないという。谷村教授は「海中の植物が光合成で吸収する二酸化炭素が急減し、温暖化が加速する恐れもある」と警告する。

 外洋では、南極や北極圏など高純度地域で冷やされた表層水が沈み込み、水深2500メートル以下の「底層水」と入れ替わっている。2000年もかかるゆっくりした循環だが、日本海では、ロシアのウラジオストック沖やサハリン沖で冷やされた表層水が沈み込むが、対馬海峡や宗谷海峡などによって半ば閉鎖されているために、その循環スピードは約100年と速い。

 日本海の海水温は、過去100年間で1・3〜1・7度上昇している。このペースで温暖化が進めば、日本海の循環が停滞し、約100年後には無酸素状態になるとチームは予測している。

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 颱風コントロールの話に戻して。この会社は伊勢工業で、06年1月に日本と米国、インドの3カ国で申請、今年7月に日本とインドで認められ、近く米国でも認められる見通しという。特許は「海水音低下装置」という名称で、潜水艦の両側に長さ20メートル、直径70センチのポンプ付き送水管を8本取り付けた上で、水深30メートルから低温の海水を海面に汲み上げる仕組みだ。

 発案者である同社の北村皓一社長(84)によると、潜水艦一隻当たりの送水能力は海分480トン。潜水艦20隻を颱風の進路に配備すると、1時間で周辺海域5万7600平方メートルで水温を3度下げられ、颱風の勢力を弱められるという。

 気象研究所(茨城県つくば市)などによると、颱風の発生には海水温が25〜26度以上であることが重要な条件で、勢力を維持するには27度以上が目安になるという。同研究所は今回の特許について「現状では颱風の進路予想の精度などに課題はあるが、理論上は颱風を小さくすることが可能」と評価している。

 北村社長は、これまでも水道管の漏水を内部から補修する「内面バンド」など約30件の特許を取得しているが、特許使用料などの対価は求めてこなかった。今回の特許も、構想に対する公的機関のお墨付きを得るのが目的と話している。

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2010年9月18日 (土)

沖縄県の女子中学生乱暴事件

 毎日新聞(9/18)から、要約と、《 》内は私見。
 08年5月6日、京都府舞鶴市で起こった高1少女殺人事件をブログで取り上げた時、最後に少女にも、母親にも決して同情しない、と書いた。同じことを今回も書くことになる。

 沖縄県警豊見城署は17日、14歳の女子中学生に乱暴したとして、同県那覇市と豊見城市の無職少年2人(ともに19歳)を集団準強姦容疑で3日に逮捕したと発表した。女子中学生は事件後、自殺している。

《長年生きてきたが不肖浅学の身、準強姦なる言葉を知らなかった。強姦との違いは何か。
 強姦  ‥ 暴力や脅迫をもって反抗を封じて犯すこと
 準強姦 ‥ 心神喪失や抗うことができない状態にして犯すこと(睡眠薬や泥酔状態時)。》

 逮捕容疑は、2人は共謀して7月11日午前7時半から午前10時10分ごろの間に、豊見城市の公園内の公衆トイレで、酒を飲んで泥酔状態の県南部の女子中学生(14)に乱暴したとしている。那覇市の少年は容疑を認めているが、豊見城市の少年は「合意のうえだった」と否認しているという。

 同署によると、3人を含む別の10代の男女7人の計10人は、11日午前5時ごろから公園に集まり酒(泡盛など)を飲み始めた。10人は複数のグループの集まりで、少年2人と女子中学生に面識はなかったという。

《午前5時ころから公園に集まる、とは前夜からそこに屯していたのか、早朝抜け出したのか、いずれにしても母親は子どもがその時間に、家にいないことに気がついていない。また、気になったので他紙やインターネット上の同事件を拾って見たが、いずれも記載がなく、父親の影すら感じられない。どうやらこの少女も母子家庭で母親の保護下では放任されていたように見受けられる。14歳の女が早朝から酒を浴び、泥酔して公衆トイレで転がっていても母親は知らないのだ。》

《地元の教育委員会によると、女子中学生は事件のあった翌々日の13日に自殺した、それでも母親はわが子が家にいないことに気づかず、娘が死ぬ前に打ち明けていた姉から聞かされて初めて事件を知り、慌てて15日になって同署へ通報し、事件が発覚した始末だ。同署は遺書の有無は明らかにしておらず、事件と自殺の因果関係は不明としている。》

 母親は同署を通じ「中学生の少女に意識が朦朧とするまで酒を飲ませ、卑劣な行為をするような者は絶対に許せません。私たち家族はまだ娘を失った悲しみから抜け出せずにいます」とのコメントを発表した。

《娘がこの世にいなくなってから文句を言っても遅かろう。酒も飲まされたのか自ら飲んだのか分からない。また、トイレに入ったのも当初は介抱目的の補助行為であったかも知れない。娘が生きているうちに、夜遊びや早朝に抜けだし、家にいないことに気がつくような保護監督責任の気配りをしていれば、泣かずにすんだのだ。私にはこの母子に対し、鬼と言われようが、一滴の涙も流す気は起らない。》
 

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2010年9月17日 (金)

院内感染の真因は要員不足にある

 毎日新聞(9/17)“くらしの明日”欄から、
 【院内感染】
 病院など医療機関は細菌を殺す抗生物質や消毒薬を多く使うため、薬剤耐性を持つ細菌などが生じやすい。一方、病気だったり、免疫抑制剤を使ったりして感染に対する抵抗力が低下している患者は感染・発症で重症化したり、死亡するケースがある。多剤耐性菌の場合、ほとんどの抗生物質が効かないため、発生の未然防止が必要で、手洗いや消毒の徹底が重要とされる。

 「私の社会保障論」として、埼玉県済生会栗橋病院副院長・本田 宏 は言う。
 帝京大学病院は3日、多くの抗生剤が効かない多剤耐性菌アシネトバクター・バウマニに院内感染し、死亡した患者9人は、死亡と院内感染の因果関係が否定できないと発表した。森田茂穂病院長は「命を守る病院でこのようなことをして申し訳ない」と記者会見で謝罪した。

 ベッド数1154床である同病院の院内感染防止対策の専従職員は、医師と看護師各1人しかおらず、病院のホームページでは「今後感染対策に従事するスタッフの充実化と、職員の感染対策教育をより徹底することで、再発防止に全力を尽くす所存」との決意が表明された。

 さらに、同病院の保健所への報告の遅れや、警視庁が業務上過失致死の疑いがないか病院関係者から事情を聴き始めたことなどが報道されたが、その後、アシネトバクターは今年2月以降、愛知県や東京都の世田谷、板橋区等の病院でも検出されていたことが判明した。今回の耐性菌問題は、帝京大に限った特殊例ではないことが明らかになっている。

 感染性は極めて普遍的に見られる疾病で、世界の年間死者数の3分の1を占める。日本感染症学会は08年、日本の300床規模以上の医療機関(約1500施設)には感染症専門医が常勤すべきで、専門医数は3000〜4000人程度が適性との見解をまとめた。しかし今年4月8日現在、その数は1015人で、日本看護協会が認定している感染管理看護師も1179人(今年7月現在)だけだ。

《計算だけなら幾らでも好きなところ、いや、必要な部署に数字を案分していくことは可能だ。しかし、その部署を希望して働きたい医師や看護師が集まらなければ机上の計算で終わる。現実に産科医不足や小児科医不足は施設の破綻や閉鎖を招いている事実がある。》

 このため、地域の中核病院のほとんどで感染症専門医が不在で、看護師不足のため認定看護師も「専従」「兼任」で感染管理業務に関ることが難しいのが現実だ。一方、欧米では感染症専門の医師や看護師の配置はもちろん、病院で疫学を担当する専門家まで育成して感染症対策の軸として現場に投入している。現在の日本の病院は、たとえ感染症関連のデータを集めても、解析して現場にフィードバックしたり、感染対策を実施する中心となるスタッフがいないのが実態だ。

 今回の耐性菌問題について「手抜きや怠慢、努力不足が問題の根幹ではない。感染の問題を最小限にするための人材・時間・予算が与えられていないことに注目すべきだ」という怒りのメールが、感染症に詳しい知人の医療者から届いた。人類が抗生剤を使う限り、多剤耐性菌は次々に生まれる。先進国最低の医療費と、医師をはじめとする医療スタッフの絶対数不足を放置したまま、犯人捜しを繰り返していたのでは、現場の時間と努力がさらに奪い取られるだけだ。

《感染症専門の医師や看護師の不足を泣き言で言っても何も解決もできない。なぜ、産科・婦人科にしろ、小児科にしろ、その専門科目を選ぶ人材がなぜ生まれないのか。例えば、女医全体でおよそ660人も増えたのに、産科医は6人しか増えなかった埼玉県の実態『医師数、最下位の水準(埼玉県)10/05』を、どのように判断すればいいのだろうか。「不足,不足」のかけ声だけでは問題は解決しそうにないことが分かる。本田の立場からなら、具体的な対応策でも出ないのだろうか。欧米の取り組みを羨ましそうに紹介しているが、もし、同じような仕組みを日本に取り入れるとすればどうしたらいいのか、二つや三つの構想ぐらい提案できないものだろうか。

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2010年9月15日 (水)

小中高生 暴力行為最多

 毎日新聞(9/15)から、要約と、《 》内は私見。
 《毎回飽きもせず、数字の羅列で増えた増えたを言うだけだ。増え続ける要因があるのに、その原因追及は的外れの方向を向いていることに一向に気がついていない。この調子だと、この次も同じ嘆き節を聞くことになるだろう。また、当然の帰結だが低年齢化もますます進む予想も出来る。最大の原因は、働くことを優先するあまり家庭から両親がいなくなり、成長期の子どもに将来、社会参加に必要な基本的なルール(昔は簡単な『嘘つきは泥棒の始まり』などあったが。嘘はつかない、人のものは盗まない、自分がされて嫌なことは他人にはしない、弱い子は守ってあげる、皆と仲良くする、物は大切に、決められたことは守る、そして大事な、親の言うことをよくきく、など)を教えていない。産まれるや 乳離れもしないうちから、手荷物同様に、他人に育児を任せっきりにして良しとする。長じては携帯を持たせるだけで親は安心してしまう。大事な家庭内教育をする親がいないために、自分で工夫して遊びを考えることや、時間の過ごし方を考える力もつけられない。学童保育などという莫迦な施設まで設けなければならない現在では、子どもの社会に適応、順応する力は生まれまい。挙げ句、子どもは社会が育てる、などと無責任な『標語』もどきの言葉が生まれる。その言葉の中身は、たしなめることや、叱ることを抜いた「褒めて育てる」だ。その結果が今回のような暴力行為の増加につながっていることが理解できていない。》

《手っ取り早い例がある。暴走族の奴らだが、頭から警察官をなめ切っている。昔は「おまわりさんに言うよ」と、子どもにとっては世の中で最も怖い存在だった。それが現在,警官がこれほど惨めな存在になった姿は見るに忍びない。あの悪ガキたちに時には敬語まで使って指導しなければ職務が遂行できないのだ。だから取締りの結果は莫大な税金を使いながら、大山鳴動してネズミ1匹で終わるのが常だ。世の中の誰もが「ぶん殴ればいいのに」と思っているのにだ。》

 全国の小中高生による暴力行為の発生件数が09年度、過去最多の6万913件(前年度比2・2%増)に上ったことが14日、「問題行動」に関する文部科学省の調査で分かった。小学校は前年度比9・7%と最も大きな伸びを示し、小中ともに過去最多となり、暴力行為の低年齢化傾向がみられた。国私立も調査対象に加えた06年度から、3年連続の増加となっている。

 調査は、国公私立の小中高3万8389校を対象に実施した。

 小学校の暴力行為は7115件。加害児童数は前年度比12・4%増の6814人で、06年度の学年別加害児童数と比べると、各学年とも約2倍近くになった。中学校の暴力行為は4万3715件(同2・2%増)。高校は1万83件(同2・9%減)だった。

 発生状況別にみると、生徒間暴力が3万4277件(同5・6%増)で過半数を占めた。対教師暴力が8304件(同2・3%増)、見知らぬ人へらへの暴力が1728件(同0・2%増)と人への暴力は増加し、器物損壊は1万6604件(同4・2%減)に減少した。

 前年度から調査を始めた被害者が病院で治療を受けたケースは4件に1件の割合で、1万1708件(同9・8%増)に上った。

 暴力行為が増えた理由について、文科省は
  ① 感情コントロールができない
  ② コミュニケーション能力の不足
  ③ 規範意識の欠除 
 などを挙げた。さらに「十数年前は集団で連携して暴力を振るうことが多かったが、最近は一人で行う傾向が現れている」と分析した。

《終には街なかの「誰でもよかった」の鬱屈した凶暴ぶりにつながる傾向だ。文科省は原因とは言わずに「理由」で逃げた。これらの理由のよってくる原因が先に挙げた家庭内教育の欠除なのだ。もっと言えば親の育児放棄にも似た放任なのだ。》

 いじめについては、特別学校を含む計3万9942校を調べた。認知件数は7万2778件(同14%減)で小中高のすべてで減少。このうちインターネットが関係した「ネットいじめ」は、3170件(同30%減)だった。

 しかし、文科省は「技術の進歩で見つけにくくなっている面もある」と引き続き注視する方針という。また、いじめの早期発見に向けて、全学校で児童生徒にいじめについて尋ねるアンケートを実施するよう求める通知を初めて出した。

 自殺した児童生徒は前年度より29人増え、中高生165人。小学生はゼロ。いじめが原因とされたのは2人だった。

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2010年9月14日 (火)

文部科学省の「短期滞在」型 留学制度(案)

 毎日新聞(9/14)専門編集委員・玉木研二『火論』から、
 しぼむ海外留学人気回復の呼び水に、文部科学省は「短期滞在」制度を来年度から始めたいという。案では、2週間から3カ月の短期に滞在費、航空運賃の支援をする、という。

 意見は分かれる。「そんな甘えに税金を使われてたまるか」と言う人もあれば「昨今の若者の『内向き志向』転換のきっかけに大いに投資を」という賛成論もある。

 だが、コトはもう少し深刻に考えた方がいい。

 海外留学の減少の背景はこう言われている。不景気。就職活動の機会が限られて不利。海外情報などはネットで入手でき、渡航は不要、…………。

 要は出不精で「外国の大学は指導も勉強も厳しいらしいから」という敬遠理由もある。これは論外だが、有史以来日本は若者たちが命がけで海外に渡って、新しいものを持ち帰って植え育てた。

 東シナ海に多くの命をのまれながら留学生や留学層が文化、技術、政治制度まで母国に移入した古代。井上靖の小説「天平の甍」は、名が記録に残る8世紀の遣唐使で渡海した若じゅ僧らを登場させ、苦闘と葛藤を描いた。

 大正末・昭和初めに青春期を過ごした井上やその世代の心情が投影したものだろう。井上は留学はしていないが、学生たちが持った探求心、知的好奇心に変わりはない。

 「知るべきことはいっぱいある。読まなければならないものも山ほどある。何もかもこの目で見、この耳で聞く。広い唐土の全部から俺は吸収すべきものは吸収してしまう」。作者は激浪の船中で僧の一人にこう言わせている。

 一方で孤独と懐疑との戦いだ。自分は能力があるか。身の栄達か社会の底辺に立つ説法の道か——。そんな苦悩も、時代を超えて向学の若者たちをとらえてきた。そして今、海外留学の熱意の低下の背景に、こうした情熱や気概、渇望感の翳りを心配するのは少々うがち過ぎだろうか。

《ここまで目を通してきて、若者の気概と呼ばれるものには昔日の感がある。しかし、それを玉木のように、鎖国で海外のことを全く知り得なかった時代の若者と、部屋の中に居ながらにしてキーを叩いておれば世界のことがある程度は知るこことができる現代の若者とを比較するのは無謀といえるのではないか。時代をもう少し近づけて、精々100年ほどの昔、努力すれば立身出世が可能であった産業発展期のころの若者には、学問に頼らなくても知恵と体を動かすことで人の上に立つことが可能な道はいくらでもあった。知識は後からつけて膨らませることで間に合った。》

《しかし、それでもなお、時代は不景気といいながら、知る限りにおける現代の若者たちの無気力ぶりでは文科省の考えは、税金の無駄遣いとしかいいようがない。たった2週間から3カ月では物見遊山以上の収穫を期待することは無理だ。男性の育児休業と同じことで、骨休め程度の収穫で終わるだろう。まして自らの強い向学心や、知識欲でもない限り、得るものはなく、反対に国民の血税の浪費で終わる公算が大だ。》

 かつて沖縄に「金門クラブ」があった。本土復帰前、選ばれて米国留学した人々の親睦会である。「米留組」と呼ばれ、冷視もあったが戦後沖縄社会の要職に就いた。

 船旅でサンフランシスコに入港する時の感慨をクラブ名にこめた。感慨は「勉強ができるよいう喜びだった」と後に元留学生は語っている。未知の世界がそこにあった。元県知事の大田昌秀さんもその一人である。基地問題で米国側へのストレートな主張やワシントンへ直接乗り込む積極性は、留学の体験が生きているといわれた。未知の世界に学び、社会に生かす喜び。「使命感」とは言わない。若者たちよ一歩前へ、である。

参照 「出世したい」日米中韓高校生比較 07/04
   新入社員「役職興味なし」 10/03

《高校生、新入社員ともに覇気のないこと著しい。『内向き志向』からの脱却が玉木の願うように、短期留学で身につくきっかけになるものだろうか。やってみなければ分からないことではあるが。》

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2010年9月11日 (土)

高齢者の万引き

 毎日新聞(9/9)から、

 「万引き」という社会の病が重篤化している。
 Photo 検挙・補導数は高止まりだ。質的にも高齢者の検挙者が20年前の7倍近くにはね上がるなど、かつての「少年の犯罪」とのイメージは一変した。背景には「孤独」や「生活苦」の影響も指摘されている。

《『犯罪』が、いまや「孤独」や「生活苦」というエクスキューズで道徳や法律を押しのけ、容認されたかのように取り扱われる。しかし、同じ高齢者として、同じ年金生活者として、そのような甘ったれた生き方は断じて許さない。》

 「怒りしか出てきません。罪の感情がなく、ただで手に入るならそれでいいという印象がある」。さいたま市浦和区の三洋堂書店北浦和店の店長は憤る。同店では、小品に万引き防止用の商品管理タグを付けている。レジで勘定の際に外すが、付けたまま商品を持ち出すと出入り口のゲートが反応する。万引きする側も知っているらしく、平積みした本や本棚の下に、抜き取られたタグが落ちていることが月に十数回あるという。

 防犯カメラには、高校生らしき少年が平積みされた人気少年漫画を次々にバッグに入れるのが映っていたこともあった。ゲームの攻略本を万引きした小学校低学年くらいの男子は入店して5分で出て行った。「手慣れ過ぎた感じがやりきれません」と店長は話す。

 中部地方などに約90店を展開する同社は05年8月から、事件処理に当たった従業員、警備員の人件費を、万引きした人に請求している。昨年度は70件30万9285円を請求し、9割が支払った。同社は「経費の実費請求が世間の常識になれば、安易に万引きする風潮も改められるのでは」と期待している。

《人件費の実費請求は法的に認められているのだろうか。万引きの後ろめたさで表沙汰に出来ず、言われるままに対価として支払うことに問題はないのだろうか。法律家の判断を聞いてみたいが。》

 全国の刑法犯の認知件数は、戦後最高を記録した02年(285万件)以降、7年連続で減少したが、万引きについては02年を上回る。検挙・補導者も、92年に6万人を切ったが、09年には11万3083人に増加。中でも89年に3987人だった65歳以上の高齢者は、09年は2万7019人と7倍近く、この間の高齢者人口の伸び(2倍)を上回っている。検挙・補導者に占める割合も4・1%から23・9%に増加している。

 警視庁は昨春、万引きの容疑者の生活状況などについて、担当取調官に調査を行い、高齢者204人を含む1050人分の回答を得た。「心理的背景」(動機)では、高齢者の最高は「孤独」で23・9%。少年(4・0%)や高齢者以外の成人(16・3%)よりもかなり多かった。

 また、生活状況では、1人暮しが4割で、友人が「いない」「少ない」が9割近い。「相談できる相手がいない」「生き甲斐がない」もそれぞれ5割で、他の世代より高かった。生活が「困窮」「やや困窮」との回答は、49・0%。収入がないのは63・7%。万引き目的の9割が自己消費で、盗んだものは8割近くが「食料品」。額は5割強が「1000円以下」だった。

 「孤独」「生活苦」は厚生労働省の「国民生活基礎調査」からも窺える。09年の高齢者世帯(65歳以上だけか、18歳未満の未婚者が加わった世帯)89年の3倍の962万3000世帯。うち単独世帯も3倍の463万1000世帯になっている。年間所得が200万円未満の層は、全体では19・4%だが、高齢者世帯では39・5%と倍だ。

 数年前まで」ケアマネージャーを努めていた結城・淑徳大准教授(社会福祉額)は「高齢者の所得化憂さは大きい。毎月国民年金の5万、6万円で暮らしている人も多い」と話す。結城が担当した中にも、家賃2万円台のアパートに暮らし、残りの3万、4万円で光熱費、食費を賄う人がいた。閉店間際のスーパーで値引きされた食材を買っていたという。

《私は、何度も書いてきたが来年には80歳になる。退職金をはたいて終の住処をつくり、現在は家賃で苦労することがない反面、たった一つの収入源の年金から固定資産税を払うことになる。この年になってもまだまだやりたいことは山ほどある。孤独だ、生活が苦しいなど泣き言など言っている暇はない。》

 しかし、なぜ「孤独」だと、いい大人が「万引き」に走るのか。犯罪予防を研究する坂井・桜美林大教授(倫理学)は、警視庁の調査を分析し「多くの高齢者が孤独でしょうが、万引きする人はほんのわずかです」と前置きした上で次のように見ている。

 「人は会社,家族など周囲に評価され、励まされることで、自分が大事な存在だと思えます。一定の社会的責任を果たしている人は悪事に手を出さないものです。だが、独り身や定年退職で社会関係が希薄になると、自分は誰にも大切にされていない、何の役にも立っていない無価値な人間だという気分が生じやすい。『どうせ自分は』と卑下すると、ルールを守る意識も低くなってしまう」

 さらに坂井は「財布にお金があっても万引きするケースは多い。お金がすべて、お金がなければ不安という風潮も影響している」と指摘する。アルツハイマー病などの影響を指摘する専門家もいる。

《一定の社会的責任を果たしている人の悪事は掃いて捨てるほど起っている。また、他人から大事にされていないと思うことや、無価値な人間だと思う気分が3段論法的に老人を万引きに引き寄せるものとは思えない。スーパーなどで万引きが見つかり,事務所で糾される老老爺、老女たち、「お金を払えばいいんでしょ」と開き直る姿からは,坂井が説明する思索の裏付けがある人となりは、とても汲み取れない。》

 一方、少年はどうか。依然として比率では「高齢者」「その他の成人」より多いが,検挙・補導者は09年で3万7008人と20年前からほぼ半減している。先の警視庁の調査では、動機は「ゲーム感覚」が26・8%で最高だった。

《彼らの世代はモラル喪失の世代だ。親からも、学校教育からも道徳律は何も学んでいないようだ。》

 大阪家裁総括主任家裁調査官などを努め、多くの非行少年に接した藤川・京都ノートルダム女子大教授(臨床心理学)は「10年ほど前,少年犯罪が社会問題化した。減少は学校現場が取り組みを強化した結果でしょう」と話す。

《「取り組みを強化」とは何をどうしたのだろうか。道徳教育を推し進め、犯罪予防に力を入れたのか、或いは取締りを強化し管理体制を敷いたのか。》

 ならば、高齢者の万引きも減らせるのではないか。結城は「防止には周りのサポートが必要。孤立化させないようにすべきだし、お金がないなら早く生活保護につなげる必要がある。警察は万引きした高齢者に福祉的な支援が必要と感じたら、行政の福祉部門と連携して何をするかを考えないと、再犯は防げないだろう」とみる。

 坂井は指摘する。「一番大切なのは社会全体が[万引きは犯罪だ』と態度で示すこと。見つけた店は必ず警察に届けるべきだ。人と人とのつながりを大切にした社会づくりも大事。年を取ると仕事や趣味での自己実現は限界が見えてくる。些細なことでも周りに何かをして『ありがとう』と言われる方が満足感が得られ、自分の価値を実感できるのではないか」」と。

 《本人が気を遣うほど、周りは彼や彼女に注視していないし、評価する目で見てはいない。犯罪は犯罪として厳しく取り締まるのが当然なのだ。》

 坂井らの提言を受けて、警視庁は今月から万引きの検挙者に、地域活動や警察の防犯活動などへの参加を促し、立ち直りを支援する活動を始めた。・・成果を期待したい。

 《犯罪(万引)が起るのを待って、捕まえてから何かを対策しよう、ということのようだ。果たして如何ほどの効果が期待されるのだろうか。》

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2010年9月10日 (金)

人間は何歳まで出産が可能か

 毎日新聞(9/8)『ナルホどり』から、
 衆議院議員の野田聖子(50)の妊娠が派手に報道された。米国で第三者の卵子提供を受け、事実婚関係にある男性の精子と体外受精して妊娠したという。野田は子どもが欲しくて不妊治療を続け「私は、産みたい」という本も書いている。

 Q 彼女は50歳というが、人間は何歳まで出産できるのか

 A 公表されている範囲では、日本国内で07年、61歳での出産例がある。子宮がなく子どもを産めない娘の代わりに母親が「孫」を代理出産したケースだ。自分自身の卵子を使った出産は、札幌市で08年に49歳の出産例がある。また海外では、やはり08年に70歳のインド人女性が出産したと報じられた。いずれも体外受精で、自然妊娠ではない。

 Q 野田は自然妊娠ではないが、何歳まで可能?

 A 個人差があるからはっきりとした上限は言えないが、専門家によると40代までと考えられる。初産かどうかも大きな要素で、2人目以降は1人目よりも妊娠し易いととされている。ただ、女性の卵子は年とともに減少・老化するため、高齢になるほど妊娠しにくくなるものだ。不妊治療の専門施設でつくる団体「日本生殖補助医療標準化機関」(JISART)」の田中温理事長によると、高齢で妊娠すると、流産したり赤ちゃんが障害を持つ可能性も高くなるそうだ。

 Q 医療が進歩しても難しいということか

 A 若いうちに卵巣や受精卵を凍結保存し、後の妊娠に備えるような技術も、研究が進んでいる。例えば、卵巣の機能に影響が出る癌の放射線治療の前に、卵巣や卵子を取り出して凍結保存しておき、治療後に妊娠を試みる研究がある。ただ倫理的・技術的な課題があり、だれでも利用できるわけではない。

 Q 出産平均年齢も上がっているようだ

 A 高齢出産は増える傾向にある。厚生労働省の人口動態調査によると、初産年齢の平均は09年度が29・7歳で、80年の26・4歳から3歳以上伸びた。また、50歳以上での出産は、80年は1人だったが09年は20人に上っている。仕事を持つ女性が増えて晩婚化が進み、結婚後も子どもを持つタイミングを計るのが難しいことなどが背景にあると言われている。

《世界の高齢出産をしらべてみた。本欄でも書かれているが、70歳のインド人女性、それより以前にはルーマニアの大学教授の66歳での出産がある。インド人女性の体外受精に使われた精子が夫のものかどうか分からないが、ルーマニア女性の場合は、精子,卵子ともに他人(ドナー)から提供されたものを着床させたもので、見方を変えれば代理出産に当たるものだ。》

《子どもが欲しいから、だけで生物学的には産まれるはずのない同性結婚をした2人の間で卵子乃至は精子が売り買いされたり、知人間でやり取りし、技術的に可能だというだけで子をもつことができる。野田の場合、不妊治療をした経緯があるようだが、どこかで規制をかけないと安易な試験管ベビーが量産されることになることを危惧する。》

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2010年9月 9日 (木)

鯨肉窃盗 環境団体の2人に有罪判決

 毎日新聞(9/7)から、
 盗っとの屁理屈は通らず、当然の判決がなされた。裁判までの経緯については『鯨肉窃盗裁判]として8/31のブログに書いた。

  調査捕鯨船の船員が自宅に送った鯨肉を運送会社の倉庫から盗んだとして、窃盗罪などに問われた国際環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」(GPJ)メンバー2人に対し青森地裁は6日、いずれも懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。弁護側は「船員の鯨肉横領を告発する正当な行為」と無罪を主張したが、小川賢司裁判長は「許容限度を逸脱している」と退けた。2人は判決を不服として即日控訴した。

 小川裁判長は「(GPJの)調査が公益目的で正当なものであったとしても、他人の財産権や管理権を侵害することは法と社会が許さない」と述べた。また被告らの告発によって「調査捕鯨で一部不明朗な点があった鯨肉の取り扱いが見直された」としながらも、メンバーが盗んだ鯨肉は「(船員が)不正に入手したものと断定できない」とした。

 判決によると、GPJメンバーの佐藤潤一(33)、鈴木徹(43)両被告は08年4月16日、運送会社の青森支店(青森市)に侵入し、船員が自宅に送った段ボール箱入りの鯨肉約23・1キロ(5万8905円相当)を盗んだ。

《内部告発が『善』として社会的にも大手を振って罷り通り、メディアも精一杯報道するところだが、今回の事件は多少様子が異なり、メディアの筆も鈍いものだ。事件は内部告発とはいえず、単なる外部の人間の建造物侵入に加えての窃盗事件だ。法治国家としては断じて屁理屈に屈してはならないものだった。》
 

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2010年9月 8日 (水)

暴走 違法競技用自転車

 毎日新聞(9/9)から、
 
 参照 自転車衝突死 08/01 (これは、競輪選手の起こしたものだが、危険きわまりない競技用自転車の公道走行を即座に禁止するべきだと書いたものだ。)

 「ピスト」と呼ばれる競技用自転車にブレーキを装備せず、公道を走る愛好家が増えている。しかし今年に入り、ピストにはねられた歩行者が死亡したり重傷を負ったりする事故も相次いで発生している。ブレーキなしの自転車が公道を走るのは道交法違反なうえ、事故にもつながりかねないため、警察は交通違反切符を切るなどして取締りを強化している。

 【ピスト】
 トラック競技用で、ペダルと後輪の動きが一致する固定ギアを採用。ペダルを止めれば車体は止まり、後に踏めば後退する。停止には相当な脚力が必要となる。整備し易いことなどから、00年代に入って東京を中心に全国に広まったとされる。道交法は時速10キロで走行中、3メートル以内で停止できるブレーキを前後輪に備えるよう規定されている。ペダルでの停止はブレーキとして認められていない。

 東京都渋谷区で今年2月、歩行中の60代女性が30代男性会社員運転のピストにはねられ、一週間後に死亡した。同区では5月にも自宅前を掃除中の90代女性に20代の男性会社員運転のピストが後からぶつかり、女性が肩を骨折した。警視庁原宿署が、それぞれ重過失致死と重過失傷害の容疑で捜査中。また、福岡県警は7〜8月、福岡市中央区・天神など中心街で取り締まりを強化し、制動装置不良で4人に5万円以下の罰金となる切符を切った。

 ブレーキなしのピストは、主に競輪選手や部活動向けに専門店で販売さQれている。インターネット上のオークションでは、中古品が3万円程度で買え、選手以外尾でも購入可能。ブレーキなしで販売しても違法性はない。ブレーキ付きで販売している自転車店もあるが、「ワイヤがスタイリッシュでない」として取り外す愛好家も少なくない。

《違法性はない、として販売しながら、道交法で違反切符が切られるとは矛盾している。切符を切る警察官だけが得点になるのも頷けないことだ。その間には死亡者や重軽傷者が数を増して行くことになるだけだ。》

 人気は全国でもじわじわと拡大している。京都市中京区の繁華街でブレーキなしでピストに乗っていた20代男性は、「事故も多いと聞くが、普段から練習しているから大丈夫。扱えない人は乗らなければいい」と話す。しかし警察庁は「制動装置が備えられていない以上、道路上での使用は原則として違反」との見解だ。

 自転車メーカーの「ブリジストンサイクル」(埼玉県)は危険で違法であることを注意書きしているが、「お客さんが自分で外してしまうとどうにもならない」(広報担当者)と困惑している。自転車協会(東京都港区)も、「競輪選手でも公道の練習には前後にブレーキをつけている。ブレーキなしでの公道走行は大変危険」と警鐘を鳴らしている。

《「危険で違法であることを注意書きしているが」とはメーカーの気休めと責任逃れでしかない。世の中、電気製品にしろ、食品にしろ、薬品にしろ、あらゆるものに付けられる「取説」に目を通し、それが守られるケースは先ずないと考えた方がよい。その中で、人間生活に危険や害の恐れがあるものは法規制して行くしかないだろう。人まねで流行に乗るのは勝手だが、事故まで流行のように惹起されてははたまらない。自動車に変わって走る凶器で終わらせないで、「ピスト」は公道での走行を禁止として早急に法整備を進めるべきだ。》

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2010年9月 7日 (火)

大学生の就職活動を考える 3.

 3人目は、日本経団連常務理事・川本裕康(55)。

 近年の就職活動の早期化・長期化の傾向については、経済界としても問題意識を持っている。日本経団連では、97年から「大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用選考に関する企業の倫理憲章」(以下、倫理憲章)を発表して周知徹底を図っており、毎年、必要な見直しを行っている。

《13年も前に発表してから今日まで、何をどう広報してきたのか。憲章の手直しだけで趨勢が動くとでも考えているのか。単なる錦の御旗をかざしているだけで、今時、「御旗」を眺めて恐れ伏す企業があるわけではないだろうに。》

 一般的に、就職活動というと会社説明会やインターンシップまで含めてとらえられる傾向があるが、「倫理憲章」は、採用選考活動を「広報活動」と「選考活動」の二つに分けている。

 選考活動は、学生を選抜することを目的としたもので、卒業・修了学年に達しない学生に対して行うことに点いては「厳に慎む」と明記している。学生が勉強する環境を十分に確保するには、企業が面接など選考活動の早期開始を自粛する必要があるからだ。

言ったから,やらねばならない、やってくれるだろうはお上意識と変わらない発想だ。》

 ただ、インターネット上のWEBテストの受験やエントリーシート提出など、学生が日程や場所に縛られないものは、学事日程に影響しないことも考えられる。このため、「倫理憲章」の趣旨を十分に踏まえ、各企業が採用選考活動の実態に合わせて適切に判断することとしている。

 一方、広報活動は、企業情報や採用情報を学生に対して発信するもので、可能な限り速やかに行うことが望ましい。十分な時間をかけて広報を行うことで、学生側も志望する企業を吟味でき、入社後のミスマッチ防止に役立つ。

《「倫理憲章」の周知徹底は企業の責任か。官報に載せておしまいの公法ではないはずだ。川本が言う広報活動こそ経団連自身の運動ではないのか。年を逐っての手直しで済むデータを蓄積するだけのものではないだろう。》

 この広報活動を選考活動の一環ととらえてしまうと、会社説明会やインターンシップなどに参加しないと、その後の選考活動に影響するのではないかとの誤解が生じる。その誤解を解いて行く努力が必要と痛感し、昨年の「倫理憲章」の見直しでは、企業が広報活動を行う際に、その後の選考活動に影響しないことを明示するよう努める旨を加えた。企業説明会などが平日の授業時間帯に行われるケースもあり、今後さらに改善の余地があると考えている。

 【日本経団連】
 その使命は、「民主導・自律型の経済社会」の実現に向け、企業の価値創造力の強化を図るとともに、個人や地域の活力の向上を促し、わが国経済ならびに世界経済の発展を促進することになります。

 このために、経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけています。同時に、政治、行政、労働組合、市民を含む幅広い関係者との対話を進めています。さらに、会員企業⦅代表的な企業1281社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体129団体、地方別経済団体47団体(いずれも2010年6月15日現在)⦆に対し「企業行動憲章」「地球環境憲章」の遵守の働き掛け、企業への信頼の確立に努めるとともに、各国の政府・経済団体ならびに国際機関との対話を通じて、国際的な問題の解決と諸外国との経済関係の緊密化を図っています。

《志やよし、とするところだが、ただの大風呂敷にならないよう、自らの広報活動に努力する必要があるだろう。》

 「倫理憲章」では拘束力が弱いとして、一部には、かつての就職協定のような企業の早期採用活動を禁じる強制的な仕組みが必要との指摘もある。しかし、協定が形骸化した過去の道のりを振り返れば、復活は現実的ではない。採用選考活動は、企業の自己責任に基づいて、自主的に行われるべきで、罰則等をかけることは馴染まない。現在、「倫理憲章」に賛同する企業は925社だが、経団連としては、経済界への周知拡大と趣旨の徹底を一層図っていきたい。

《13年かけて尚、何ら効果を上げていない。大・小さまざまにある企業だけにモラルを期待しても効果はないだろう。抜け駆けの「掟破り」は人の世の習いだ。罰則をかけることに二の足を踏むようだが、過去の形骸化した要因を一つずつ解決して行くことで道は開けるのではないか。その努力すらしていないのだろうか。未だに「趣旨の徹底を図って行きたい」の初期段階にとどまったままなのか。》

 わが国経済は緩やかに回復しつつあるが、先行きの不透明感が強く、新卒者の就職は厳しい状況が続いている。状況改善には、何より持続的な経済成長の実現が不可欠だ。

《これでは高校生の夏休みの宿題の論文程度の月並みの内容だ。「先行きの不透明感」などは何年も前に使い古された黴の生えた表現だ。経済成長がなければ経団連としも手の打ちようがないと匙を投げるのか。現状で、現在抱えている問題をどのように打開して行けばいのか、少しは知恵を絞ることもしないのか。》

 一方で、経済界としても、既卒者も含めた若者の就職機会の拡大に向けて、通年採用や中途採用など多様な採用形態の自主的な導入・整備を一層進めていくことが重要だ。企業は先入観を持たず、人物本位の採用を徹底していく必要がある。

《三者三様に背後霊のように「不況」がつきまとう。就職戦線に明るさが戻るにはまだまだ道は遠いようだ。》

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2010年9月 6日 (月)

大学生の就職活動を考える 2.

 3年前の私のブログ記事から 主要100社新卒採用 選考で重視するポイント 07/03

 続いて、日本私立大学団体連合会、就職問題委員会委員長、永井和之(65)。
 大学生の就職活動には三つの問題点がある。以前から問題視されている就職活動が早期化しているという傾向と、それに伴う就職活動の長期化という問題。そして08年のリーマンショック後には就職難という問題が加わった。

《何だか昨日の本田教授の論文を読み返しているような錯覚に陥る。このようなことは既に誰もが知っている前提の要因だろう。問題意識がこれから離れない限り、論理の展開も結論も似たり寄ったりのものになることが推測されるのだが。まあ、耳をかしてみよう。》

 就職活動の早期化は、具体的には、学部生では3年生から、大学院生では修士1年目からという話である。まさに専門教育が本格的に行われる学年の教育にとって、大きな問題を投げかけており、社会全体にとっても問題である。人材を育成するという大学の機能が損なわれる危険があるからである。就職活動を3年に始めるということは1〜2年生の時点での学力しか見ないということだ。その時に、企業側の選考基準で重要な要素は何なのか。多くの企業はいわゆる「人間力」を挙げている。専門力や語学力、学業成績などは、上位の要素に入ってこないのが実情である。

《最近になって日本でも企業内の公用語を英語とする会社がでてきたが、反面「ばかな話」と一蹴する人間もいる。ホンダの伊東孝紳社長は「英語が必要なやりとりなら英語でやる。時と場合によって使い分ければいい」「日本人が集まるここ日本で英語を使おうなんてばかな話」と。(7/21・毎日)》

《永井がいう語学力、学業成績が本人入社後の企業人としての成長にどれだけ必要で役に立つかは全くの未知数だ。また、大学で学ぶ専門力が日々変動する企業でどれだけ活かされるかも未知数だ。それよりは昨日も持論の「何故を問う思考力と追究力」と総合的な人間性を備えた人材を必要とするのが企業の側だ。「中には立派な人もいる」と慰めの言葉を掛けられる日本有数の最高学府を出た公僕であるはずの役人たちが、その専門知識を利用してどれだけ日本を駄目にしてきたか、数えればきりがない。》

 選考基準で気になるのが、第1次の選抜が大学の偏差値で判断されていないかという問題である。そういう状況では、学生がそれぞれ入学した大学で一生懸命勉強しようと思う熱意が阻害されないだろうか。確かに大学の教育で人間力を磨かせるのは難しいかもしれない。しかし、大学における教育も、教室、キャンパスという場自体、社会との接点(インターンシップなど)という三つの場においてなされるものである。それぞれの場が、いかに学生の人間力を鍛え、涵養とする場となっているかが、今大学に問われていると考えている。

《現実問題として、ほとんど勉強しなくても入れる大学と、寝る間も惜しんでやっと難関を潜って入れる大学が並立しているのが実態だ。企業内での評価でも問題になるのが、「一生懸命」だ。皮肉に聞こえようが、一生懸命を認めれば逆に不公平が生じることは多々発生する。なぜか、生産性の低い新人や理解力の低い人間ほど一生懸命頑張るからだ。「一生懸命」はものの評価の基準には使用できないのだ。単純にかけっこを眺めれば、びりの子の頑張りには涙を誘うものがあるが、レースとしての評価は・・・。》

 また、就職活動の長期化にも、大学間格差が出てきている。内定時期の山が4年の五月にある学生と、7月という大学、その後という大学があり、就職率も格差が拡大している。このように1年近く就職活動に走っていると、学生が授業に出て来ない。とりわけ小人数制のゼミや学生の主体的参加を求めている授業、理系の実験は大きな支障に直面している。企業説明会などに行くべきか、大学へ行くべきかで悩む学生に「大学に来い」と強制はできない。だが、教室に学生がいなければ、どうしようもない。最近,日本でも取り入れられるようになったソクラテスメソッド(教員と学生との活発な対話を通して進める授業)などは、授業に出た人のノートをコピーしても全く意味がない。

 最近、学生が内向きだといわれる。確かに数年ほど前なら中央大でも、大学のプログラムを利用して積極的に留学などに出る学生も多かった。だが今の学生には、不利になるとか、就職活動を前に、いつ行けばよいか分からないとの不安がある。経済界は、学生の質が落ちたようなことを言うが、大学側から見ると、企業の方が相反することをやっているとも思える。

《学生の質が落ちているのはまぎれもない事実だろう。大学の乱立の上に少子化という要因が加わって、大した努力をしないでも入れる受け皿が多すぎる。当然玉石混淆の学生が混在している。企業はその中から、いま輝いてはいないけれど、後日光り出すだろうと思われる人材も拾い上げるのだ。その基準になるのがその人の「人となり」といわれる人格だ。》

 早期化・長期化という問題は、不況によって、より深刻化している。我が国では新卒で就職に乗り遅れると、もう次の機会はない。新卒に既卒者も含めた採用活動を企業には求めたい。若い人には何度でも再チャレンジできる社会であることが必要である。

《一人っ子が蝶よ花よで、或いは放任で、我が侭に育てられ、挫折を味わうことの少ないのが今の日本の若者たちだ。その甘えが引きこもりや脛かじりなどの社会現象ともなっており、とてもチャレンジ精神があるようには映らないのだが。社会のせいにばかりしていてはそれこそ出口なしだ。》

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2010年9月 5日 (日)

大学生の就職活動を考える 1.

 毎日新聞(9/4)から、《 》内は私見。
 文部科学省によると、今春卒業した大学生の就職率は前年度比7・6ポイント減の60・8%、1948年の調査開始以来、最大の下げ幅を記録した。就職活動の早期化、長期化、そして就職難が深刻。企業も大学も新たな取り組みが必要だ、ということで、同紙が立場の異なる3人からそれぞれの意見に紙面を割いている。論者は順次紹介するとして、最初に直接教育の現場に携わる東京大大学院教授の本田由紀・46(教育社会学)から聞いてみる。

 学生は雇用情勢に対し、焦燥感や閉塞感を感じている。「厳しいからしっかり就職活動をしろ」と、周囲がそれを煽っている。

 就職活動は3年の春、インターンシップに申し込むところからは閉まる。ワンデーインターンなど、実質的な意義は不明でも、学生は行かなければ不利になるという焦りから参加する。秋にはエントリーシート提出の準備が始まるが、様式は各企業で異なり、禅問答のような問いに答えさせられる場合もある。面接の回数も増えている。「シュウーカツ」という複雑な障害物競走を最後まで走りきった学生だけが、内定というゴールに辿り着けるシステムだ。

 大学での専門分野と産業・職種との対応が曖昧であるため、学生の多くはまず大企業を志望する。膨大なエントリーシートの選別を外注する企業があるかと思えば、優秀ではきはき答える学生を「どこか信用できない」という理由で落とす企業も。学生は採用基準が分からず混乱し、受けては落とされ続けるプロセスに苦しむ。就職活動は早期化、長期化、複雑化、不透明化している。

《大学の本質にかかわることだ。大学が企業労働者育成の場なら、それぞれの企業の担当者の出張教育が一番相応しかろう。しかし、『企業は人なり』の金言は、仕事が出来る人を指す以上に、人間としての教養や、資質の豊かさや豊かな情操を持つ人材を指しているのだ。そのような集団が生み出す仕事の結果が優れた生産物を生むということを言うのだ。質問に対して間、髪を入れない即答を、優秀のようだが、胡散臭いと感じる風潮は昔からある。別の言い方もある、「沈黙は金,雄弁は銀」と、じっくりと考える姿や、朴訥な言葉に好感を持つのは多くの人材を観察してきた面接官にはありがちなことだ。》

 企業は、同一年齢層の中から順風満帆でやってきた人材を採用したいのだろう。だが、シューカツという障害物競走のゴールに至れないまま卒業すると、非正規雇用になるしかないというオール・オア・ナッシングの状況では、弊害が大きすぎる。買い手市場を背景に、大目の内定を出し、意図的に極度のストレスを与えて自分から辞めるように仕向ける「新卒切り」も横行している。人権も法律も無視。こういう企業への監視も制裁も無いのが現実だ。

《大学院教授が言うのだからそれらの現場を見て確認した上のことだろう。このような無法を実行している企業があるとすれば、知っていて黙って見過ごしている方が悪いと言える。》

 最近になって、脳科学者茂木健一郎氏らさまざまな論者が企業の採用の在り方を批判的に述べ始めている。日本学術会議も、就職活動をもっと遅い時期から始め、卒業後に及んでもいいようにすべきだという方針を打出した。採用手法も改める必要がある。海外では職種別採用が基本。日本も仕事の内容や選考基準を明示すべきだ。そうすれば学生はやみくもに大企業にエントリーするのではなく中小企業も視野に入れて仕事内容に即して応募できる。

《大企業中心、女性の一般事務中心は日本の就職希望先で多く見られる顕著な例だ。介護や辛そうな職場、汚れ仕事は求められていても避けて通るのがこれまでだ。この意識を変えるのは大学の先生が言うほど簡単なことではなく、並大抵のことではないだろう。》

 大学も変わらなくては。かつて大学は、卒業後のキャリアにまで責任を負わなくてよかった。大半の卒業者は就職できたし、企業が育ててくれたからだ。だが、今は違う。大学はキャリア教育に力を入れているが、内容は、資格取得講座や面接対策、メーク講座など、表層的で近視眼的なものも多い。卒業後に向けたエンパワーメントを大学教育の本体にどう組み込んで行くかが問われている。「ここで学べばこんな仕事に生かせる」と発信する責任がある。

《冒頭に書いた。大学の教壇に、企業人を入れる方が早道だ。本来は、人間を向上させるために学びに行くのが大学じゃないのか。そのためには「何故」の思考力を身につけることが本道だろう。単に卒業証書を手にすることや、相手に気に入られるおしゃべりや、化粧法を学ぶのが大学じゃないはずだ。今はやりのアンチエージングと同じだ、表づらだけを飾っても、中身は老いるだけ、というやつだ。》

 日本の企業はバブル崩壊前のやり方を未だに続けている。それが生産性の低さにつながり、雇用が減り,若者が苦境に陥っている。なのに企業はすべて若者のせいにし、「こちらの求めているものを身につけていない」と言う。その考えを改めない限り、現状は変わらない。

《どちらが先か、の問題ではない。若いうちは2度ないと、のほほんと楽しく大学生活をエンジョイして皆が通る道だから、と企業周りを始める。東大卒にはいないだろうが、漢字も読めない、繰り上げ足し算もできない、その間どれだけ自己研鑽をしてきたのかもわからないでは、企業も採用に二の足踏むのは当たり前の話だ。働こうと思えば「何故」が考えられる思考回路を育てておくことが大切な条件だ。面接官は先ずそれを確かめ、その人物の将来性に先行投資するのだから。》

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2010年9月 4日 (土)

外来種って何?

 毎日新聞(9/4)『なるほドリ』から、
 秋になると河原や野原や空き地で背の高い、黄色い花をつける草(セイタカアワダチソウ*)をよく見かけるが、もともと日本にあった植物ではなく、北米原産の「外来種」だ。

《* 通常は1〜2.5メートル、肥沃な土地では3.5メートルほどにも成育して群生する。日本国内には明治末期のころに園芸目的で持ち込まれていた。その後、広く知られることもなかったが、第二次世界大戦後、アメリカ軍の輸入物資に付着していた種子によって広がり、養蜂家が蜜源植物としての利用で拡大していった。昭和40年代以降には関東以西から九州にかけて大繁殖するようになった。当時、花粉症の原因といわれ、大騒ぎになったのを記憶している。やはり同時期に増えた帰化植物のブタクサと間違われたようだった。》

 Q 外来種って

 A その土地に本来生息している「在来種」と違い、人間によって本来の生息地以外に移動させられた生物のことだ。生物多様性条約の指針原則では、人間がわざと持ち込んだ種だけでなく、荷物に付着するなどして偶然移動した種、国家間だけでなく国内で移動した種も含む

 Q 何百年も前にやってきて定着した生物も外来種なのか

 A 外来種だが、日本ではすべてを規制しているわけではない。「外来生物法」では、明治以降に国内に持ち込まれ、人の健康や生態系に被害を及ぼす生物を「特定外来生物」に指定している。沖縄本島などのジャワマングースやハウス栽培で農作物の受粉を助けるために導入されたセイヨウオオマルハナバチなど97種を指定し、輸入や飼育などを原則禁止している。ほかに「要注意外来生物」としてセイタカアワダチソウやミドリガメと呼ばれるミシシッピーアカミミガメなど148種を選定しているが、輸入禁止などの規制はない

 Q どうして明治以降に限定しているのか

 A 人の移動や物流が活発化し、いろんな生物が入ってくるようになったからだ。明治以降に日本に入り定着した外来種は2220以上ある

 Q 外来種はどんな問題を引き起こすのか

 A 人間によって外来種が突然持ち込まれると在来種を食べたり生息地を奪い、元の生態系を破壊してしまう。小笠原諸島では、米国原産のトカゲで特定外来生物のグリーンアノールが固有種のチョウ、オガサワラシジミなどを絶滅寸前に追いやっている

 Q 飼えなくなったペットを逃がす人もまだ多くいるが

 A 環境保護団体「世界自然保護基金ジャパン」の草刈秀紀は「外来種のペットを逃せば生態系が変わって他の生物がすみにくくなる

《在来、外来の考えを取るようになって高々100年そこそこのことだ。過去を1000年万年スパーンで考えれば、人の往来、潮の流れ、漂着や渡り鳥や風などによっても在来固有、外来の枠を越えて混在していてもおかしくはないし、大騒ぎすることでもない。》

《この問題が提起される都度思うことだが、国境がめまぐるしく変わったヨーロパや、北米の原住民とイギリスからのアングロサクソンや、同じく北米へのアフリカからの黒人奴隷の移動は立派な固有種と外来種の問題だし、或いはシルクロードを行き交った歴史の中で固有種同士の混合も、同様の問題と考えてもいい。現在フランスでサルコジが少数民族ロマをルーマニアなどへ送還することを考えているようだが、異例のことだ。総じて人間においては却ってもてはやされるほどの人種混合が、許されるのはなぜだろうか。》

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2010年9月 3日 (金)

飲酒運転事故 福岡県が全国ワースト1位

   〖 飲酒運転事故ワースト順位(H22.7末)〗
     1位      2位       3位
  福岡 209件 │ 大阪 207件 │ 千葉 180件
             (福岡県警察) 

 平成18年8月、飲酒運転の車に追突され、幼児3人が死亡した事故から4年を迎えた25日、福岡県警や行政関係者約80人が福岡市東区のJR千早駅で、チラシなどを配り、飲酒運転根絶を訴えるキャンペーンを実施した。
 3人が死亡した事故があった翌年の19年は前年と比べほぼ半減、20年も減少したが、昨年からは増加に転じたという。今年も公務員の飲酒運転摘発が相次ぎ、県警幹部は「事故の記憶が薄れたのかも」と指摘する。(10.8.25/sankei.jp.comから)

 《何とも白々しコメントだ。事故の記憶が薄らいだのは、県警幹部の連中だろう。昨年にはすでに増加傾向が現れているのだ。いち早く対策を取っていれば今年の数字はここまで増えなかったかも知れないのだ。》

 《ここにきて飲酒運転の増加が著しいのは「喉元過ぎて熱さを忘れた」だけが原因ではないと思える。暑い夏に入る直前だったが、「飲酒運転した公務員の『原則懲戒免職』に対して緩和の動きが報道され、酒飲みには「天の声」にも響くような飲酒運転が大目にみてもらえるような解釈がされるようになった。異常気候の暑さだけではない、飲酒運転事故が増えるのは当然の成り行きだしこの先まだまだ増加するだろう。撲滅キャンペーンなどお笑いぐさだ》

《また、全国的にも増加している飲酒運転事故の顕著な傾向として、60歳以上の人の数が増えていることを今日のテレビで報道していた。名付けて「定年性アルコール依存症」というのだそうな。彼らの言うには、職場復帰や社会参加も侭ならず、目的喪失し、「暇と、寂しさ」から酒に紛らす生活にはまり、抜け切れないのだという。情けない話だ。退職はその年齢になれば必ず来るけじめだ。その後の人生設計は前もって建てておくのが当然のことだ。「忙しかった」などは理由にならない。》

《我田引水を恐れずに言えば、私はどんなに忙しい中でも55歳定年の5年前から、敗戦直後の軍国少年の頭に西洋史の劈頭、カルチャーショックを受けたギリシャのパルテノン神殿の写真から、その地を訪ねるべく週1で、ギリシャ語のカルチャースクールに通い始めた。現地に1人旅しても迷子にならずに済むようにだ。また、新時代を告げるパソコン(MS-DOS)にも手を染めていた。定年退職を待ちわびていた。しかし、以前のブログにも書いたが、退職直前に社の規定改正で退職金に激減が発生し、その後の再就職が必要になり、61歳まで努めたところで今度は合併騒動が発生。相手企業の定年が60歳だったことでサラリーマンに終止符を打つことになった。それからだ、長年苦労させた妻を伴って真っ先にギリシャへ、続いて何度かのヨーロッパ旅行を重ねている。》

《酒など飲んでいる暇はない。まだまだしたいことが山ほどあるが時間が足りない。憎まれものだ、死ぬつもりはないが来年中に平均寿命がやってくる。》

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