まつ毛エクステのトラブルが増加
来客の準備のため、ケーキ屋に行った。おいしそうなケーキが並ぶショウウインドーを眺め、決まった品を注文しようと顔を上げた。目の前に化け物のような顔をした幼な顔の女性と目が合った。髪の毛は顔が隠れるほどのボリュームで、鳥の巣のように散らばり、幼顔の顔は大きな目ばかりがウニの針のようなまつ毛で強調され、鼻も口も目に入らない。「うっ」と欲しいケーキを注文しようとしたが声が出ない。いつかテレビで海藻のヒジキをまつ毛の強調に貼り付ける話題の女が紹介されたことがあったのを、たまたま見ていた。思わず喉元にこみ上げるものを感じて女店員の前から逃げた。ほかの年配の女店員を見つけ、ケーキを購入して用を済ませた。いくら大きい目で長いまつ毛が可愛く見えるからって、頭全体や顔のバランスも考えず、化け物然とした姿で客と対応するなど常識がなさ過ぎることだ。ほかには4,5人の同性の店員がいたが、誰もが見て見ぬ振りでもしていたのだろうか。それとも本当に可愛いとでも思っていたのだろうか。これほど酷いのにはあまりお目にかからないが、不自然に長過ぎるまつ毛のマスカラや人工毛のまつ毛には、テレビ画面でも街なかでも数多くぶつかる。若い頃の和田アキ子が、付けまつ毛で歌う姿が時々面白半分に紹介されることがあり、会場では爆笑の渦が巻き起こることがあるが、現在のまつ毛はそれ以上にお笑いの化粧になっている。
【閑話休題】
毎日新聞(7/29)から、
人工毛を接着剤で自分のまつ毛に付ける「まつ毛エクステンション」(エクステ)が原因で、目や皮膚を負傷するトラブルが増えている。美容行為のため人口毛を付けるには美容師免許が必要だが無免許の業者も少なくなく、今春にはエクステ業者が書類送検された。国民生活センターは「薬品による皮膚の化学ヤケドなどの危険が伴うため、利用は十分注意してほしい」と呼びかけている。
エクステは、シルクや化学繊維などの人口毛を、強力な専用接着剤で地毛に付け、まつ毛を長く、濃くし、目をぱっちりした印象にする行為。人口毛の本数や長さ、色などを選べ、長いものは1センチを越える。美容室だけでなく、エステティックサロンやネイルサロン、最近はまつ毛エクステ専門サロンでも行われている。一旦着けても地毛が成長すると、人口毛の重さに耐えられなくなることなどから3〜4週間で着け直すのが一般的という。
センターによると、まつ毛エクステの危害・危険情報は04年度から今年7月15日まで235件。04年度は2件だけだったが、09年度は99件に増加。今年度も既に30件に上る。相談者はすべて女性で、235件のうち半数近い103件が20代。50〜70代もいた。被害は目や目元に集中しており、治療1週間未満が51件で、1カ月以上も10件あった。
埼玉県内の20代女性会社員は、まつ毛エクステの途中から目が痛んで開けられなくなった。翌日眼科に行くと「角膜に傷が付き、結膜炎にもなっている」と診断された。コンタクトレンズも使っているため「エクステが原因とは断言できないが、可能性はある」と指摘されたため、店に伝えるとクレーマー扱いされたという。
負傷の原因は接着剤関連が目立つ。センターによると主成分が瞬間接着剤と同じものもあった。接着速度が早く、皮膚に付着すると化学ヤケドの危険もある。同センターは「目やまつ毛の知識や、高度な技術と細心の注意が必要だ」というが、美容師資格を持っていない人が施術していると思われるケースが少なくないという。
今年5月には、東京都内の店舗で美容師免許のない従業員にエクステの美容行為をさせていたとして、高輪署がエクステ会社と女性社長(28)ら計3人を美容師法違反(無免許、無届け営業)容疑で東京地裁に書類送検したケースがあった。同店でエクステの美容行為を受け、目のかゆみがとまらなくなった女性からの相談が端緒だったという。
東京都内の眼科医は「小さな傷でも放置すると細菌などが入り、角膜潰瘍になる場合がある。治療が遅れると資力が低下する恐れもある」と警告する。
厚生労働省は今年2月、都道府県などに対し、「美容師法違反の恐れがある事案への指導・監督の徹底」や、「悪質な事例に対しては告発も視野に入れた対応」などを文書で要望している。
《このところ、コンタクトレンズ使用者に増える角膜感染症など、目に関するトラブルが頻繁に話題になる。いすれにしても、健全な目があってこその美容や、おしゃれだ。傷を負ったり、失明するようでは何のためのおしゃれか分からなくなる。》
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